【MUMBLE企画:出演者インタビュー①】『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』
ロームシアター京都 × 京都芸術センター
U35創造⽀援プログラム“KIPPU”
『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』出演者インタビュー第1弾
『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』開幕まで1ヶ月を切りました。劇団不労社に初出演いただく方も多い本公演。4回にわたって、出演者へのインタビューをお届けします。第1弾は、⿊⽊陽⼦さん(劇団衛星/ユニット美⼈)と、のたにかな⼦さんです。俳優をはじめたきっかけや劇団不労社のこと、本作の見どころについてお話を伺いました。
インタビュー中の黒木さんとのたにさん
・自己紹介
ーーお名前と、お2人がこれまでにしてきた活動を教えてください。
黒木:黒木陽子と言います。京都の劇団衛星で、 25年ぐらい活動しております。あと、ユニット美人という自分のユニットも持っていて、作・演出をしています。
のたに:のたにかな子です。役者をするまでホテルや街場のレストランとかで働いていて。30を超えてから、白塗りのパフォーマンス集団、ストロベリーソングオーケストラという、ちょっとアングラな雰囲気の生演奏と一緒にお芝居をするみたいなところに2年ほどいました。退団してからは、ずっとフリーで役者をしています。
ーーお二人がお芝居の道に進んだきっかけは何でしょうか。
のたに:ずっと正社員で、ホテルに行ったりレストランに行ったりとかしていて。ちょっと時間が空いた時に、気になってたストロベリーソングオーケストラのライブに行きました。そこのメンバーの1人に、スタッフとして手伝ってと声をかけられました。 なんか楽しそうやなと思って、最初手伝っていたら、今度、結構大人数でイベントやるから出てと誘われたことがきっかけで、表舞台の方に興味がでてやることに。
その後、初めて客演として舞台に出たのが2012年かな。周りは本当に上手な役者さんばっかりで、ちゃんと勉強したいと思ったのがきっかけで退団して、ワークショップなど本格的に勉強しながらフリーで活動しています。
黒木:私はのたにさんとは少し違っていて、小学校の時の演劇クラブからですね。『ガラスの仮面』っていう漫画を読んでいたので、演劇クラブに入ったら私も演劇できるかもと思って。そこから、部活とか人生の選択があるたびに、演劇を選び続けてたというかそれ以外を選べなかったんですよ。多分、怖くて。それが今まで続いてるっていう感じです。
今思うと、「私には演劇があるし」みたいな。免罪符みたいに使ってたんです。
大学に入る時も京都は、演劇が盛んだと聞いて、京都の大学にして今の劇団に入って、やめられず今に至る。その中でちゃんとしようってした時期とかはもちろんあって。
でも、免罪符じゃなくて、ちゃんと演劇を選んでるなっていうのは割と最近かもしれません。
・劇団不労社について
ーー今回、劇団不労社に初出演ということで、稽古をする前と後で劇団不労社の印象に変化はありましたか。
黒木:うまい言い方が思いついたらまた後で言うんですけど、もっと「ちゃんとしてる」と思ってました。「ちゃんとしてる」っていうのは、なんだろうな。もっとシステマティックだったり。すごく作品から完璧主義みたいな感じの印象を受けていたので、 こんなに役者に自由度があると思ってなかったので、びっくりというか嬉しい気持ちです。
のたに:逆ではないんですけど、年齢も下やから、はじめ色々追いつかへんのちゃうかというか、若い劇団というので不安はあったけど、年の割にすごいしっかりしてはる人ばっかりで。劇団員さんの団結力があって、組織的にしっかりしてるなっていうのが印象的です。
黒木:そうなんですよ。思ったよりちゃんとしてたっていう面もあって。例えば、今インタビューをこうやって受けていることだとか、稽古場の雰囲気作りであるとかもそうですし。年を重ねると、言い出したくなるような現場もあるんですよ。だけど、不労社さんは、それがなくて、安心して、自分の仕事ができる。役者として、どういう風に貢献できるだろうかを考えられる稽古場だなって。
ーー稽古場の雰囲気はどのような感じですか?
のたに:最初はすごい緊張していて、輪にならずに、ちょっと引いてみようと思って見ていたんですけど、回数を重ねるごとに稽古場が柔らかくなってきて。普通にボーっとしてても居心地がいいなと。緊張はあるけど、変な緊張がなくなりました。演助の方もしっかりとされていて、色々な不安や質問も気軽に話せますね。
黒木:例えば、真ん中ですごい盛り上がってる話があっても、置いてきぼり感がないというか。 その話題に入ることもできるし、 別に入らなくてもいいっていう感じがとてもいいですね。
・『MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー』の見どころ
ーー現在稽古の途中なので、これから作品が見えてくることもあるかとは思うのですが、現時点での見所やお二人的に面白いなと思うところを教えてください。
のたに:どんな形になるのかっていうのがまだ想像つかなくて。これやったらええやろって思うことが果たして本当にいいのかどうかもわからない状態なんですけど、ゲネとかが終わった時に、これってこういう作品だと思えるんじゃないかなという風に思っていて。
それはとても、個人としては、 楽しみなんですよね。
見どころは、今回、全員ずれていて、集団の中で普通だと思ってる人もどこかおかしい。西田さんなりのというか、おかしな人たちが集まって。料理でいうと、一つの皿にいっぱい乗ってるというか。すごい奇抜な見た目とか味の食材があるけど、それが1つの料理っていう形になればいいなと思うし、それが見どころになればいいかなって。
黒木: 私もそうだと思います。あと、もちろんお話に大きなうねりがあるんですけど、なんか隅々まで詳細なところを見ていただきたいですね。 器の形であったり、細かいところについてる演出がたくさんあります。何回見てもこここういう顔してたんや、そういう動きしてたんやと発見していただけるかと思います。
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