3年半ぶりのWRESTLE-1、芦野が征矢に見せた強さの象徴。頓所は丸藤相手に大奮戦!
9月29日 WRESTLE-1「WRESTLE-1 TOUR 2018 5th ANNIVERSARY」エディオンアリーナ大阪第二競技場 585人
(コメントなどは週刊ファイトより)
<第0試合 30分1本勝負>
○菊池悠斗(4分50秒 逆エビ固め)×馬場拓海
<第1試合 「第6代リザルト王者決定トーナメント」1回戦 時間無制限1本勝負>
○佐藤嗣崇(4分24秒 逆エビ固め)×一
【佐藤の話】 「デビュー戦の相手一に勝ったぞ。次は決勝。俺がリザルトを巻いてW-1を盛り上げる」
【 一の話】 「ツグ、ツグ……俺を宇宙に持ってって……。リザルトのトーナメント決まって、新木場、広島、鳥取、トーナメント出る奴ら負けてんだ。でも、俺たちが動かなきゃ現状は何もかわらないから。本田、岩石、佐藤、がんばろう。俺も真剣がんばるけん。見てろ」
<第2試合 「第6代リザルト王者決定トーナメント」1回戦 時間無制限1本勝負>
○タナカ岩石(5分55秒 片エビ固め)×本田竜輝
※岩石落とし
【岩石の話】 「彼のエルボーは効きますよ。最後のバックドロップはその意味です。決勝、リザルトは俺が取る!」
【本田の話】 「伊藤さんの欠場で急遽デたんですけど、結果を残せない自分が情けないです。まだまだ練習が足りてないので、上の先輩に食らいついていけるようにがんばります」
<第3試合 30分1本勝負>
○稲葉大樹 納谷幸男(10分48秒 極反り卍字固め)×NOSAWA論外 MAZADA
【稲葉&納谷の話】
稲葉「納谷選手もタッグリーグ出てますけど、身体でかいのでパワーが凄いですね。タッグリーグでは敵同士ですけど、僕もこれからもがんばっていきます。今日はありがとうございました。
納谷「自分も決勝で稲葉さんたちと当たれればいいかなと思います。河野さん以外と組んで、また違う勉強になりましたね。初めて違う人と組んで凄く勉強になりました。この勉強を北海道で出せるようにしたいと思います。」
<第4試合 30分1本勝負>
○近藤修司 菅原拓也 朱崇花(7分53秒 片エビ固め)河野真幸 ×土肥孝司 土方隆司
※キングコングラリアット
【近藤&菅原&朱崇花の話】
近藤「全然いけるじゃん。男子とのシングルマッチ、俺は認める。俺の独断で認める」
朱崇花「今日試合してみて、新旧VMも楽しかったんですけど、今はやっぱり木村花とのタッグが楽しいかななんてなっちゃったもんで、お断りさせていただいていいですか?」
菅原「え? 来たんだよ、わざわざ大阪まで」
朱崇花「でも、もういいです」
近藤「もういいの?
朱崇花 今日の試合で気が変わっちゃいました。
近藤 わかんねえなぁ。女はわかんねえ」
<第5試合 30分1本勝負>
○アンディ・ウー エル・イホ・デル・パンデーラ(11分33秒 片エビ固め)×アレハンドロ ビリーケン・キッド
※飛鴻
<第6試合 30分1本勝負>
児玉裕輔 ○羆嵐 新井健一郎(9分53秒 片エビ固め)守屋博昭 ダイナソー御堂 ×三富政行
※ダイビングセントーン
<第7試合 「第6代リザルト王者決定トーナメント」決勝戦 時間無制限1本勝負>
○タナカ岩石(8分23秒 岩石ロック)×佐藤嗣崇
【岩石の話】 「やっと取ったこのベルト……。でも物足りない。伊藤貴則がいないから。あいつと闘いたい。このベルトを懸けて闘いたい。あいつの復帰戦、これを懸けてシングルで闘いたい。だから、守り続けるよ! もう一つ試練ができたけど、俺が成長するための山だと思っている。あいつを倒すまでこのベルトは腰に巻かないから。あいつを倒してから堂々と巻いてやります。俺がチャンピオンになったからって周りの反応は鈍いでしょう。わかってますよ。覆すよ! 自分を貫く。自分を絶対曲げない! それがタナカ岩石だ!」
