加齢は不可逆的
みなさんは”歳をとる”ということをどうお考えでしょうか?
ポジティブに考えているでしょうか?
ネガティブに考えているでしょうか?
それぞれの考え方があるものだと思いますが、加齢について間違いなく言える抗いようのないことはといえば、『加齢は不可逆的』だということです。
不可逆的という言葉は耳馴染みがないと思います。
不可逆的というのは「戻ることがない」という意味です。
巷では「若返り」「アンチエイジング」を謳う商品やサービスは多々ありますが、実際に年齢が若くなることはありません。
年齢は時の流れです。
時の流れは一方通行です。
記号で表すなら→です。
↔︎ではありません。
そして、加齢に伴って起こる身体の変化というのもまた不可逆であることが多いのです。
その最たるものに「体内の水分量の減少」がありますが、体内の水分量は25歳をピークに徐々に減少していきます。
25歳あたりの水分量はおおよそ65%であるのに対し、80歳時点ではおおよそ55%まで減少するそうです。
この10%は大きく、10%の減少で「筋肉の柔軟性の低下」「椎間板(背骨のクッション)が薄く硬くなる」「臓器の柔軟性の低下」などが起こります。
筋肉の柔軟性が低下することで対応できる負荷のレベルが低下し、筋肉の損傷が起こりやすくなります。
椎間板が薄く硬くなることでクッション性が低下し、背骨の動く範囲が狭くなり大きな負荷に耐えにくくなります。
臓器の柔軟性が低下することで、尿意を感じやすくなりトイレが近くなったり、血管が脆くなり内出血が起こりやすくなったりします。
これを「生理学的変化」といいます。
これらの程度は個人差がありますが、何をしても抗いようがなく誰しも等しく起こる変化です。
では、「加齢による変化」は悪でしょうか?
私はそうは思いません。
確かに抗いようのない変化は起こります。
しかしそれは身体に何かしらの異常が起こっているのではなく、むしろ身体が正常に機能している証拠だと考えています。
身体が正常に機能しているということは、刺激をすれば向上する機能があるということです。
筋肉は使わないと痩せていきますが、使えば何歳になっても筋肉はついていきます。
動けば体力は向上しますが、動かないと体力は無くなっていきます。
当たり前の話ですが、「身体は使い続ければいつまででも使えるし、使わなければ使えなくなる」のは自明の理です。
「歳だから痛いのは仕方がない」「歳だから治らない」などはよく聞きますが、痛みは年齢に関係ありませんし身体の修復能力は死ぬまであります。
諦める前にやれることはたくさんあります。
当院は接骨院なので”治療”が主となってきます。
その不調の全てが”治療”でどうにかなるものではないかもしれません。
でもどうにかできるものはどうにかしたくないですか?
少しでも楽な身体で生活するためにできることはやりましょう。