左肩が痛いと言います。
昨日の続きです。
東洋医学の話しに陰陽五行説なるものがあります。
平たく言えば万物の成分を5つの要素に分けて相生、相克関係で考えるという手法です。
臓器で言えば、木(肝胆)火(心小腸)土(脾胃)金(肺大腸)水(腎膀胱)
木→火→土→金→水(相生関係)
木→土→水→火→金(相克関係)
という具合ですね。(詳しく知りたい方はグーグルで調べて見てください)
ここには物語があります。
肩の痛みという症状の中だけで物語りを終わらせていないということです。
ここが西洋医学にはない考えということなのですが、それじゃ~どういう物語があってこうなったのか?
ということを明確に診断する能力がなければ、この物語も何の役にもたちません。
東洋医学では、ここが一番の焦点になります。
物語をどう読み解くかですね。
これは身体そのものに聞いてみないといけません。
この行為が普通はない訳です。
この薬はこの症状に効くはずだから飲んで様子をみましょう。
これってある意味、ロシアンルーレットみたいな確率で処方していく訳ですよね。
経験を積むとだいたいこの薬を飲めば楽になるなということを予測できるようになる訳です。
しかし、あくまでも予測です。
身体はそんなに単純なものでしょうか?
人によって違いがあるのでは?
と考えないところが面白いですね。
これは、経験による鍼治療でも同じです。
こういう緊張や症状のある時にはこのあたりを刺激しておけば楽になるだろう。
という予測から刺激していく訳です。
それも最初のうちは必要ですが、そこで終わっていてはホントの意味での東洋医学ではありません。
そこで東洋医学の本を片手に関係性を考えていく訳です。
東洋医学では肝と胆は表裏の関係にあります。
胆が問題の場合、肝を刺激するとかですね。
陰陽五行説を用いて、胆(木)が問題なら、その母にあたる水(膀胱)を刺激するというような考えになる訳です。
しかし、これもロシアンルーレットですよね。
考え方を変えただけです。
つまりそれが適応かどうかをあらかじめ知る必要があるということです。
そこで脉診をしたり腹診をしたりする訳です。
それで物語を組み立てていくのですが、実際の身体を観察していくと非常に複雑な物語が見えてきます。
この例では左肩は肝、原因となった胸は胃の声が聞こえてきました。
何度も言いますが、これはその人によって違いがあります。
同じ症状の人が同じパターンではないということです。
だから経験値が意味を成さないということになります。
何と関係があるのかを意識して身体を触ると身体は答えを教えてくれます。
そしてできるだけ、その答えを即決したいです。
数秒でこの答えを出すことができれば、物語を組み立てやすいのですが、一般的な脉診や腹診の方法だとかなり時間がかかってしまいます。
時間をかければ明確な物語が作られるかというとそうではありません。
聞き取り調査だけで犯人を特定しようとする問診
いきなりDNA鑑定をして事件を解決しようとする科学操作
どちらが効果をあげるのか?
というのとよく似ている感じです。
どちらも使えばもっと核心に近づくのが早くなります。
聞き取り調査だけだと不鮮明なところも多いのは事実です。
古典を利用して漢方をやっている人で名刑事の人います。
鍼灸でもそういう人もいます。
それもとても大事なのですが、欠点は、あくまでそれは経験値からであって、ロシアンルーレットの確立をあげただけと言えます。
それをDNA鑑定をして解決しようとするのが私の考えていることです。
基本は筋力検査法なので、これに慣れるまでには確かに時間はかかります。
しかし、コツがあります。
それを伝授しているのが、専門家の勉強会という訳です。
それでももちろん経験と直感は必要です。
何も考えないでただ方法論を学んでもうまくいきません。
それをできるだけ埋めるようにするのが手ほどきです。