【佐藤の話】「クソッ! タッグリーグのパートナーのタナカさんと決勝で当たるという目標は達成できたけど、ここで勝てないのが僕の甘さですね。立花さん、イケメンさん、伊藤さんの3人の代わりになるようにトーナメント挑戦して、まだまだだった。これからドンドン経験を積んで、練習して、一からやり直します」
<第8試合 30分1本勝負>
カズ・ハヤシ ○丸藤正道(14分37秒 片エビ固め)×頓所隼 ペガソ・イルミナル
※不知火
【頓所&ペガソの話】
頓所「今日はノアの天才・丸藤正道とのタッグマッチが組まれたから絶対に爪痕を残したかったけど、一回じゃ終わらない。次、もう一回だ。そしてこの経験を生かして、北海道、#STRONGHEARTS、CIMA、俺が終わらせる!」
ペガソ「めったにない丸藤選手と闘える試合。何もできなかったかもしれないけど、次チャンスがあったらもっと強くなって俺が倒す。そしてタッグリーグ、まだ終わってない。次勝って、俺とハヤシさんと頂点に立つ! 」
【カズ&丸藤の話】
カズ 「あれだけがんばってくれたんでありがとうございます。次また後楽園、お願い致します」
丸藤「次、後楽園? その日、予定あったかもしれない」
カズ「ないない(笑)」
丸藤「でも、若いって素晴らしいですね。頓所選手は19歳。2人足しても全然カズ・ハヤシより下。彼らにとっては僕はお兄さんみたいかもしれないけど、カズ・ハヤシはおじいちゃんみたいなもんだから(笑)。素晴らしいレスラーがいるっていうことはいい経験になりますね。でも、思い返せば世界ジュニアを取られたのは誰だったかな?俺から取った男。「
カズ 私でございます(笑)。ありがとうございました。おかげさまであの試合よかったって未だに言われますから。今でもベストバウトって言われますから」
丸藤「そんな話より、あの若い選手素晴らしかったと思います。是非ともウチの若い選手と試合させたいと思うし、機会があったら若い選手同士でやる機会があれば」
カズ「今回みたいなことをやりたいけど、丸藤さんみたいに歴史を作った人と19歳、ペガソは年齢不詳だけど、が闘うことはない。ありがたいことなんで助かりました」
丸藤「もしくはヒザで終わらせてやろうかと思ったんですけど、敬意を表して。」
<第9試合 WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負>
【第13代王者】○芦野祥太郎(20分57秒 アンクルロック)【挑戦者】×征矢学
☆芦野が初防衛に成功
【芦野の話】
アラケン「キャリア何年でしたっけ? 」
芦野「4年かな?
新井 何も言うことない。
芦野 俺がプロレスはキャリアじゃないことを証明する。もう一回芦野政権築いていくから。ペガソ、後楽園でやってやるから、覚悟してこい。覚悟してこないと終わっちまうぞ。お前の良さを引き出してやるから。どれだけ追い込めるか楽しみだよ。で、久々の府立第2に帰ってきました。羆嵐初めてだよ。でもな、そっからやっと戻ってきた。W-1ももう一回これから。じゃあ、とりえず今日は飲みましょう」
【征矢の話】「ああクソ! タイトルマッチに挑戦してタップした。これですぐ挑戦することはできない。一からやっていくよ! でもよ! 確かによ、レフェリーストップがないルールかもしれない。でも、介入させたのは認めないぞ! タップしたのは認めてやる。芦野祥太郎のアンクルロックでタップした。それは事実だ。でも、正々堂々というその言葉を裏切るようなことしてんじゃねえよ! そんなんでW-1のチャンピオンが務まるかよ! まあ、タッグリーグいろいろあんだ、俺は。でもな! 無差別だ。無差別のベルトをもう一度巻かなきゃいけないんだよ! 絶対に絶対に這い上がってやるよ! 一からでもいい!」
