『ウェブシフトと最適解』
■紙新聞のピンチ
今朝のニュースいろいろ、斜め読みの中で目にとまったのはこれでした。
「新聞崩壊」はたった一年でこんなに進んでしまった (現代ビジネス)
これを読んで何よりも驚いたのが、新聞の発行部数の減少。
『日本新聞協会がまとめた2017年10月現在の新聞の発行部数合計(朝夕刊セットは1部と数える)は 4212万8189部と、1年前に比べて115万部減少した。2007年は5202万8671部だったので、10年で 約1000万部減ったことになる。最大の発行部数を 誇る読売新聞1紙がまるまる消えた計算になる。 新聞発行部数のピークは1997年の5376万5000部で、 2000年以降は前年を上回ったことがなく、 2008年あたりから減少率が大きくなっている。』
■凋落の原因
なぜ発行部数がこれほど大きく減少してしまったのでしょう?
ウェブメディアの影響でしょうと思うが、それだけではないらしい。
ウェブメディア猛攻 新聞の漂流止まず(BLOGOS) では、こう解説しています。
・新聞はコンテンツ(アーカイブ)と人材を利活用できておらず、人材流出に歯止めがかからない
・読者が本当に知りたい情報を報じておらず、ウェブメディアの猛攻を許している
日本全国至る現場の情報を持つ大手紙、地方の細かな情報を有する地方紙、規模の大小はあれども各社はこれら貴重な一次情報というコンテンツとその蓄積 (アーカイブ)を所有しています。
しかし大変残念ながら、これらを上手く活用できていないと筆者は指摘。優秀な人材もまた然りと。
■欧米ではどうなのか
それでは他の先進国を見た場合、やはり新聞社は苦戦 しているのでしょうか? 上記の「新聞崩壊」の記事を読むと、ネットファースト すなわち紙Web媒体で最新記事を提供して付加価値を高め、ネットユーザーを確保する動きが進んでいることがわかります。
なるほど、と思ったのが英語の強み。”英国のような国土が狭い国でもフィナンシャルタイムズ
(FT)などが電子化にシフトできたのは、英語の情報であるために世界中に購読者を広げることが可能だった。”
電子化によりかえってマーケットが広がったという効果。
日本国内のみを市場にして、日本語を読める人のみを
対象ではこうはいかないですね。
そして広告料の問題。日本の全国紙では新聞広告料( 1ページの全面広告)が定価1000万円超。 ところがネット化した場合、こんな高い広告は取れないとの指摘。
つまりこれまで築き上げてきたビジネスモデルが崩れつつあり、このままいけばの危機感は感じているが、その代わりとなるものに上手く移行できずにいる。
■パラダイムシフトと最適解
新聞とは別の話になりますが、電力についてこんな 記事がありました。
自分たちの首を絞める?EV普及で実は大変なコトが わかった電力業界の懸念(サンケイビズ)
EV(電気自動車)普及の機運が高まる中、電力業界の期待と懸念があるということ。『電力業界が普及の期待の高まる電気自動車(EV) 関連の事業に乗り出している。自動車メーカーと 手を組み、EVを蓄電池として活用するなど電力 システムへの囲い込みを狙う。 電気の販売先の広がりにもつながる見込みの一方で、 大口取引先である自動車産業の構造変化を促すこと になり、それが電力業界の懸念になっているという。 自分たちの首を絞めることになりかねないのだ。』
現代は、否応なしに次々と新しい技術による社会の 課題解決策となるビジネスモデルが生まれてきて います。これまでの構造を覆す、既得権益などおかまいなしの黒船が押し寄せてくる時代です。
新聞にしても電力にしても、パラダイムシフトに
どう適応していくのかが迫られています。もちろん
他の業界でも。
まさしく最適の解を創り出していく能力が問われる時代だと感じます。