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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

University College London(UCL)留学記:バイオメカニクスの授業初日

2018.10.01 17:52

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


今日から授業でした。バイオメカニクスに関する授業でした。

基礎的な力学などを中心に午前・午後とみっちり授業を聴いてきました。 


高校レベルの物理の話ですし、余裕でし・・・・・なわけもなく(;’∀’)。 


物理の話はスカッと全部忘れていました。。。 まさか36歳になってニュートンの運動3法則とかやり直すことになるとは思ってなかった( ゚Д゚)。 


しかも英語なので(当たり前ですが)、余計に理解が追い付かない。。。 

午後の遅い時間になると、集中力も切れてくるし、余計に聞けない。 


授業が終わった後に、クラスメートに「全部理解できたの??」と聞かれて、 

倉形『正直、全然(;’∀’)』と答えて爆笑されるという。。。 


私は、『バイオメカニクス万能論』のような、「メカニカルストレスを減らせば、運動器疾患の疼痛が治る」というような考えには否定的なので、バイオメカニクスはあまり意欲的に取り組んでこなかった分野なんです。 


今も、バイオメカニクス『だけ』に基づいた治療でなく、しっかり患者さんを対象とした臨床研究で効果が検証されないといけないという考えは揺るぎません。

しかしながら、新しいリハビリのヒントになり得たり、その場で即時的に痛みを軽減するという観点ではバイオメカニクスに基づくリハビリに期待できるというのも事実だと思います。 



また腰痛の話になって恐縮ですが、例えば、腰痛の人が来た場合、バイオメカニクスに基づくリハビリと言うのは長い目で見ると特別効果的ではありません。むしろコストパフォーマンスが悪い可能性が高いです。ですが、その場でパッと症状を軽減するには良い可能性があります。少しだけその場で症状を軽減して、その後に本当に効果のある『怖がらずに動く』という治療を導入するのに役立てるのは意味があるかも知れません。 ですので、ここでしっかり知識を構築していきたいです。 


幸い、スライドは配布されていて、復習がしやすいので、しっかり復習しておきます。 



あと、今日の午後の授業は博士課程の学生が担当してくれました。事故で脊損になってしまった後にUCLの博士課程に入学したそうで、電動車いすに乗っています。頚髄の下の方のレベルの損傷なので、手にも機能障害があります。多分50歳代です。キャンパスツアーで最初にお見かけしたときは、失礼ながら実験の被験者なのかと思ってしまいました。。。


でも、つきっきりではありませんが、キャンパスの職員がサポートしますし、持ち物にも色々な工夫があって、身の回りのことはほぼ行えていらっしゃいました。 


授業のレベルは、通常の修士コースで受けるレベルを満たしていました。 



いくつになっても、身体的にサポートが必要であっても、能力と努力に応じてチャンスがある。学びたいことがあれば学び直すための門が開かれている。考えてみれば当たり前のことですが、もっと当たり前になるといいな~と思います。 

てゆうか、今日の博士課程の学生が所属しているのは、リハビリ機器を開発する工学系のコースなので、ユーザーの使い勝手がわかって、むしろアドバンテージなのかもしれない。。。。 やっぱり、多様性のあるチームは、強みがあると思います(^o^)/



今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

  理学療法士 倉形裕史 






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