仮定法過去と仮定法過去完了の使い分けを高校生にどう教えるか?
2018.09.30 02:48
前回記事 「仮定法を高校生にどう教えるか?大人の英会話への入り口」の続きです。
仮定法過去と仮定法過去の用法の違いが分からないという子も少なくありません。そういう子には、まず、
- 現在の状況について、現実と仮定のギャップを言うのが仮定法過去
- 過去の現実がちがっていたら、今の現実とはちがう現実があったのだろうというのが、仮定法過去完了
と教えるのですが、これだけではほとんどの子は 理解できないはずなので、幾つかの状況設定を示して、その一つ一つにいて、仮定法過去を使うか、仮定法過去完了を使うかを、自分で考えてもらいます。たとえば、こんな具合です。
- ああ、お金がもっとあればスマホが買えるのに→仮定法過去
- 中学生のときにもっと勉強すればよかった→仮定法過去完了
- ああ、彼氏がいればなあ。。。→仮定法過去
- アメリカで生まれていれば英語で苦労しなくて済んだのに→仮定法過去完了
- あのときヘルメットをかぶっていなかったら大けがをしていたかもしれない。→仮定法過去完了
- もっとスポーツができれば女の子にもてるのに→仮定法過去
- あの先生に会えなかったら、数学を好きにはなれなかったかも→仮定法過去完了
- もし江戸時代に生まれていたら親の決めた人と結婚したのかなあ→仮定法過去完了
自分が伝えたいことのイメージと文法表現が結びつけば、単なる文法知識ではなく、発信英語力へと高めてゆくことができます。
仮定法は日常会話表現の中で、教科書どおりの基本形とはかなり異なったスタイルで登場し、そのヴァリエーションは無限と言ってよいほどに豊かです。しかし、そうした表現を使いこなす上で、基本となる仮定法過去、仮定法過去完了をきちんと理解しておくことはやはり重要です。
おそらく多くの高校生は、仮定法をよく理解しないまま高校を卒業するのだろうと思いますが、将来、英語の表現世界を豊潤に深め広げてゆくためにも、ぜひ仮定法をマスターしてほしいと思います。