『五十一歳の背番号51』
イチロー選手が、日米通算安打数を4257本
(日本1278本、米国2979本)にしたとの報。
ピート・ローズの持つ大リーグ歴代最多安打を超える
という偉業は大変素晴らしいです。
”42歳になってもなお、修行僧のように自分を追い
込む。
日々の準備は、時計が埋め込まれているかのような
同じリズムで進む。
そうした努力の結晶が、形となって表れるのが安打
だからだ。
「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行く
ただ一つの道」
その数が多いほど力になる。
「ヒットはいつもうれしい。2本でも1本でもそう
だけど、前に進んでいる感じがいい」。
だからこそ、数字にこだわりがある。”
(朝日新聞 イチロー4257)
大リーグ1年目の2001年、自らに課した数字は
「年間200安打以上」でした。当時、日本選手で
初の野手。
大リーグでは打率3割を打つことは難しいとも
ささやかれ、米メディアからの屈辱的な質問を、
イチロー選手は忘れていないといいます。
「君は大リーグの投手を打てるのか?」
「走りながら打っている」と称賛されるその足の速さ。
ボテボテのゴロを内野安打にします。
相手投手はバットに当てさせんと力んで、甘い球が
多くなることが。
自らの武器を磨き続け、2001年から2010年まで
大リーグ史上初である「10年連続年間200安打
以上」を記録。
そして日本選手初、大リーグで過去29人しか達成
していないメジャー通算3千安打にも挑戦中。
東京新聞のコラム「筆洗」にイチロー選手の若き日の
エピソードが紹介されていました。
”好投手の投げ合いで、試合は1-1のまま延長
戦に入っていた。監督は打席に向かう選手を呼び
止め、言った。「あのネットを越えてこい」
この選手は前の打席で、右翼のネットを直撃する
当たりを放ったが、球場が狭すぎてシングルヒットに
なっていた。ならば、本塁打しかない。
そんな指示に選手はニヤッと笑って応え、見事に
本塁打を打ってみせた
走攻守の三拍子が非常に高いレベルにある
イチロー選手。
しかし、それは決して偶然の賜物ではなく、その裏
には地道な練習の繰り返しがあります。
”本当の力が備わっていないと思われる状況で、
何かを成し遂げたときの気持ちと、しっかり力を
蓄えて結果を出したときの気持ちは違う”
(『プロセスは人間を作る』)