”勝手に”『映画の朝ごはん』公開記念!海外のロケめし事情・アメリカ編
筆者が初めて本場アメリカのケータリングを体験したのは、岡本喜八監督『イースト・ミーツ・ウェスト』(1995)の米国ニューメキシコ州のサンタフェ・ロケです。
ロケ先はサンタフェ郊外にあるCerro Pelon Ranch。
西部劇のメッカとして知られ、ケビン・コスナー主演『シルバラード』(1985)、ウィル・スミス主演『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999)、ラッセル・クロウ主演『3時10分、決断のとき』(2007)などの撮影が行われています。
また2001年にはファッションデザイナーであり映画監督としても活躍しているトム・フォードがこの牧場を購入し、一画に安藤忠雄デザインの従業員宿舎やプライベートゲストハウスなどを建築。2016年に7500万ドルで売却したことで有名になりました。
まさに大自然の中にロケセットがポン!とある感じ。
スタッフ・俳優は米国と日本の混成チームです。
そこに大きなテントが用意され食事スペースが用意されました。
ブッフェ形式で、豆やポテトなどの温かい料理はフードウォーマーで提供されています。
こちらはお肉コーナー。おそらくターキー。
ハリウッド大作に比べたらこじんまりしたサイズですが、それでも弁当文化圏からきた日本人は大興奮。
またサンタフェはメキシコ領時代だった影響もあり、料理の基本はメキシカン。同じ米国でも地域によって食文化がかなり異なることに新鮮な驚きを覚えたものです。
さて、夜は日本の取材陣と岡本喜八監督の盟友である漫画家・藤子不二雄A氏ら応援団が来たこともあり、日米交流パーティーが行われました。
昨今では合作映画は珍しくありませんが、本作は日本の制作会社が米国に乗り込んで製作した画期的な作品でした。正直にいうと作品の評価はなかなか厳しいものがありましたが、改めて岡本監督のユニークなアイデアと、その無茶難題を実現させてきた夫人でプロデューサーの岡本みね子さんの手腕に頭が下げる想いです。