どこで学ぶかより、どう学ぶか。
10月になり、小学6年生も進学を意識して
相談をしてくるペースが増えてきました。
周囲の噂話を耳にしたりしますと、
どうしてもその学校名が気になったりしますが、
私は、公立中学校というのは大いにアリな
選択肢だと思って進路指導時にもそれを伝えます。
例えば、成穎中学校や清和中学校は受験校としては
佐賀県内においては中堅どころで、人気があります。
しかし、どの学校においても、上位になる、ひいては
1位を獲得するということは困難なのです。
また、近所には、成章とか、昭栄、城西、城南などの
公立校が存在していますが、いずれの学校の1位の子も
本当に賢いんだろうなということをいつも思います。
今の城南中3年のトップの子も、久留米付設を蹴って
進学をしたという強者であると噂を聞いています。
他の学校の上位の子の情報もある程度入ってきますが、
どの子も納得の実力を備えていると言えます。
ですから、小学生が進路を選ぶ際に、わざわざ
私立を選択しなくても、ライバルには事欠かない場合が多く、
むしろちゃんと努力をすれば1位も目指せるという点で
現実的な目標を持ちやすいようにも思われるのです。
私立を選択するという理由については、
ムラのある公立、荒れずに安定した指導を受けられる、
進学した先に難易度の高い学習、しっかりした基本演習を求める、
そういったことが挙げられますが、例えば成章の校区の子は
成章に行けるのにあえて私立に行く意味とは?と
考えてしまうことも少なくありません。
中学をステップに難関校を標榜しているならば成穎もいいですし、
間違いなく現役医学部ということでしたら弘学館を推しますし、
西高でも上位を連ねる附属中出身者の中で戦いたいなら
附属中学校を勧めています。
清和は今年初めて生徒が通い始めましたので、
感想については保留していますが、こちらは
そのまま清和高校へ進学しますし、中高一貫校の色が強く、
独特な存在であるというように見ています。
城南などは学年によってはいまでも荒れるので、
そういった点で私立を希望し、満足なさっているご家庭も
一定数おりますが、成章が荒れたということはずっと
聞いていませんし、指導も的確に行われているように思います。
私は、今生徒に課している内容で、生徒がある程度退屈で
すぐに課題が終わってしまうというくらいでなければ
上位学校はあまりお勧めはしていません。
そういった学校にいる上位の子たちが崩せず、そのまま
”このくらいでいい”という気持ちになることもあります。
それであれば、努力すればすぐに順位が変動する
公立へ進学するというのも、選択肢としてはアリです。
精神的にまだ未熟であれば、そこからスタートしても
人生は十分に長いから、自分の考えによって
自分を変えることができる、という見方もできます。
授業もゆっくりなので、いくらでも途中で復習し直し、
巻き返しを測れるという点でも、良い選択です。
佐賀県下には、通って100%よかったという
絶対的な評価を得る学校はありません。
多様性に欠け、競争がないというのも一つの理由でしょう。
だからこそ、子どもたち自身が、どこで学ぶかよりも
どう学ぶかということを考える必要があり、
どこにあってもトップになるということは難しく、
それぞれに目指しがいのある目標を持てることが重要ということを
改めてお伝えしておきたく思っております。