【Interview】オーダーメイドのプレイリストで知らなかった曲と出会う楽しみ(前編)── 浅見れいな
女優として、モデルとして、その透明感と飾らない等身大の魅力で、同性からも絶大な人気を誇る浅見れいなさん。2013年頃からランニングを始めた彼女にとっての音楽は、仲間とのコミュニケーションに欠かせないもの。そんな浅見さんの走ることと、大好きな音楽との距離感を探る。
何かを始めるきっかけは“ひと”
--走り始めた当初は、ランニング中に音楽を聴かれていなかったそうですね。最近はいかがですか?
今も聴いたり聴かなかったり、半々です。スケジュールが詰まっていて忙しいときとか、なんか精神的にむしゃくしゃしているときにはあまり音楽は聴かずに走ります。そんなときは、いろいろ考えずに走りたいんです。時間帯は、昼・夕方・夜で、朝に走ることは少ないですね。
--走って心のもやもやとかを発散するタイプなんですね。
そうなんです。デトックスというか……自分のなかでごちゃごちゃしているものを整理したいときは音や言葉を聴かずに、心臓の鼓動や呼吸の音とか、走っている自分の足音を聴くほうがいいなって。でも本当にただただ走らなきゃいけないっていうときには、音楽を聴くとすごくメンタルが底上げされるんです。大会を目指してストイックに走ることが増えてから、そのパワーを改めて実感しましたね。それで、友達にこのことを話したら、私のためにプレイリストを作ってくれたんです。
--お友達が作ってくれた、いわばオーダーメイドのプレイリストで走られているんですね。素敵です。
大会出場に合わせて作ってくれて。私が知らない曲も入っていたりするんですけど、それをきっかけに新しい音楽に出会えるっていう楽しみもあったり……こういうのも面白いなって聴いていて思いました。今は走ることも日常的になってきたので、大会のとき以外もそのプレイリストで走ったりしています。作ってくれた友達はDJでもランナーでもないけど、音楽が好きだからいろんなことを想像して曲を組み合わせてくれるんですよね。
舞台のアップ時に聴けるような、テンションが上がるプレイリストをいくつかお願いして作ってもらったりもしてて。すごく仲が良くて信用している友達だから、私の好きな曲のタイプとかもわかってくれている。私をイメージしてこういう選曲をしてくれているんだ、って感じられるのもうれしいんですよ。
--ちなみにお芝居の稽古中に、台本を頭に入れながら走ったりということもあるのでしょうか?
それもあります。芝居の長ゼリフを走りながら覚えたり。自分のことを考えずに、頭のなかでずーっと言葉をループさせる感じですね。
お芝居って動かないといけないから、運動しながら、あるいは何かをやりながら覚えるとセリフが入るって聞いてからは、ジムにいる間とかもセリフを覚えるために頭のなかでループしています。そのときは、音楽は聴かないですね。
--浅見さんは、お友達から新しい音楽を知ることが多いのでしょうか?
私は本当に音楽に詳しくないので、友達から教えてもらって「じゃあ今度これ聴いてみよう」ってなることが多いです。テレビも観ないので、情報量が少ないのかも。インターネットも最近やっと家に引いたくらいなので(笑)。
舞台やライブを観たり、フェスに遊びに行ったりするのは好きなんですけど……テレビやインターネットからの情報がなくても、そんなに不便と感じたことがなかったんです。
--生の情報を得に行って現場で楽しむ派だったんですね。
たとえば現場で一緒になるヘアメイクさんも、いろいろなカルチャーに触れていて引き出しの多い方ばかりですよね。そういう方はスタジオで、すごく素敵な曲を流してくれたりするので、気になった曲があれば、「これはなんていう曲?」って聞いたりもします。
あとは、音楽のイベントに誘ってもらえたら積極的に行っていますし、そこでいい曲に出会えたら、そのあと改めて買って聴いてみたり……。自分が音楽に携わっていないこともあって、音楽ができるひとのことをすごくリスペクトしていますね。だから、ライブで、生でそういうひとたちの姿を観るといい刺激になるんです。
私の場合、何かを始めるきっかけは、だいたいが、“ひと”。走ることも音楽もそうだし、それ以外にも──たとえば仕事であっても、ひとがきっかけで派生していくことがすごく多いですね。そういうきっかけをくれる方が周りにたくさんいてくれているんだと思います。
Photo: Watanabe Akane/Text: Suzuki Emiri
浅見れいな
女優・モデル。雑誌「SEVENTEEN」の人気モデルを経て、現在は女優を中心にドラマや映画、舞台、バラエティ番組まで、幅広く活躍中。出演作品はドラマ「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「全開ガール」、映画「クローズEXPLODE」「海月姫」「エイプリルフールズ」等。また最近ではモデルとしての活動も精力的に行い、雑誌「InRed」「オトナミューズ」等を中心に人気を得ている。
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