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「人手不足倒産」が4割増で過去最高に・・・

2018.10.03 13:30

 ビジネス+IT 


 【転載開始】 


 ■「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、

  企業努力ではもう止められない

 

 有効求人倍率が44年ぶりの高水準を

記録するなど労働需給 がひっ迫する中、

従業員の離職や採用難など人手不足に

よる 収益悪化で倒産する企業が全国 

で急増している。 

2018年上半期は前年同期比4割増の

ハイペースで、慢性的な人手不足が

続く道路貨物運送や介護、 

木造建築工事などの業種を中心に倒産

ラッシュの様相を示した。 

地方の急激な人口減少や雇用のミス

マッチもあり、人手不足に回復の気配

は見えない。 

関西大社会安全学部の亀井克之教授

(リスクマネジメント論)は

「現状の打開は中小企業だけでは難しい。

社会を挙げて対策を講じるしか解決策は

ない」とみている。 


■人材確保がままならず、倒産する事業所

 が続出


  東北、関東地方で貨物自動車運送を

していた仙台市宮城野区のサンワ 物流と

関連会社のサンワ商事は5月、仙台地裁

から破産手続き開始の 決定を受けた。 

負債総額は約2億円に上る。


  民間信用調査機関の帝国データバンク

によると、サンワ物流は自社トラックで

ビール、飲料品などの搬送をし、2009年

9月期で年間 約4億円の収入があった。 

サンワ商事は一般貨物の運送取り次ぎを

し、2014年3月期決算で年間 収入約3億

3,000万円を計上して いた。


  しかし、近年はドライバー不足が深刻で、

求人を出しても集まらない状況が続いて

いた。 

このため、競合の激化で受注単価 が低迷

する中、ドライバー不足で受注を見合わ

せるケースが相次ぎ、業績が落ち込んで

いた。


  堺市堺区で高齢者の介護、福祉事業を

営んでいた社会福祉法人 美亘会は2017年

6月、民事再生開始 の決定を受けた。 

民間信用調査機関の東京商工リサーチに

よると、負債額は 約8,000万円で、

デイサービスセンター などは、2017年9月

から堺市の別の社会福祉法人に引き継がれ

ている。


  美亘会の事業報告などによると、2012年

3月期には約1億3,000万円の事業収入があった

ほか、 2015年度で7,430人のデイサービス 

利用者、6,452人のヘルパー利用者 がいた。 

しかし、介護職員らの入れ替わりが 激しく、

採用しても賃金の高い他の 施設に移るなど

長続きしなかった。 

その結果、慢性的な人手不足と人件費増など

で赤字経営に陥って いた。


  北海道で23の介護施設などを運営していた

札幌市西区のほくおうサービス とグループ

4社は2017年7月、 札幌地裁に破産を申請した。 

東京商工リサーチによると、連結の負債総額

は約43億3,000万円 に上る。


  ほくおうサービスは2016年3月期で 

約27億6,800万円の売り上げがあった が、

介護報酬の引き下げや人手不足 による人件費

高騰が経営を圧迫、4億8,300万円の赤字を出し

ていた。


  施設の大半は福岡市に本社を置く介護施設

運営会社に引き継がれたが、8施設は交渉が

まとまらず、急いで別の施設を探さなければ

ならない入所者が約340人に及んだ。

実母を旭川市の施設に入所させていた主婦(63)

は「人手不足と聞いていたが、まさかこんな

ことになるとは」と今も驚き を隠せない。 


■企業の人手不足感も高まる一方  


 厚生労働省のまとめでは、国内の有効求人

倍率は2017年度、 1.54倍に達し、44年ぶり

の高水準を 記録した。 

2018年度に入っても4月1.59倍、 5月1.60倍、

6月1.62倍、7月1.63倍と上昇を続け、企業の

人手不足感が 高まる一方だ。

  帝国データバンクが7月、全国の 企業9,979社

を対象に実施した アンケートでは、正社員の

人手不足を 訴えた企業は前年同期比5.5ポイント

増 で、過去最高の50.9%に上った。 

非正社員については前年同期比 3.6ポイント

増の33.0%が「不足している」と答えている。 

人手不足が人件費の増加や事業遂行の妨げ

となり、収益を悪化させる例も急増している。 

従業員が不足している企業の割合 

(図版:帝国データバンク「人不足に対する 

企業の動向調査」から筆者作成)  


