ZIPANG-2 TOKIO 2020~龍馬、西郷どんもきっと観た~「380年の歴史 異国情緒豊かな~長崎くんち~開幕迫る!」
このたびの平成30年 7月豪雨、9月台風21号並びに北海道大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
長崎くんちとは
「長崎くんち」は長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭で、毎年10月7日から3日間、長崎の町を挙げて催されます。奉納踊を披露する当番の町は毎年異なり、7年で一巡します。今年は7つの町が出演し、優美さと躍動感あふれる演し物の数々が披露されます。
「長崎くんち」は、380年の伝統を持つ、
長崎市民の氏神・鎮西大社諏訪神社の祭礼行事です。
諏訪神社御神門
寛永11年(1634年)に、当時の太夫町(後に丸山町と寄合町に移る)の二人の遊女、高尾と音羽の両人が、諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりと言われています。 長崎ではこの年に「出島」埋築が着工され、「眼鏡橋」が架けられています。
国の重要文化財に指定されている日本最古のアーチ型石橋「眼鏡橋」
17世紀、長崎の町並みは拡大され護岸を構築し、ほぼ現在の中島川が形づくられました。
このころは、キリスト教禁教の時代であり、唐文化の導入により興福寺などの仏寺が次々と建立されました。
寛永11年(1634)、興福寺の黙子如定禅師が架設したこの眼鏡橋は、長さ22m、幅3.65m、川面までの高さ5.46mで日本初のアーチ式石橋として有名です。
川面に映った影が双円を描き、「メガネ」に見えることから、この名前がついたと言われ、『日本橋』『錦帯橋』と並び日本三名橋に数えられます。
また昭和57年(1982)の長崎大水害で一部崩壊しましたが翌年復元され、国の重要文化財に指定されています。
近年では、眼鏡橋をはじめとする中島川護岸にあるハートストーンが、愛を願うパワースポットとして人気を集めています。「長崎くんち」とともに訪ねてみて下さい。
唐人船(大黒町)
以来、長崎奉行の援助もあって年々盛んになり、さらに奉納踊には異国趣味のものが多く取り入れられ、江戸時代より豪華絢爛な祭礼として評判だったそうです。
現在、踊町は長崎市内に全部で59カ町あり、全町が7つの組に区分されています。奉納踊を出す当番は7年に一度回ってきます。演し物は鯨の潮吹き、コッコデショなどがあり、これらの奉納踊は国指定重要無形民俗文化財となっています。
踊りを奉納する町を「踊町(おどりちょう)」と言い、7年に1度出番がまわってきます。 勇壮華麗な演し物にアンコールを意味する「モッテコーイ」のかけ声が響き、観客の熱気も最高潮に!
くんちの観客が掛ける掛け声には、独特の約束がある。
モッテコーイ
一度踊場を退場した曳き物などの演し物を呼び戻す時などに、アンコールの意味で使われる掛け声。観客は「モッテコーイ、モッテコイ」を連呼します。
ショモーヤレ
本踊が終わりアンコールをする時にいう。「所望するからもう一つやれ」という意味です。
フトーマワレ
傘鉾が回るときに「大きな輪を描いて、雄大に回れ」という意味で、長崎では大きいことを太いというから、「大きく回れ」と言っているのです。
ヨイヤァ
川船の網打船頭が投網を投げ、魚が見事網にかかった時とか、傘鉾が勇壮に回ったときなどに使います。「ヤッタ」というほどの意で「良い哉」であり、「ヤンヤヤンヤ」に相当します。
くんちの語源は、旧暦の9月9日を重陽の良き日として祝う中国の風習が伝わり、9日(くにち)をくんちと読み、祭礼日の意味としたとする説が一般的なようです。
小屋入り(こやいり)
くんちは毎年6月1日の「小屋入り」からはじまる。踊町の世話役や出演者が、諏訪・八坂の両神社神前で清祓を受けて大役の無事達成を祈願し、この日から演し物の稽古に入ります。 昔は小屋を建て、身を清めて稽古に専念したので「小屋入り」といいました。
打ち込み
小屋入りのあとに、くんち関係者のもとに踊町が挨拶に訪れます。
シャギリ打ち込み
銀屋町による太鼓の打込み
「小屋入り」の後、夕刻より踊町の役員などが、他の踊町や年番町、関係先などにシャギリを伴って、あいさつ回りを行なうことを「打込み」といいます。
シャギリ
長崎くんちのシャギリは笛と〆太鼓を用い、どこか哀調漂う独特の旋律で、道中・諏訪入り・片シャギリ等で旋律が異なる。傘鉾が舞う時や踊町が移動する時などに演奏されます。
長崎人はこのシャギリの音を聞くと、心ウキウキ気はそぞろとなり、仕事も手につかなくなるそうです。他郷に転住した人も、テレビ・ラジオ・ニュース等でこれを聞くとたまらなくなるといいます。
やはり、故郷の祭りが一番ですね!
