『詩のはじまりは、神様へのおいのりだった』
2016.06.06 12:38
宮澤賢治の詩を読んだ後と同様の感覚を覚えるのが、
金子みすゞの童謡。
有名な詩人の西條八十から「わかい童謡詩人の中
の巨星」と、評されたみすゞ。
彼女は、本州の一番南端に位置する下関にあった
上山文英堂という本屋さんの出店のたった一人の
店番の少女でありました。
みすゞの言葉に、
「詩のはじまりは、神様へのおいのりだった」という
心があらわれるきもちにさせられるものがあります。
心のやすらぎをおぼえる童謡、それがみすゞの童謡
でした。
西條八十の童謡に心うたれて、童謡を書き始めた
みすゞは、その八十から高く評価され、日本中の
わかい詩人のあこがれの星になりながら、
1930年、まだ26歳の若さでこの世をさりました。
「星とたんぽぽ」
”青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。”
心が見事にきれいに洗われる、何と優しく美しい
言の葉でしょうか。