”勝手に”『映画の朝ごはん』公開記念!ロケめし事情・記者編
シリーズ最後は撮影現場の記者めし編です。
記者が撮影現場の取材に入る時、スタッフと同じ食事を頂くか、撮影所の場合は所内の食堂や近隣の飲食店を利用します。
東宝、東映大泉、東映大泉、日活から東映本社の社食や旧庄内映画村(現・スタジオセディック庄内オープンセット)の期間限定飲食店etc…...。大概お世話になったでしょうか。
中でも一番思い出深いには、大阪日刊スポーツ新聞社で映画担当をしていたときによく通った、東映京都太秦撮影所周辺の飲食店。
時は1990年代前半。撮影所はテレビ時代劇に映画にと活気があって、お昼時になると大映通り商店街など周辺の飲食店では衣装をつけたままの俳優さんと遭遇することもしばしば。里見浩太朗さんが殿の姿でスクーターに跨り、昼食に向かうところを目撃した時には、絵に描いたような古き良き撮影所の光景だと興奮したものです。
もう一つ、ギリギリ体験できたのが”石原軍団”こと、昭和のスター・石原裕次郎さんが設立した石原プロモーションの名物・炊き出しです。
所属していた渡哲也さん主演の映画『誘拐』(1997)の本栖湖ロケに、ドーンと炊き出しの調理器材と食材を積んだ軍団の車両がやって来ました。。
テントが張られ、石焼き芋専用のトラックまであって、縁日の形相。
この炊き出しは、淡路大震災や東日本大震災の被災地でも活躍していたので、味わった方も多いでしょう。本栖湖のロケではわかさぎの天ぷらまで現場で揚げていて、日本映画全盛期時代の恩恵を預かった気分。
その後、石原プロは2021年に解散し、この炊き出しセットも処分されたようです。
⚫️渡哲也さん終活 炊き出し鍋処分していた 裕次郎さんが始めた“思い出の道具類”3年かけて
海外の撮影現場でも貴重な食事をいただくことができました。実写版『サンダーバード』(2004)の取材で訪れた英国のパインウッドスタジオでの昼食です。
配給はUIP日本支社。日本でも人気が高い人形劇の、初の実写版とあって日本のメディア向けの撮影現場ツアーが実施されたのでした。行き先が、映画『007』シリーズの撮影所として知られる憧れのパインウッドなら、機内1泊+現地2泊の強行軍でも行くべし!ですよね。
通されたのはレンガ造りのオフィス棟にある、これまた歴史を感じるレストラン。
取材のスケジュールや撮影現場でのルールなどを聞きながら、ランチです。
前菜のエビのカクテルなど。
メーンはペッパーステーキ
食後のデザートまでも。
なんてゴージャス!
でも取材で高待遇を受けることに慣れておらず、戸惑いながらの食事で全く持って味を覚えてない(苦笑)。
だってホラ、撮影所内に売店を見つけて、完全にお上りさん状態になっている私たちですもん。
今思えば、もっとしっかり撮影所内を散策すべきだったと猛省。
『007』スタジオはその後、2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』撮影終了直後に火災に見舞われました。
そしてパインウッドスタジオ自体も2016年に英投資ファンドPicture Holdco Ltdに買収されました。
⚫️「SW」「007」撮影スタジオ、英パインウッド売却完了 今後も拡張路線
公式HPなどを見ると、新生パインウッドでは地域住民の子どもたちのために遊技場を造ったり、映画やテレビ業界で働きたい若手たちにオープンキャンパスならぬオープンスタジオを実施したりと、一般の方や若き才能に開かれたスタジオになっているようです。
⚫️SHEPPERTON STUDIOS FUNDING THREE PLAY AREAS IN THE LOCAL COMMUNITY
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え? 肝心な実写版『サンダーバード』の感想ですか?
ノーコメントでお願いします(笑)