庭見世(にわみせ)
表通りに面した店舗などに、傘鉾をはじめ、本番に使用する衣装・小道具・楽器などを分散して飾る他、出演者に贈られたお祝い品もところ狭しと並べてご披露します。
10月3日の夕刻から各踊町の家々では、表格子をはずし木戸口を開放するなどして、家の中や庭園を道行く人に見せる。 傘鉾をはじめ演し物の曳物や衣装、小道具、楽器などを飾り、出演者に贈られたお祝品を並べてご披露する。
人数揃い(にいぞろい)
演し物が立派に仕上がったことを、その町内の数カ所で本番さながら実際にご披露します。
10月4日に行ないます。演し物の稽古が仕上がり、準備が整ったことを踊町関係者に本番と同様の衣装で披露するもので、本番前のリハーサルです。
傘鉾(かさぼこ)
踊町の列の先頭に立つのが「傘鉾」であり、町じるしでプラカードの役目を果たす。傘鉾にはその町名に因み趣向を凝らした様々な装飾が施されており、 ビードロ細工やカラクリ仕掛けなどがあります。重さにして130~150kgといわれ、ひとりで担ぐことから、心棒の最下部には一文銭を2,500枚から3,000枚を結わえ付け、上下のバランスをとるようにしているわけです。周囲に下げる布を垂れまたはさがりといいます。
演し物(だしもの)
それぞれの踊町は、工夫を凝らした諸種の演し物を神前に奉納。これを総称して「奉納踊」(ほうのうおどり)と言いますが、大体次のように分類されています。
本踊(紺屋町)
踊り
各種の踊のうち、「本踊」(ほんおどり)といわれるものがあるが、これは本朝の踊、本手の踊ということで、日本舞踊を指す。他に阿蘭陀万歳など各町によって様々な演目がある。
曳 物(ひきもの)
川船、唐人船、龍船、御座船、御朱印船・竜宮船・阿蘭陀船・南蛮船等々の船型に車を付けて、大勢で曳くもの。船ではないが「鯨曳」(鯨の潮吹き)や曳壇尻も曳物に含められる。
担ぎ物(かつぎもの)
コッコデショ(太鼓山)や鯱太鼓等、大勢の担ぎ手が担ぐ演し物。前進後退や回しをするが、虚空に放り上げて、手拍子のあと片手で受け止める離れ業をやったりする。
通り物
道中を練り歩く行列自体に立派な様式美をもっているもの。例えば大名行列、兵隊さん、山伏道中、大薩摩、小薩摩など。今はアニオーさんの行列以外多くが廃されている。
庭先回り(にわさきまわり)
榎津町の庭先回り
諏訪神社など所定の本場所を済ませた後、市内 の事業所や官公庁、各家などに敬意を表して演し物を呈上することで福をお裾分けし、お祝いするという趣旨のもの。 踊町は短い踊りやお囃子を玄関先や店先、門前等で演じます。
長崎伝統芸能振興会は、長崎市の経済発展と観光事業振興の一翼を担う、伝統ある年中行事“長崎くんち”(神事を除く)の円滑なる運営と振興を促進し“演し物(だしもの)”の保存育成を図ることを目的としています。その一環として公会堂前広場に踊場を開設・運営し、多くの市民や観光客の方々に奉納踊をご覧頂いています。
<開催期間>
2018年10月7日・8日・9日
<場所:踊場>
長崎くんちの奉納踊は、有料の本場所と無料の庭先回りなどで観ることができます。
1.本場所の踊場でじっくりと観る。 本場所は次の4箇所の踊場となります。
諏訪神社(長崎市上西山町)、中央公園(長崎市賑町) 、
お旅所(長崎市元船町)、 八坂神社(長崎市鍛冶屋町)
諏訪神社(諏訪神社くんち踊馬場さじき運営委員会)
諏訪神社
「長崎くんち」は長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭。そのため、ここの踊場は、熱烈なくんちファンに人気が高く、良い席を手に入れるのは一苦労。4人掛けの桝席と当日販売の立見席があります。また、踊場正面の長坂は無料観覧席として開放されています(事前応募~抽選による「長坂整理券」が必要)。
・所在地 長崎県長崎市上西山町18-15
・問合せ 095-821-8596
お旅所(元船町お旅所さじき運営委員会)
お旅所
諏訪神社から三基の御神輿が「お下り」した後、鎮座する仮宮が設けられています。長崎港に面した平地でバスや電車など交通の便が良い。周辺には多くの露店が並んで、お祭りを堪能できる賑やかなところ。4人掛けの桝席があります。
