Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

古本屋ブックスパーチ | 鹿児島の古書店 | 古本の買取承ります

9.24書店員によるブックトークに出ました。

2018.09.30 15:43

9/22~9/24の間、かごしま近代文学館で「本フェス!かごしま」というイベントが開催されました。本の販売会や子どもさん向けのワークショップなど様々な催しがあったイベントです。その中の一つに「書店員によるブックトーク」という催しがあって私も出ました。鹿児島の新刊書店員三名がそれぞれ三冊のオススメ本を紹介するという内容で、私は現在アルバイトで働いている新刊書店「ブックセンターめいわ中山店」の書店員として喋りました。

以下、三つのテーマに基づいて各々選書しました。

①「大人も子どもも楽しめる本」

②「何か(新しい)ことを始めたくなる本」

③「本を読みたくなる本」

トークに出た書店員は、私(諏訪田)と、石井書店の福田さん、ブックスミスミオプシアの東さんです。

驚いたのは東さん。なんと10代の書店員さん!今年高校を卒業して書店員になったばかりとのこと。本企画の担当さんとの事前の打ち合わせでは、今回出演するのは(たぶん)全員20代だと聞いていたのですが、実際お会いして話をしたら、10代とのことでビックリしました。

紹介した順番は、諏訪田→福田さん→東さん、の順です。

1冊1冊をきちんと紹介したいところですが、自分が紹介した本について多く書いてしまいそうなのと、あまり長くなるのもあれなので今回は割愛します。トーク全体の印象と、福田さんと東さんのトークで気になった箇所についてだけ書きます。

まずは、各テーマでそれぞれが選んだ本は以下になります。


①大人も子どもも楽しめる本

・『ドミトリーともきんす』高野文子 by諏訪田

・『リアル古生物図鑑』 by福田さん

・『コンビニたそがれ堂』村山早紀 by東さん


②何か(新しいこと)を始めたくなる本

・『島へ免許を取りに行く』星野博美 by諏訪田

・『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子 by福田さん

・『桜前線開架宣言』山田航 by東さん


③本が読みたくなる本

・『私のティーアガルテン行』平出隆 by諏訪田

・『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦 by福田さん

・『きみの友だち』重松清 by東さん


まず面白かったのは、①「大人も子どもも楽しめる本」で福田さんが紹介した『リアル古生物図鑑』。この本は、古生物の実際の大きさをイメージしやすいように、今私たちが暮らしている日常空間の写真の中に3Dで作られた古生物が映っているというユニークな本です。サーフィンのボードと一緒に、同じくらいの大きさの古生物(の3D)が映っていたりしてなかなかシュールで面白いです。福田さんの上司が色画用紙で作ってくれたという実物大の手作り古生物を使って実演をしながら紹介をされていました。とても見応えがあって楽しかったです。あと、③「本が読みたくなる本」で、森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』の紹介の時に、森見さんの別の著書『夜は短し歩けよ乙女』の文章を引用されながら、「世界はひとつの本でできている」という福田さんのお話も印象深かったです。本同士や、作者同士で関係性を結んでいったらひとつの世界ができてくる(合ってるかな?)という話だったかと思います。読む本が増えていくにつれて、本と本の関係性が分かったり、作家と作家の関係性が分かって面白くなっていくのも、読書することの醍醐味ですよね。まさにテーマにぴったりなトークでした。

そして、もう一人、登壇された書店員の東さん、高校を卒業してわずか半年ということで人前で話をするのはとても緊張している様子でした。紹介するときも言葉少なめでという感じだったのですが、こちらが紹介した本について質問をすると、ひとつひとつ丁寧に答えようとしてくれながら、その語り口調に次第に熱がこもる様子だったのが印象深かったです。好きなものについて語るってやはり素敵ですよね。私は、②「何か(新しいこと)を始めたくなる本」で東さん紹介された『桜前線開架宣言』が気になりました。約40名の歌人の短歌を集めた短歌のアンソロジーが本書です。「その中で好きな短歌は?」という質問(たしか福田さんの質問)に対して、雪舟えまさんの短歌を選んでました。雪舟えまさんは、私の本好きの仲間内でもよく話題になる歌人でしたし、その本好きの仲間もこのブックトークを聞きに来ていたので、その名前が出た瞬間に笑みがこぼれました。あと、歌人の穂村弘さんが登壇した三人全員が好きと話をしたのも嬉しかったです。盛り上がりましたね~。

今回のブックトークを通じて、福田さんも東さんも、お二人とも本当に本がお好きなんだなというのが伝わってきました。そのような方が書店員をされているということに、とても励まされる思いでした。私も参加して本当に良かったです。私自身は読書家とは言えないですし、今回も未熟なトークしかできなくて反省ばかりでしたけれども、鹿児島の本の文化を少しでも盛り上げていくことに関わっていけるよう努力してゆきたいと、今回出演して改めて思いました。

かなり端折ってのレポでしたが、ブックトークで紹介された本はどれも面白そうでした。

書名だけでも気になる本がありましたら是非お手に取ってみてくださいね。