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植物の気持ちと、勢力争い夏の陣

2018.09.29 02:46

夏の最後の9月中旬に、学校ビオトープで「植生とは」につい小学校4年生の子ども達と一緒に「総合学習の授業」をしました。

この授業を企てたキッカケは、ビオトープに池の淵にタデアイの種を撒いて、ここで藍染に使えるタデアイの葉が収穫できたらいいなぁ、と思って育つのを楽しみにしていたら、一向に芽が出て育つ気配も無かったことと、同じように撒いた綿の木の種も、全然芽が出なかったからです。

途中で「これじゃ藍染も綿の収穫もできない!」と心配になりましたが、念のため、と思ってプランターや畑にタデアイと綿の木の種を撒いておきました。こちらはちゃんと育ってくれたのです。

「どうして場所によって植物の発育に極端に差があるのでしょう?土も水もある場所は変わらないのに・・・」

これを子ども達に見て、そういうことがなぜ起きるのか、考えてもらおう!と、ちょっと4年生には難しいかも?と思ったけど「植生」の授業をしてみました。

なぜ場所によって育ったり全然そだたなかったりすると思う?

「日陰だと日が差しにくいから育たない」

「他の草がいっぱい生えている場所は、土の中の栄養が他の草にとられちゃう」

「雑草に比べて植えた植物が弱いから」

4年生の子ども達もけっこういろんな知識を持っていて、教えたいことの3分の2ぐらいはもう知っている子がずいぶんいるんだなぁ、と感じました。他の子もそういう話をきいて「ああ、そうか」と、ここはわりとすんなり分かったような感じ。植物って仲良く生えているようで、いろいろお互いに生存するために相手に勝つ競争をしているんだ。ただこの話まではあまり子ども達にとってニュースではなかったかもしれません。

でも植物の気持ちは人とはすいぶん違うものかも知れないよ・・・

この話に食いついてきた子が何人かいました。

タデアイや綿の木の他に、フジバカマも池の淵に植えましたが育ちません。これをいろいろ調べた結果、フジバカマはたとえば川沿いで洪水で攪乱した場所に生えやすい、という性質があることを知って、もう少し調べたらネットで大阪市立自然史博物館の資料に攪乱を好む植物リストを見つけたので、その種類を数えたら日本に500種以上あることが載っていました。日本にある植物はだたい6千種ぐらいだから、ほぼ10種に1種は「洪水が来るのを楽しみに待っている!」と言っても過言ではないでしょうか。

こういう植物がいつも楽しみにしている「植物の気持ち」は、

実は「あー、早く洪水に襲われて一面の草原がめちゃくちゃになって泥で覆いつくされないかなぁ・・・」こんな感じ?

それを子ども達に紹介したら、へぇ~っていう顔している子が多い中で、質問した子がいました。

「洪水でメチャメチャになったところに、どうしてフジバカマの芽が出てくるの?種はどこから来るの?種が無かったら生えないでしょ?」

間違いないことは、いかに洪水が来てもその植物の種が無かったら生えないです。子どもの目のつけどころは純粋で素晴らしいです。

なので、種はメチャメチャにされた地面に元々あった。それか、上流から流れて来た泥の中に種が混じっていた。でも今まで発芽するスイッチが入らなかったので芽が出なかったけど、洪水でその発芽スイッチがオンになって芽を出して育つようになった。植物の種ってけっこう地面の中で生きたまま長ーく眠っていることができて、ビオトープに生えているヒメジョオンでも30年以上種が眠っていられるんだよ。

こんなふうに説明しました。

納得したかなぁ~。納得しなかったら、自分でもっと調べて、大阪市立自然史博物館にも行ってみないかなぁ。こんな疑問がキッカケになって理科のスイッチがオンできたらいいのですが。