『温暖化抑止の切り札となるか』
気候変動枠組み条約第21回締約国会議
(COP21)が、30日に開幕予定。
参加首脳は計100カ国以上になると言われ、
議長国フランスは「野心的な目標」「合意の
拘束性」「途上国への財政支援」を中心に
合意を導きたいと考えているとか。
それよりも、より即効的で、効果的な取組み
を世界全体でいかに行うか、が大事なのでは
と思うのですが・・・
エルニーニョ現象が起こると、太平洋西側の
フィリピン沖では海面水温が低くなり、結果
的に日本付近で冬型の気圧配置を弱める
傾向があります。
つまり今年の冬は暖冬になりそうということ。
世界気象機関(WMO)によれば、現在発生
しているエルニーニョは1950年以降で最も
強力なものの一つとなる可能性があるそう
です。
エルニーニョの影響で、アフリカや中米など
世界各地では深刻な干ばつに見舞われま
した。
アフリカ東部のエチオピアでは雨期の6~8
月に雨不足に見舞われ、農作物の不作で
約820万人に食料援助が必要な状況。
アフリカ南部のマラウイでも干ばつや洪水が
発生し、10月~来年3月にかけ280万人に
援助が必要といいます。ジンバブエでも大
規模な干ばつが起きています。
途上国の貧困問題に取り組むNGOオックス
ファムは、今年から来年にかけ世界で数百
万人の貧困層が飢餓に陥る恐れがあると
警告、対策を急ぐよう国際社会に促して
います。
インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島
では、農地開発のための違法な野焼きや
森への延焼が煙害を発生させています。
エルニーニョ現象による乾燥のため、火災
が鎮まらず、国内の約43万人が呼吸器疾患
を発症しており、煙害は年末まで続くとの予想
で一層の被害拡大が懸念されています。
「近年、頻発している猛暑や豪雨、暴風など
の極端気象も、少なくとも一部は温暖化が
原因だとする研究報告が相次いでいる。
コンピューターによる再現実験などにより、
温暖化の影響で個々の極端気象の発生確率
がどう変化するかを計算する「イベント・アトリ
ビューション」の研究が進んだ結果だ。
米気象学会の報告書は13年の日本の記録
的な猛暑の分析を掲載。
猛暑の発生確率は人間活動による温暖化
で大幅に高まったとの見方を紹介した。」
(日経産業新聞2015年10月8日付)
世界の気候が大きな転換点(レジームシフト)
を迎えつつあるという見方が、気象研究者の
間で広がっている中、温暖化対策で注目され
ている技術があります。
工場や発電所の排出ガスから、地球温暖化
の原因となるCO2を抽出し、地下数千mの
地層に閉じ込めて大気中への排出を減らす
「二酸化炭素回収・貯留(CCS)」技術。
(CCSについてはこちらに情報が載っています
→http://www.japanccs.com/about/)
温暖化抑止の切り札として、世界中が注目
している技術で、日本も2020年頃の実用化
を目指しています。
(もともと地中にあったCO2を出さなければ
いいのに、と子どもから叱られそうですが)
温室効果ガスの排出を減らすことにいっそう
取り組んでいくことはまず第一ですが、
その上でこうした技術の活用も大事ですね。