今回はWRESTLE-1エディオンアリーナ大阪第二競技場大会を観戦、WRESTLE-1を観戦するのは3度目なれど、WRESTLE-1自体がエディオンアリーナ大会を開催するのが3年半ぶりで、自分も観戦するのもそれ以来となる。3年半前はまだZERO1との対抗戦は続き、武藤敬司もスポットで参戦、真田聖也、浜亮太、KAI、中之上靖文も所属だったが、3年半の間に所属選手や出場選手もガラリと変わってしまった。だが大阪大会までに黒潮"イケメン"二郎、立花誠吾、吉岡世起、伊藤貴明と負傷欠場する選手が続出し、大阪で行われるはずだった丸藤vsイケメンを含めてカードも大幅に変更、大会前にはイケメンと伊藤が欠場の挨拶を行い、今回の欠場を詫びた。
メインは芦野が保持するWRESTLE-1チャンピオンシップに征矢が挑戦、9・2横浜文体で征矢を破り王座に返り咲いた芦野に、征矢が前王者の権利を行使して再戦となり、征矢は9・2横浜では芦野のアンクルロックの前にレフェリーストップで敗れていることから、今回はフォール、ギブアップのみの完全決着ルールを要求、征矢自身も芦野からギブアップを奪うことを公言していた。
序盤は征矢がサソリ固め、芦野がアンクルロックを未遂に終わらせて牽制し合う、征矢はショルダータックルから芦野の腰攻めで先手を奪ったかに見えたが、征矢がセコンドの羆嵐らに気を取られてしまうと、イスを手渡された芦野が征矢の左足めがけてイスで一撃し、徹底した左足攻めで先手を奪う。
しかし芦野が征矢を起こそうとしたところで、征矢がハイアングルでのショルダースルーで反撃、串刺しバックハンドエルボーからのブルドッキングヘッドロック、ネックブリーカーと得意のパターンに持ち込み、コーナーからフライングワイルドボンバーを命中させるも、芦野は突進する征矢をレッグシザースからのアンクルロックで捕らえ、リードを奪わせない。
征矢が逆水平、芦野がエルボースマッシュと応酬となるが、征矢が頭突きの連打で芦野を怯ませると、ワイルドボンバーを炸裂させるが、芦野もジャーマンで応戦、征矢はスピアーを放つも、芦野はブレーンバスターで投げて両者ダウン、芦野が起き上がると征矢の蹴り足をキャッチするが、征矢は延髄斬りを浴びせ、ワイルドスクラップからサソリ固めで捕獲し、芦野を追い詰める。
勝負と見た征矢は後頭部へのワイルドボンバーから、正面へのワイルドボンバーを狙うと、芦野が苦し紛れに征矢と芦野をレフェリーと交錯させ、レフェリーがダウンしている間に羆嵐、児玉、アラケンのENFANTS TERIRIBLESが乱入して征矢を襲撃も、征矢は3人を撃退して、芦野に頭突きからパッケージドライバーを決めるも、レフェリーのカウントが遅れ、芦野は九死に一生を得るも、征矢は構わずデスバレーボムやワイルドボンバーを炸裂させる。
征矢はサソリ固めで捕獲して芦野を追い詰めるが、芦野はアンクルロックで切り返し、征矢を逆に追い詰め、征矢も何度も逃れようとしたが、芦野は回転して逃さず、征矢は無念のギブアップととなって芦野が王座を防衛、試合後に18日の新木場大会で芦野から直接フォールを奪ってペガソが挑戦を表明、芦野も受諾して、締めくくりをペガソに任せて退場、ペガソも現在開催中のタッグリーグの優勝をアピールして締めくくった。
ルール上フォール、ギブアップのみの完全決着ルールということで征矢もワイルドボンバーで勝負を狙うべきだったが、ギブアップに拘ってサソリ固めを狙ったことで、かえって芦野に付け入る隙を与えてしまったか、芦野はセコンドの介入はあったものの、フィニッシュへ繋ぐための下ごしらを充分に作った上で、最後はアンクルロックで仕留めた。現在の芦野は自身の強さを充分に見せつけたことでWRESTLE-1の強さの象徴になりつつある。
