急激に躍進しそうな野球中堅国~中南米・オセアニア~
最近、野球も国際大会への参加・交流が増えている動きが活発化しています。特に野球中堅国が上位のリーグに参加するケースが増えており、今後強豪国との戦力差がぐっと縮まってくると思われます。今回はその動きをピックアップしてみたいと思います。
拡大するWL最高峰「カリビアンシリーズ」
各国・地域のウィンターリーグ王者が、中南米の王座をかけて戦うウィンターリーグで最高峰の戦い「カリビアンシリーズ」。これまでの参加国数は5か国で、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコ、メキシコ、そして2014年からキューバも参加し現在のフォーマットになっていますが、2020年からコロンビア、ニカラグア、パナマの中南米3カ国が参加します。
新たに参加する3か国は、世界の野球の中では “中堅国”に位置していて安定的にメジャーリーガーを輩出しているレベルは決して低くありません。各国のプロスペクト(=若手有望株)は、レギュラーシーズン(=サマーリーグ)をアメリカのメジャーリーグやマイナーリーグでプレイしていますが、そうでない選手は米独立リーグとも契約できなければ、高いレベルでの試合が経験できません。彼らにとってカリビアンシリーズで活躍できれば、高いレベルの試合を数試合だけですが経験できますし、何よりスカウトの目に留まる機会も増え絶好のアピールになるだろうと思います。アメリカ組以外の底上げが代表チームの強化にとって重要ですので、この3か国の今後の躍進に期待です。
コロンビア 10位
パナマ 17位
ニカラグア 28位
大きく動きだした「豪州リーグ」
「Australian Baseball League(以下、ABL)」は、11月~2月の間にオーストラリアで開催されるウィンターリーグの1つで、地元オーストラリアの選手にアメリカ・アジア・更には欧州など世界各国から選手が集まる野球リーグです。レベルはマイナーリーグの1Aクラスで、カリブ中南米のウィンターリーグとは趣が異なり、育成目的な面が強く出ています。参加国は現在6チームですが、今年のシーズンオフ2018-19シーズンから、2チーム増えて全8カ国になる予定です。
追加1チーム目はニュージーランドの「オークランド」で、ニュージーランドにとって最初のプロ野球球団となります。ニュージーランドと言えば、元千葉ロッテの清水直行氏がニュージーランド代表のGM補佐、統括コーチを務めていたことで有名です。ニュージーランド代表は、アメリカでプレイするような選手はまだまだ少なく、主にアマチュア選手によって構成されています。WBCでは第3回、第4回で予選敗退に終わっていますが、オークランドがABLで試合を経験することで代表チームの強化につながるでしょう。
追加2つ目のチームは、「Geelong-Korea」という全て韓国の選手で構成されるチームです。韓国スポーツマネージメント会社がバックアップしており、オーストラリアのビクトリア州ジーロングを本拠地としています。これも最近低調気味な韓国代表の人材育成に一役買うことになるでしょう。
更にABLはチーム拡大だけでなく、サマーリーグへの進出に向けても動きだしています。ABLの目線は、台湾プロ野球リーグ「CPBL」への参加に向けられています。ウィンターリーグよりも試合数の多いサマーリーグに、メジャー傘下に所属していない選手で構成される選抜チームを参加させることで、代表チームの全体的な強化につなげることができます。まだ、様々な参入に向けた規約をクリアしなければなりませんが、2019年シーズンからの参加を目指しています。
オーストラリア 11位
台湾 19位
ニュージーランド 22位
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