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模写絵師つね吉八卦鏡

信州諏訪湖 ーしんしゅうすわこー

2018.09.25 06:37

長野県諏訪市にある諏訪湖で、小さな祠と二本の木を中心とした構図の向こうで みどり色の富士が佇みます。  

富士、高島城、一艘の舟そして 富士の形と重なるような祠、 祠の形を逆さに描く二本松。 見る者の目を一瞬で釘付けにする、絶妙のバランスがあります。

日本三大湖城のひとつである高島城は、湖に乗り出し建てられた浮城。 

 中世に武士と神官の双方を務め栄えた諏訪氏が築き、 その後、武田氏により支配の拠点とされました。 現在は毎年夏に花火で賑わうこの場所にも 語り尽くせないほどの歴史があります。

静かな湖畔をにおわせる小舟。 人の時代が変わっても大自然はひるまず変わらず、ひとつの次元に存在し続けます。

清廉の地を思わせる青い岩肌。 今回つねきちは すっきりとした水そのものの色に塗りあげ、天然水が眠るやさしい湖を感じさせました。 

 三十六景の45枚目までを描きあげたつねきちの静かな成長が見えるようです。

弁天島の先端に建つ弁財天の祠。 

 遠くにある富士が大きな神なら、こちらは心の中にいつも棲んでいる、無垢の神のよう。 

 つねきち流塗りぼかしで物語に立体感が加わります。  

その後、江戸時代の灌漑工事で 取り払われたという神の棲家。 

 この北斎の絵のお陰でそれは私たちの心に残り、ずっと祈り続けることでしょう。 

 変わりゆく人の世で 何かを手放しまた手に入れても、真実の魂は流されず湖のように深く絆を繋げていきます。 

 自身の役割に務め しっかりと日々を生き抜かなくてはと思うのです。 


 本日もご覧いただき、ありがとうございました。