脳内鎮痛機構のしくみ(第3回セミナーコンテンツ)ATSUSHI TAMADA)
2018.10.03 06:40
今年のNHKためしてガッテンでは原因不明の慢性痛の原因は『側坐核』の働きの低下であるとの話がありました。また随分と前ですが、NHKスペシャル「腰痛治療革命」では『DLPFC』の働きの低下が慢性痛の原因であるとも。いずれも脳内の一部分的な話であり、実はその背景には脳内での「興奮・抑制」による神経ネットワークの複雑な繋がりがあります。
今年3月に作成された『慢性疼痛治療ガイドライン』には、「運動」と「認知行動療法」の有効性が挙げられていますが、ではなぜ運動をすると痛みが軽減するのでしょうか?認知行動療法のターゲットとなる脳領域はどこでしょうか?一度起こった『扁桃体』の過剰興奮はどうすれば抑えることができるのでしょうか?
第3回痛みのミカタセミナーでは臨床で遭遇する治療でなかなか効果が出せない慢性疼痛について様々な脳内ネットワークの繋がりを説明していきながら、脳内での鎮痛のメカニズムをご理解して頂こうと思います。また下行性疼痛抑制系の鎮痛のメカニズムに関しても神経生理学的な視点から鎮痛とは?を考えていきます
今回のセミナーを受講されることで、いつも使っている手技でなかなか改善しない痛みに対しても、脳内の鎮痛のメカニズムを理解することで、身体への入力だけでなく、脳へのアプローチにより痛みを抑制する脳回路が活性化し、患者さんご自身が治ろうとする力、いわゆる「自然治癒力」を高めることができることでしょう。
『治療とは我々治療家が患者さんを治すわけでなく、「1人の人」として患者さんと向き合い、患者さんの「治る力」を信じることである』という根拠を得られるセミナーとなることを望みます。では当日会場でお会いできることを楽しみにしております。