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時間という概念。

2023.11.07 15:00

Naoyaです。

今日は二十四節気の19番目、立冬です。秋が終わりを告げていよいよ冬の到来です。暦の上では、今日から立春の前日までが冬となります。

この投稿の2日前。なんだか生暖かい感じがして朝早くに目が覚めてしまいました。これで秋なの?冬なの?という生ぬるさに、無意識のうちに掛け布団を剥いでしまったほど。昼間は半袖のTシャツで買い物に行くくらいで、外出のときは着脱可能な上着を持っているという感じ。洋服における季節感がまったくありません。そして昨日は台風のような生ぬるい嵐が到来。このまま程よい塩梅の秋らしさもないまま、いきなりストンと寒くなりそうな感じがしています。侘び寂びのない季節の移ろいは、本当に味気ないと感じています。

最近、ビートルズの新曲がリリースされました。今この時代にビートルズが新曲だなんてビックリです。ちょっと前には70年前の「ローマの休日」がスクリーンで上映されて、渋谷のタワーレコードでは、昔のいろんなアルバムのレコードが大量に並べられています。少し前にタワレコに行ったときは、1983年にリリースされた亜蘭知子「浮遊空間」のアナログが大量に陳列されているという不思議な光景を目の当たりにしました。

これらは単なる懐古趣味ではないと僕は思っています。

ビートルズはAIによって音質の悪いカセットテープからジョン・レノンの声を ”クリスタルクリア” に抽出したものに新たに演奏が乗せられ、「ローマの休日」も4Kにレストアされ、亜蘭知子はザ・ウィークエンドによってサンプリングされて若い世代からも注目を浴びたこともあり、何かしらの新しい要素やアップデートが施されているからです。それはまるで、時間という概念の解体や時系列の解体のように思えて、時間軸を狂わされているかのようにも思えます。AIという技術の使い方に対しては、個人的には素直に賛同できない部分も多い中、ビートルズのこのような使い方はとてもいいと思います。

この前観に行った中国の映画「ロングデイズ・ジャーニー この世の涯てへ」は、まさに時間という概念を解体させるような作品でした。過去と現在、そして記憶と夢のどれがどれだかわからなくなるような構成で、時間という概念や時系列に縛られずに感覚的に捉えた方が、すんなりと自分の中に入ってくるような感じがしました。

先日、25年近く前の知人と再会していろんな話で盛り上がったのですが、そのとき昔の話をしながらも、単なる懐かしさをなぞっているだけではなく、抜け落ちた記憶を互いに確認し、補足して修復しながら、今の物語として綺麗に綴り直すかのようで、まさに自分の昔の忘れかけていた物語をレストアしているような感じがしました。

単に過去を回想して懐かしんでいるだけだと懐古趣味で終わってしまいますが、過去を取り上げながら今に繋げられることができると、今必要なものが見えてきたり新しい発見に繋がったりしてくると思います。大切なのは過去と今を分断せず、シームレスに捉えること。過去を悔やんだり、過去の栄光にすがりついたりすることもなく、今をしっかり生きることがとても大切です。

過去と今には境目があるようでいて、境目なんていうものはありません。ひたすらずーっと繋がっているからです。過去を過去として分断してしまうのは、その人の勝手な思い込みです。今を生きながらも時間という概念に縛られることなく、いつでも過去と今を行き来できる柔軟さが、明日の自分を豊かに育てていきます。

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