トランペットレッスンを受けるということ
今日はトランペットレッスンを受けてきました。2回目です。
SONY α9 + Carl Zeiss Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
F2.2 1/60 ISO400
トランペットを20年振りに再開するにあたってレッスンを受けています。
そもそもトランペットレッスンをなぜ受けようと思ったのか。その理由は明確です。
1.どんな練習が自分に効果的なのかわからない。
トランペットが吹けるようになりたいんです。その為に練習したいんです。自分の過去の経験値から「こう練習をしよう」「こう練習すればいいはずだ」と言うのは漠然と思いつくのですがそれが果たして最善の方法なのか。そもそも吹けるようになるって何をもって吹けているなのか。。。と考えれば考えるほどわからなくなってきました。
2.過去の自分の奏法はおそらく間違っている。
例えばハイノート。高い音を出し方に関しては口の周りの筋肉を鍛えてガチガチにして強い腹筋から生成されるパワフルな息圧をもってして出すと思っていました。だから結果的にハイノートが出ないのは自分の鍛え方が悪い、筋力が足らないとも思っていました。当然すぐバテていたのですがそれも練習と言う名の筋力トレーニングがうまくいっていないと思っていました。
それは冷静に考えてみたら違いますよね。か細い女性でも「余裕っすよ」みたいな感じで綺麗なハイノートを出す訳ですし。(昔は「ああ見てても人知れずトレーニングをして驚異的な筋力を持ち合わせているんだ!」って真面目に思ってました・笑)
と言う事で、自分の奏法を直したい。いやむしろゼロからリセットして吹き方を身につけたい、それには客観的に見てくれる人が必要だと思いレッスンを受けると言う事を決めました。
色々なレッスンがあったのですが、結論から言うとプレスト音楽教室で教えている荻原明先生の単発レッスンを受けることにしました。それは検索で先生のブログ(膨大な量があって読み切れない・苦笑)にたどり着き以下のページを読んで凄く共感するところがあったからです。
ブログ 『ラッパの吹き方』
https://www.trumpet-ogiwara.com/rappafukikata
ブランクからの復帰1 - ラッパの吹き方
http://trp-presto.jugem.jp/?eid=331
ブランクからの復帰2(練習編) - ラッパの吹き方
http://trp-presto.jugem.jp/?eid=332
特にこの練習編にある以下の分を読んで共感しました。
《人として成長していることは強み》
その前に、ひとつ書いておきたいことがあります。 前回書いたように、トランペットの吹き方をまったく知らない初心者に比べれば、吹くためのノウハウを持っている、ということだけでもスタート地点からだいぶ先まで来ています。
そして何年ブランクがあるにせよ、以前トランペットを吹いていた時に比べれば人間的に成長をしている、ということを自覚して欲しいのです。「全然成長なんてしてない!」と思う方も多いかもしれませんが、トランペットを吹かなくなってから、1日24時間×日数は絶対に生活してきているわけで、その時間のすべては自分にとっての何かしらの糧(かて)になっていると考えてみましょう。そんなこと言われても、今日は特に何も良いことがなかった、面白くなかった、何もなかった、と思っていても、誰かと会話をして「なるほど」と思ったり、電車の吊り広告を読んで(無駄だと思う内容でも)知識がひとつ増えたり、ランチでおいしい料理に出会ったり。もっと言えば「つまらない」という感情を持ったことだけでも、何もないわけではなかった、と言えますよね。成功しても失敗してもそれらはすべて経験というプラスになっているとすれば、人間は毎日無意識にも成長していると言えます。 ですから、昔トランペットを吹いていた頃よりも成長した自分は、以前よりも良い演奏ができる材料や要素を沢山持っているのです。
この文章を読んで「こういう考えを持った先生にアドバイスをもらいたいなぁ」と思いました。そして先生のレッスンは月謝を払って月数回のレッスンと言うスタイルの他に単発でも受講できるプランもあって敷居が低く、さらに言うなればレッスン場所が茗荷谷であり頑張れば徒歩圏内。自分の中でもう絶対受けよう!と決めていました。
ということで7月の頭に初めてレッスンを受けて、そして今日は2回目のレッスンでした。
1回目はトランペットの音ってどう出すの?という事からスタートです。
まずは楽器も使わずマウスピースのみ。バズィングの必要性、アパチュアの考え方など。
そして楽器を持ち、口の中で何が起きているか、舌の位置関係、顎の動き。呼吸と空気圧の関係。それらのバランスとコントロール。
小学校5年からトランペットを始めて高校3年まで続けていたのにこんな事考えたことなかった。。。というカルチャーショック的な衝撃でした。
そして2回目は先生が出している「ウォーミングアップ本」で生じた疑問を解決するのと引き続き音を出すことについて。
ブレスのしかた、軟口蓋を意識すること、ペダルノートの練習方法、ゴムのひもに例えた音域変化の可視化という話もしていただき凄くわかりやすかったです。
『セッティングを詰めて息を入れれば楽器が判断して音を出してくれるんです』とは先生。
うーん。納得。難しいけど(苦笑
上記はレッスンの一部。その他にも多くの事を教えてもらいました。
レッスンっていわゆる「点」を教えてもらう作業だと思っています。受講するだけでなくその点と点をつなぎ合わせるのは自分。これが非常に難しくて、ああでもないこうでもないと試行錯誤の連続です。
トランペットってこんなに難しかったっけ?
これがここ数か月毎日思う事です。今日のレッスンもいつも吹けていたところが指がもつれて吹けなかったりして実は割と凹んでいたりします。音がブレブレだったり。
でも、指がもつれた原因は何なのか?そして音がブレた原因は何なのか。それを突き詰めていくのもまた練習。原因は絶対あるはずだし、そのヒントもちゃんともらいました。
実はここ数か月、世の中的にはウォーミングアップ的な内容しかやっていないのです。そして次の受講まで引き続き同じ練習をする予定です。もっと技術的な練習をした方がいいのかな?なんて思いますがこの部分は非常に大切だと思うし、実際先生も
「これらが出来るようになればなんでも出来るようになります。あとは応用だけです」
こう言っていました。そう言われることによって迷うことなく続けることが出来ます。
次の受講までに解決すべき所はたくさんあるのですが、それが明確になる。そしてその方向性を示してくれる。これがレッスンを受ける意義だと思います。そして一番いいなと思っていることは身近で先生の音が聴けると言う事。目の前でプロが自分のために出して欲しい音、フレーズを吹いてくれる。そしてブレスのしかたなど言葉だけでは伝わりにくい体の動きを目で感じられる。これって本当に為になると思っています。
今、少しずつですが出来ないことが出来てきています。確かに難しいなと思っていますが、それ以上に凄くトランペットを吹くことがが楽しくなりました。そんな気持ちになれたので本当にレッスンを受けてよかったと思います。