セミではカズが丸藤と組んで頓所&ペガサ、序盤はカズ組が場外戦で先手を奪い、ペガサが捕まってしまうも、頓所が丸藤のトラースキックを見切ってスイングDDTなどで丸藤を攻め込む、頓所は丸藤の顔面にトラースキックを放つが、ドラゴンスープレックスを狙った際に丸藤が見えない角度からのトラースキックを浴びせると、虎王から不知火と一気に畳みかけて3カウントを奪い勝利、試合後も丸藤は頓所の髪を掴んで起こし、何かを呼びかけたが、頓所はビンタで払いのけ、ペガソも丸藤にビンタを放って握手を拒否した。頓所は丸藤相手にも積極的に攻めるなど、度胸のある選手、WRESTLE-1ではCIMAとも対戦しており、チャンスも与えられていることから、様々な経験を積んでいくと、一気にブレイクする可能性も秘めている。
またペガソはメイン終了後には9・18新木場で芦野から直接フォールを奪った実績を盾に、芦野の保持するWRESTLE-1王座へ挑戦を表明した。芦野をフォールした技は芦野がアンクルロックを狙った際に丸め込んだホワイトノーズという技だが、みちのくドライバーⅡやファイヤーバードスプラッシュも使えるが、実力的には未知数、芦野が未知数の相手をどこまで引き出させるか…
イケメンの王座返上に伴い、リザルド王座決定トーナメントが行われ、一vs佐藤は一がドロップキックやフライングラリアット、串刺しドロップキック、コンプリートショットと攻め込んでいくが、パワーに優る佐藤がエルボーで流れを変え、ラリアットの連発から逆エビ固めで捕らえ、一もロープに逃れようとしたが、急角度で極められてしまい、一は無念のギブアップで佐藤が決勝に進出。
岩石vs本田は、岩石がデビューしたばかりの本田を柔道をベースにしたグラウンドで圧倒、腕十字やオモブラッタ、岩石ロックで試合をリードする。本田もエルボーアタックや逆エビ固めで反撃するが、ロープに逃れた岩石が払い腰から逆エビ固め、岩石落としの2連発で3カウントを奪い、完勝で決勝に進出する。
決勝戦の王座決定戦は、エルボー合戦では体格のある佐藤が優るも、岩石はハンマーロックから腕攻めで反撃、佐藤の腕に頭突きを打ち込み、アームブリーカーで捕らえるなど、試合をリードする。
佐藤はハイアングルでのボディースラムで反撃するが、岩石も払い腰から岩石ロックで捕獲し応戦、佐藤はアバランシュホールドからストレッチ式アバランシュホールド、逆エビ固めで追い詰め、ブルーサンダーを決めるが、ロープに逃れた岩石はハワイアンススマッシャーから岩石落としも、意地ですぐ起き上がった佐藤はバックドロップで応戦してラリアットも、連発狙いは岩石がかわして岩石ロックで捕獲し、佐藤はロープに逃れることが出来ず、無念のギブアップ。岩石が王座を奪取した。
リザルド王座はイケメンが王座を奪取したことで、イケメンカラーの王座に染め上げられるかと思われたが、結局原点である若手中心の王座路線に戻ってしまったようだ。
リアルジャパンから参戦している納谷は稲葉と組んで東京愚連隊と対戦、納谷は巨体を駆使して愚連隊を攻め込むが、愚連隊は連係のやインサイドワークを駆使して稲葉を捕らえ試合をリード、交代を受けた納谷がぶちかましや両腕ラリアットで反撃も、稲葉が再び愚連隊の連係に捕まると、NOSAWAの論ザードを喰らってしまい、勝負に出たNOSAWAは超高校級ラ・マヒストラルを狙うと、切りぬけた稲葉が極反り卍でギブアップを奪い勝利、納谷は大鵬の遺伝子を引き継いでいるせいか、身体の大きさ際立っており、新間寿や佐山聡が大いに買っている事はわかったが、まだ身体全体が使いきれてないのが今後の課題なのか…
WAVE王者の朱崇花は近藤、菅原と組んで河野組と対戦も、朱崇花は体格のある河野相手に大苦戦を強いられ、捕まってしまう。それでも近藤や菅原が試合を盛り返し、やっと息を吹き返した朱崇花も、コーナーからのケブラータでアシスト、最後は近藤が土肥をキングコングラリアットで3カウントを奪い勝利となった。
観客動員はイケメンやSTRONG HEARTSも出場しなかったことで空席が目立つも、現状のWRESTLE-1では健闘した方だった。これからエディオンアリーナ大阪での大会を恒例化していけば、まだまだ増える要素はある。若い選手も揃っているし、いろいろ期待をもてそうだ。