欧州Super6~オリンピック予選に向けた前哨戦~
9/18~23にかけて欧州の上位6カ国による対抗戦「Baseball Super6」という大会が、オランダ・ホーフトドルプにて行われました。これまで偶数年に隔年開催される「欧州野球選手権」が、来年2019年にずれ込むことになりました。「Baseball Super6」は、欧州野球選手権の代わりに、前回の欧州選手権上位6カ国によって競われる代替大会であるようです。各国代表メンバーの中には現役のマイナーリーガーも何人か含まれており、東京オリンピックに臨むメンバー(メジャーリーガーを除くベストメンバー)にかなり近い構成になっています。欧州各国にとっては、欧州選手権、そして東京オリンピック欧州・アフリカ予選に向けた前哨戦という位置づけになります
欧州各国の東京オリンピックへの道
ヨーロッパ各国にとって東京オリンピックへの道は、長い道のりになります。まず来年2019年の欧州野球選手権で上位5位以内に入る必要があります。次に、欧州上位5か国にアフリカ選手権王者(本命は南アフリカ)が加わった「欧州・アフリカ予選」で優勝すれば、東京オリンピックに出場できます。これが欧州各国にとって、オリンピックへの最短の道です。
「欧州・アフリカ予選」で2位に入れば、その他予選出場国と競う最終予選「インターコンチネンタル予選」に道は繋がります。しかし、欧州より格上の相手ばかりの中で、優勝しないとオリンピックには出場できません。正直、欧州・アフリカ予選で2位に入っても、オリンピック出場の可能性は極めて低くなるため、欧州各国代表にとって何としても欧州野球選手権・優勝がマストとなります。
大本命は王者オランダ
今大会で優勝したのはWBCでベスト4の強豪オランダでした。6カ国で総当たり戦を行い、1位と2位で優勝決定戦を行うはずでしたが、悪天候により中止に。総当たり戦の結果そのままオランダが優勝ということになりました。ただし、オランダは総当たり戦においてイタリアとの直接対決勝っているので、優勝は文句無いでしょう。前回WBCで小久保ジャパンと“死闘”を演じたオランダ代表メンバーが15名含まれており、欧州王者のプライドを示した形となりました。
1次ラウンドではライバルのイタリアと対戦、元オリックスのアレッサンドロ・マエストリ(SP/サンマリノ)から5得点を奪い勝利しました。もし、オランダが予選を勝ち抜いたとしたら、このチームに更にウラディミール・バレンティン(OF/東京ヤクルト)、リック・バンデンホーク(SP/福岡ソフトバンク)という投打ともに大きな戦力が加わることになります。稲葉ジャパンにとっては手強い相手となりそうです。
イタリア、スペインが対抗馬
オランダと共に欧州で双璧を成すイタリアが準優勝。今大会のイタリアは元メジャーリーガーのクリス・コラベロ、アレックス・リッジが活躍、攻撃面が目立ちました。そして、近年そのイタリアに迫る勢いのスペインが3位に入りました。オランダ、イタリア、スペインの3強は、欧州選手権上位5か国に入るのは濃厚でしょう。4位以下のベルギー、ドイツ、チェコは3強と比べると、力の差があるようです。
上のグラフは、欧州野球選手権の試合結果から攻撃力/守備力をざっくり推定しました。(推定方法の詳細はこちらの記事を参照ください。)この結果から見ても、やはりオランダ・イタリア・スペインの3強は攻撃力/守備力ともに拮抗していて、他の3か国との間には大きな戦力差があったようです。特に、少し前までスペインと3番手争いをしていたドイツが、3強と差を開けられているのは残念な所です。
東京に来るのはどこか?
欧州アフリカ予選では、オランダ・イタリア・スペインの間で非常に熾烈な争いとなるでしょう。侍ジャパンの相手が誰になるのか要注目です。特にまだNPB組が控えているオランダ代表は、稲葉ジャパン金メダル獲得に立ちはだかる大きな壁となりそうです。
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