 帝国データバンクが2018年上半期に人手

不足による収益悪化などを要因 に倒産した

事業者を調べたところ、 前年同期を21件

上回る70件に達する ことが分かった。 

2016年以前と比較すると、ほぼ1年間に発生

する件数以上を半年で記録し、 年間100件を

初めて超えた2017年を 上回るハイペースだ。 

負債総額は106億7,700万円に上る。


  調査を開始した2013年以来の累計で 見る

と、業種別で人手不足倒産が多い のは道路

貨物運送、介護、木造建築 工事がトップ3。 

ドライバーや介護スタッフ、職人の不足 から

新規受注を断念し、収益を悪化させた例が

目立つ。 

人件費の高騰、外注費の増大も企業 にとって

頭が痛い。


  地域別では東京都が最も多く、福岡県、 

大阪府が続く。

負債規模別では1億円 未満の小規模倒産の増加

が目立ち、 規模が小さくなるほど深刻な影響が

 出ていることをうかがわせた。


  兵庫県尼崎市に本社を置く陸運会社 は度々、

ドライバーの募集をかけている が、問い合わ

せの電話もほとんどない という。 

担当者は「ドライバーの高齢化が進む中、広告費

だけがかさんでいる。人が集まら ないと新規の

仕事も受けられない」と不安げな表情を見せた。


  さらに、経団連の中西宏明会長が 企業の新卒

採用活動解禁日などを 定めた就活ルールを廃止

する意向を 示したのをきっかけに、就活ルール

に 対する議論が湧き上がっている。 

廃止となれば中小企業の採用にしわ 寄せが及ぶ

のは確実で、ますます 人手不足が深刻さを増し

そうな状況だ。


  人手不足を要因としないものも含めた倒産

件数全体は好景気に支えられ、前年同期を

下回っている。 

帝国データバンク情報企画課は 「人手不足の

深刻化に歯止めがかかる 気配は見えない。

今後も厳しい状況が 続くのではないか」との

見方を示した。


■中小企業の人手不足が社会全体の

  危機に


  介護業界では外国人労働者を確保して人手

不足をしのごうとする動きが 活発化している。 

介護労働安定センターの2017年度実態調査では、

外国人を受け入れた 事業所が5%に上った。 

しかし、焼け石に水の状況で、67%の事業所が

人手不足に陥って いる。


  厚労省は特に人手不足が深刻な 介護、建設

などの業界に対し、魅力ある職場づくりを進め

る雇用管理 改善、ロボットやICTの導入、求人

と 求職のマッチングなど幅広い支援を手がけて

いる。


  建設業界に対しては、国土交通省と共同で

人材確保や育成をサポートする 方針を示し、

2019年度予算に約70の 事業を概算要求した。 

しかし、慢性的な人手不足が続く業種は仕事

のきつさと低賃金が再三、問題視されてきた。 

これらの問題の特効薬になるといい にくい政府

の支援策がどこまで効果を上げるかについては、

疑問視する 声が少なくない。


  亀井教授は「社会の基盤をこれまで 支えて

きたのは中小企業なのに、政府や金融機関の

目は大企業に向き すぎているのではないか。

中小企業の 人手不足を社会全体の危機と受け

止め、本気で考えるべきだ」と指摘する。


  働き方改革は安倍政権の看板政策に浮上

している。 

しかし、中小企業の人手不足を緩和し、人手

不足倒産の続出を防がないことには、社会が

立ち行かなくなることに なりかねない。 

政府は人手不足倒産という形で発せられる危険

信号を直視する必要が ありそうだ。 

 政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)


 【転載終了】 

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  介護現場は相変わらず人ので入りが 激しい

ので、人手不足は解消されずだ そうです。


  一番は賃金の問題ですかね。


  きついわりには、低賃金であり、報われないし、

いつまでたっても 楽にならないのが現状でしょう。