・所在地 長崎市元船町10-4夢彩都横
・問合せ 095-823-9073
八坂神社(八坂神社さじき運営委員会)
八坂神社
昔ながらの街並みを残す地区にあり、長崎市民には「ぎおんさん」で親しまれています。踊場と観覧席が近く、迫力満点の演技を観ることができる4人掛けの桝席があります。
・所在地 長崎市鍛冶屋町8番53号
・問合せ 095-822-6750
中央公園くんち観覧場(長崎伝統芸能振興会)
中央公園
平成29年より長崎市公会堂前広場観覧場に代わって、演し物が披露されている中央公園くんち観覧場。中心市街地の近くに位置し、観覧が楽なベンチシート仕様で、1人単位で観覧券が購入できます。また、石畳そばの板張りに、直に座わる砂かぶり席は、演し物を間近で観覧できます。
・所在地 長崎市賑町5-100
・問合せ 095-822-0111
2.まちなかで自由に観る。
くんち期間中は、各踊町が市内の事業所や官公庁、民家などに踊を呈上して福を分け、お祝いする「庭先回り」が行われ、まちなかで見かけることができます。
※9月末頃より、3日間の庭先回りの予定と概略地図を1枚にした「庭先回りマップ(スケジュール)」を長崎駅(観光案内所)、バスターミナル(県営バス駅前・長崎バス新地)、長崎くんち案内所(浜市アーケード)などで配布するほか、HPにも掲載中です御利用下さい。
【平成30年 踊町】
小川町 傘鉾・唐子獅子踊
大黒町 傘鉾・唐人船
椛島町 傘鉾・太皷山 (コッコデショ)
出島町 傘鉾・阿蘭陀船
本古川町 傘鉾・御座船
東古川町 傘鉾・川船
紺屋町 傘鉾・本踊
※清祓の順番で掲載
諏訪神社
長崎市民から“おすわさん”と親しまれている氏神様です。
諏訪神社 拝殿
創建は寛永2年(1625)で、当時はキリスト教が広まり他教を排斥したため、市内の社寺は破壊されることが多く、肥前唐津の青木賢清が長崎奉行・長谷川権六に願い出て造営したものです。そして、寛永9年(1632年)青木が初代宮司になり、同11年(1634)から祭礼を行うようになりました。
現在も続くこの秋の大祭・長崎くんちは、豪華絢爛・異国情緒たっぷりな祭りとして日本3大まつりの1つに数えられています。
現在の社殿は火災のため消失し、明治元年(1868)に復旧されたものです。楼門からの70余段つづく石段は見事なものであり、くんちのときは見物客でうまります。和洋中の文化が混在した長崎にあって、日本的な風情のある地域の1つです。
交通アクセス
路面電車
【諏訪神社】
長崎駅前電停から蛍茶屋行きに乗車し、諏訪神社電停で下車。徒歩約2分
【中央公園】
長崎駅前電停から崇福寺行きに乗車し、新地中華街電停でのりつぎ券をもらい下車。石橋行きにのりつぎ、めがね橋電停で下車。徒歩約2分
【お旅所】
長崎駅前電停から崇福寺行きに乗車し、大波止電停で下車。徒歩約3分
【八坂神社】
長崎駅前電停から崇福寺行きに乗車し、崇福寺電停で下車。徒歩約2分
台風24号が日本縦断して、暴風雨のため各地に被害が及んでいます。
・・・と、報じる隙も間もあったもんではありません!
後ろを振り向けば、何ですって〜⁈
さらに南太平洋では台風25号が発生し沖縄方面に進行中とのことです。
重ね重ね・・・九州・沖縄の皆様どうかお気をつけください。
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」の明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
長崎伝統芸能振興会 長崎市桜町4-1長崎商工会議所内 TEL(095)822-0111
(一社)長崎県観光連盟 〒850-0035長崎市元船町14-10 橋本商会ビル8階
TEL :095-826-9407
長崎県文化観光国際部観光振興課 〒850-0035長崎市元船町14-10 橋本商会ビル8階
TEL :095-822-9690
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