国際課税勉強会31 (タックスヘイブン対策税制の合算所得計算方法)
2023.11.19 15:01
AOTCA東京会議で始まった11月ですが、その後も研究会や大学の講義担当などに追われ、非常に慌ただしく過ごしていました。その間、とにかく良くも悪くも色々あり正直言って今は心身ともに少々疲れているところです・・。
昨日今月に入ってから2つ目の研究報告を終え、少し一息という感じ(のつもり)です。国際課税「一角塾」にて、タックスヘイブン対策税制上の合算対象となる未処分所得計算方法が争われた東京地裁平成29年1月31日判決について発表しました。
簡単に言えば、合算のもととなる未処分所得を外国子会社の損益計算書で計算するのか、それとも日本側で損益計算書の再作成が許されるかが争われた事件です。特に子会社が計上した減価償却費を変更できるかが争点でした。(措置法施行令39条の15第1項の解釈)
措置法通達66の6-10(当時)では、外国子会社が計上した減価償却費を、日本側で修正できる旨が明記されているんですが、判決は、それをできないとして、納税者敗訴となりました。高裁でも同じ結論、最高裁は不受理でした。
子会社作成損益計算書の減価償却費により確定的に拘束を受けるという判決のように見え、そうであれば「本邦法令の規定の例に準じた計算」の趣旨と矛盾するのではないかという論点があります。もう少し掘り下げて考えることに。
📷マリンパーク