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中山治美の”世界中でかき捨てた恥を回収す”

ラビューに乗って秩父でウィスキーの旅

2023.11.05 12:54

 都内に住んでいても、馴染みのない路線は結構あります。西武池袋線もその一つ。

 筆者が大のムーミン好きとか、ライオンズファンだったら別なのでしょうが。

 それがワケあって、友達の実家がある秩父に行くことに。

 早速予約しましたよ。西武鉄道が誇る新型特急ラビューを。

 池袋ー西武秩父間76.8kmを約80分で結ぶこの列車。監修は、同郷で勝手にお慕い申し上げている建築家の妹島和世氏。西沢立衛氏との建築家ユニット「SANAA」で手がけた金沢21世紀美術館の設計で有名ですが、テツ的にはガラス張りの常磐線・日立駅を推したい。

 駅併設の、海を眺めながらくつろげるシーバースカフェに80歳過ぎの水戸のオカンを連れて行ったら、「あの日立駅がこんなに立派になっっちゃって」と目を丸くしていましたよ。

 一見、近未来的。だけど周囲の環境に溶け込む外観と、開放感溢れる空間を生み出すのが妹島マジック。ラビューの車両を見てください! 眺望バッチリの大きな窓が。

 2013年7月1日に新型コロナウイルス感染拡大などによる経営状態の見直しで特急料金が値上がりしましたが、それでも池袋ー西武秩父間で普通乗車券+特急料金900円でプチ贅沢できるのです。しかも飯能駅で進行方向が変わるというスイッチバック体験付き。楽しい〜。

 さて、今回の旅にはもう一つ目的がありました。ウィスキーバー「 Highlander Inn Chichibu 」に行くこと!

 本店はウィスキーの聖地と言われるスコットランド・クライゲラヒにあり、オーナーは日本人の皆川達也氏。

⚫️本場スコットランドで日本人が営むバーが、世界中のウイスキー通から愛される理由

 東京・中野坂上人形町、なんと台北にも支店があり、秩父店は2019年にオープン。建物が魅力的。国指定伝統的工芸品である絹織物の「秩父銘仙」の道具や絹を販売していた、築100年以上の元町家をリノベーション。中庭を望む座敷もあれば、蔵内の席もあると言う思いっきり和の空間ながら、ドリンクも料理も本場スコティッシュ・パブの趣という秩父とクライゲラヒ両方の歴史と文化を味わえるのです。

 ちなみに同店の近くには、国指定有形文化財や古民家をリノベーションした宿泊施設「NIPPONIA 秩父 門前町」も2022年8月にオープン。秩父、なんだか面白いことになっていますね。

 さて念願のHightlander Inn Chichibuで、1杯目に頂いたのは看板に描かれていた「今日のタップビール」中から、スコットランド・ブラックアイルの「21ペール」をハーフパイントで。


 筆者、日本のビールは苦味が強くてあまり得意ではないので、フルーティーで小麦麦芽を感じられるものが好み。一緒に行った友人は大阪・箕面ビールの箕面ペールエールをオーダー。箕面ビールは、ボトルのラベルデザインがカッコいいんだな。

 2杯目はやはり看板に描かれていたオススメの「秩父ホワイトのお湯わり」を。こちらは秩父蒸留所の「イチローズモルト」のモルト&グレーンホワイトラベルのお湯割りなのですが、なんでも最初に水とウィスキーを馴染ませて寝かせたものを、お湯で割っているそう。ホットウィスキーというと

アルコールの匂いが立ってしまって苦手という人が多いですが、これはまろやか。

 でもちょっと私にはまろやか過ぎたので、そろそろアイラ島に参りましょう。カリラ12年です。

メニューには「スモークベーコンのようなピートの香と甘みのある味わいでバランスの良い一杯」と書かれています。確かに。口の中いっぱいに広がるスモーキーさがたまりません。飲み干した後の、グラスに残った香りだけでも心地良く酔えそうです。

 同店はハーフでもオーダーでき、カリラ12年もハーフにして余力を残したので、最後にもう一杯。せっかくなので、マッカラン シェリー・オーク12年もいただきましょう。

 筆者、シェリーも大好きでして、産地のヘレス・デラ・フロンテーラ(スペイン)も行ったことがありまして。好きなウィスキーがこれまた大好きなシェリーの香が染み込んだ樽に貯蔵されたなんて、私のために造ってくれたのですね!と思わずにはいられません。幸せ。

 と、美味しいお酒が頂けることは予想通り。料理がまた絶品。

 正直いうと本場のパブの料理にはあまり良いイメージがありません。ここでも「パブの雰囲気を堪能できればいいかぁ」ぐらいに考えてました。それが定番のフィッシュ&チップスはもちろん、スモークベーコンにスモークエッグ、シェパーズパイ(ひき肉のトマト煮込みをマッシュポテトを乗せて焼いたもの)のどれを頼んでも「美味しい!」と連呼しまくり。おそらく、本場超えの味。

 実は今回、友人の小学生の子どもも一緒。「お酒を使った料理ばっか」と注文に困っていたのですが、よりによって頼んだパブの定番料理「ギネスシチュー」(牛のスネ肉をギネスビールで煮込んだもの)にどハマり。私たちの「ちょっとちょうだい」のおねだりを拒否しながら、一人で皿を抱えてあっという間に食べ終えてしまったほど。

 この日は特急ラビューの最終に乗らなければいけなかったので、ここで時間切れ。同店を満喫

するためには2、3泊は必要だなと、思いっきり後ろ髪をひかれながら帰京したのでした。


追記:著名人でウィスキー好きといえば韓国の人気グループ「BTS」のメンバーで、ソロデビュー曲「SEVEN」がジョングク氏。彼もジャパニーズ・ウィスキーがお気に入りのようで、同じグループのメンバーSUGAがMCを務めるYou Tubeのトークコンテンツ「シュチタ」のエピソード15にゲスト出演した際には、サントリーウィスキー角瓶をハイボールでガブガブ呑んで大盛り上がり。


 2回目にゲスト出演したエピソード21では、同じくサントリーの響21年(希望小売価格32,000円!!)を持参し、今度はロックでグイグイ呑みまくり。これ、今なかなか手に入らないんだけどな(苦笑)。

にしてもサントリーさん! そろそろジョングクにCMオファーした方がいいのでは?