『いのちを大切にするこころ』
「神渡良平人間学」第30回開催、ゲストの
鈴木中人様と神渡良平先生から心に深く
響く言の葉を頂きました。
鈴木さんの長女景子ちゃんは1992年、3歳
で小児がんを発病し、6歳で亡くなりました。
「子どもの供養とは、親が生まれ変わること。
子どもの分まで生きること」
死別から5年経ったとき、本屋の書棚で手に
した本「人は何によって輝くのか」に書かれ
ていたメッセージに出会い、鈴木さんは
「どっと涙が出た」。
神渡良平先生が本の著者でした。当時は、
「神官のような名前の方だな」と思ったそう
です。
そして「自分がいただいたものをバトンタッチ
することが、人生のテーマだ」と、鈴木さんは
会社に勤めながら、休日に「いのちの授業」
を開始します。
そして3年ほどしたある日、「いま体が動く
うちに大切にしたい思いに生きよう!」「
人生二度なし」と、経営企画部次長をして
いた大手企業を辞め、「いのちの授業」に
専念。
”長男は中学生でしたし、「いのちで飯が
食えるか」とも思いましたが、子どもの分
まで生きるんだから、やるだけやってダメ
ならいいじゃないか”と思っていたそうです。
景子ちゃんの発病、闘病、死を、言葉と
写真で伝えながら、自分が「いただいた
もの」を「いのちのバトンタッチ」として
つないでいる鈴木さん。
家族の絆を語り継ぎ、「いのち」の大切さ
を訴え続け、今では13万人もの方が「
いのちの授業」を聴くまでとなっています。
空気のように存在しているのが普通だと
思っていたいのちが、そうではないと気づく
ことの大切さ。
”私は景子ちゃんを救えなかった。そんな
自分が救われる思いなんです。”
お話を続けることで、みんなの中に景子
ちゃんが生き続ける。親の慈愛が感じられ
ました。
いのちの有難さを心から実感することで、
そこから何を大切にして生きるかを考え
始めるのかは、本当に大事なこと。
「照隅会」は、人生の何か大事なことを
気づかせてくれる場であり、「神渡良平
人間学」を続けていくことはとても意義ある
ことですよ、と励ましてくださった鈴木中人さん。
神渡先生の慈愛に満ちた導きをいただき
ながら、今年最後の回を終えることができ
ました。お二人の先生に深く感謝致します。