『海のツブ』(2023年5月初演)
小さな劇場・少年の旅三部作の2! 『太陽のタネ』に続く、海の冒険の物語りです🌊
『海のツブ』「出航」の場面 写真:遠藤晶
実は構想は数年前にさかのぼり、とある機会に『太陽のタネ』と兄弟のような感じでつくっていこうと思っていたのですが、いろいろな条件が整わずに当時断念。そこから企画としてはいつか日の目を見ますようにと願っていたところ、くにたち市民芸術小ホールで『太陽のタネ』のシリーズとして制作が叶ったので、本当に嬉しい企画です。
当初から、「少年が海を旅するの!」「シロクマが氷の上に乗っていて、氷が溶けていくの!」「でんじろう先生の実験みたいな感じで、物語とサイエンス驚きを混ぜながら進行したい!」というふんわりイメージだけで、あとは、ダンサーさん1人で描くぞと決めていたくらい。なんともラフなスタートでしたが、小さい企画・小さい座組の良さはまさにこういうところにあるかなと。そういえば、当初は「舞台を全部、塩でつくって、塩の中から魚とか出て来るの!」とも言っていましたが、さすがに劇場を塩だらけにするのは機材に迷惑ということで今回は自重し(いつか倉庫でならやるかもしれません!)、それに代わるいろいろなアイディアを練ることにしたのでした。
ということで、本当にメモだね、と言われた最初のメモがこちら。(→発掘中のため後日公開します)
ここから美術・製作の野畑太陽くんと、海のストーリーを探して2人で作り物の日々。ある日は私が「今日は無理!」と言いながら登場したので、その足で江の島に行き、海でゴミ拾いしたりしました。それがそのままゴミで出来たウミガメとして作中に登場したりしています。(写真はビールの空き缶でつくったクラゲのディオダンス)
小さなモノを使いながら、大きな世界を描く。これは小さな劇場の醍醐味です。
小さなお客さんたちは想像力を全開にして、大きな海の冒険に一緒に旅立ってくれました。劇場でしか味わえないスリリングで温かい時間。
これを一緒に作ってくれた踊り手の熊谷拓明さんに心からの感謝を。ドラマの積み上げ方、即興の対応力、どれをとっても素晴らしく、そして何と言っても根っからのエンターテイナーなのです。『海のツブ』は熊谷さんと!と決めてから実現までにもかなりの時間が経ってしまいましたが、このレパートリーを一緒に作れたことを本当に嬉しく思います。
そう、『海のツブ』はレパートリー作品です。『太陽のタネ』が2022年度から小さな小学校を回っていますが、『海のツブ』も学校・劇場、国内外合わせてまわっていく作品になればいいと思いますので、ご興味頂ける方はお気軽にお問合せください!
小さな劇場・少年の旅三部作の2『海のツブ』
構成・演出・美術:川口智子
振付・出演:熊谷拓明
美術・製作:野畑太陽
照明:横原由祐
美術製作協力:今井慎吾、島田健司、西岳
主催・制作:くにたち市民芸術小ホール/公益財団法人くにたち文化・スポーツ振興財団
初演:2023年5月27日(土)・28日(日)全4回公演