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高校生に仮定法をどう教えるか? 大人の英会話への入り口

2018.09.27 08:10

筆者は本業の傍ら、ボランティアで中学生・高校生に勉強を教える活動もしています。もっぱら、中学・高校の英語を担当しています。


高校生にとって、高校3年間の英語でいちばん難しい英文法は「仮定法」と「分詞構文」のようです。英語が苦手な子だけではなく、比較的英語を得意としている子でもつまづくことが多いです。 高校で学ぶ他の文法事項は中学で学んだことの延長上に理解できますが、仮定法と分詞構文は高校で新たに学ぶ概念なので、難しく感じるのも無理はないと思います。


私が教えている高校生の大半は、英語がさほど得意でもなければ、不得意でもない、だいたい5段階評価で「3」をもらってきている子たちですが、みんな粘り強く頑張ってくれ、なんとか仮定法も分詞構文もクリアし、英検2級合格を勝ち取ってくれています。


どの子も、ちょっとしたきっかけで理解の糸口をつかむことができたのですが、今回はその「理解の糸口」が何だったのか、高校生たちと歩んできた道のりを振り返ってみたいと思います。


高校生に仮定法をどう教えるか?


If 条件節との混同を払拭することから

仮定法でつまづいている子の大半は、「If」ではじまる、条件節と仮定法を混同しています。

If条件節は現実にも起こりえることを、仮定法は現実には起こりえないことを言っているのであって、両者は全く異なるのだと認識してもらうところからがスタートになります。


「仮定法は大人の会話の入り口」

高校生に仮定法を教えるときに、「仮定法は大人の会話に欠かせない」という話をし、仮定法が、事実状態の表現ではなく、感情表現であることを分かってもらうように、一定の時間を割いて努めています。


幼い子供の世界に「仮定法」はありません。そこには希望に満ちた茫洋たる未来が広がっているのみです。けれども、育つにしがたって、自分の望む世界と現実とにはギャップがあることに気付きます。そのギャップは年齢とともに拡大し、幾重にも枝分かれしてゆくのです。すなわち大人になるとは、理想と現実とのギャップが増えることです。


そして、過去に幾つもの分岐点があり、そのとき異なる道を歩んでいたら、異なる現在があったのだと気付くようにもなります。その分岐点に後戻りすることができないこと、そして、だからこそ自分の人生に責任を持たなければならないのだということにも、気付きます。


それを表す表現なのだ、だから、一人の大人として自分の気持ち、考えを言い表すのに仮定法は避けて通れない、という話をすると、たいていの高校生は私の指導法が良くとも悪くとも、不承不承ながらも、仮定法に食らいついてきてくれます。(笑)


これでどうやら、仮定法に興味をもってもらえるわけですが、次回以降、仮定法過去と仮定法過去完了の使い分けをどう教えるか、や、もう一つの山場である分詞構文を高校生にどう教えるか、についても触れてみたいと思っています。