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【CBDと医療大麻】嗜好大麻との違い

2018.10.04 05:26

医療大麻が次々と解禁になる中、嗜好品(レクリエーション)としての大麻使用を解禁にする国も増えてきました。

2014年1月1日よりアメリカ合衆国のコロラド州では、すべての成人に対して大麻の販売を認める法律が施行され、一番最近ではカナダやカリフォルニア州で解禁になりました。

では、医療大麻との違いは一体なんなのか明らかにしたいと思います。


大麻解禁国のマリファナに対する認識

オランダには「コーヒーショップ」という大麻販売店があり、普通に大麻を購入しその場で吸うこともできます。

また、ウルグアイでは、青少年の犯罪を抑制するという目的で、大麻の栽培や購入が合法化されました。(出典:日本経済新聞より)

既に大麻所持はヨーロッパの多くの国や、カナダ、オーストラリアでも非犯罪化されています。さらには過去の大麻犯罪履歴を抹消するという動きもあります。

それに比べて日本ではまだ重罪扱いで逮捕者もいますので、国によって全く違う認識なのがわかります。

ヨーロッパやオーストラリア、南米などは大麻を非犯罪としています。

アメリカでは、州法によって細かく制限されている国もあり、訪れる際は気をつけるべき点でもあります。


合法化されてきたワケ

それには、国際的に大麻が、煙草やアルコールなどに較べてはるかに無害なものである、ということが周知されてきたという背景があります。

その他の薬物と比較した場合の大麻の無害性について、40年以上前からWHO(世界保健機関 )でも報告されているのです。


日本国内の情報だけではかなり偏った考え方になってしまいます。

コカインや、ヘロインなど他にもいろいろありますが、それと大麻が同じくくりになっているなんておかしな話です。小学生でもわかります。


『犯罪組織の資金源となっているマリファナの不法流通州政府が管理して根絶につなげることや、税収確保が主な狙い

これは日本で違法な理由にもなっています。大麻が流行るのを恐れているのです。

その分、アルコールやタバコからの税収がなくなってしまうからです。

コロラド州は、合法的な嗜好品とすれば、犯罪組織による流通を防ぎ、税収も期待でき流という考え。

『嗜好品としての大麻について、年齢や所持できる量を限定した上で、合法化したほうが、適切に管理出来る』(出典:大麻合法化から1か月 広がる波紋 - NHK 特集まるごと)

という考えもあります。


アメリカでは、低年齢で使用し始める人が多く、大麻を1年に1回以上吸う12歳以上の人が2900万人という背景もあり、合法化して管理した方が良いという判断なのだそうです。


医療大麻の使用

また、大麻の薬効成分である「カンナビノイド」が病気の治療に役立つことが認識されてきたのも合法化に向かっている理由のうちの一つですね。


日本では医療用の大麻も禁止されていますが、その薬理作用の有効性が認知されるにつれ、諸外国では医療用の大麻利用が増えています。


後で詳しく説明しますが、簡単に言うと『治療目的で大麻を医師に処方してもらい使用する』のが医療大麻制度なのです。


『医療大麻は、ガンやエイズなどの大病の特効薬としてだけでなく“てんかん”においても劇的な治癒効果が認められている』(出典:天下泰平 : 大麻合法化が進むアメリカ)

大麻はHIV、アルツハイマー、うつ病、強迫性障害、不眠症、てんかん、気管支喘息、帯状疱疹、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、クローン病、パーキンソン病など、約250種類の疾患に効果があるとされています。

国別大麻規制

一部にはありますが、アメリカの州ごとに本当に細かく規制が決まっています。

日本でも”みんなと同じ”ではなく、考えるのを面倒臭がらずに決めていけば問題ないと思うので、海外の例を参考までに載せておきます。


【コロラド州】

・アメリカで初めて嗜好大麻が解禁。

・21歳以上(パスポートか州政府発行の身分証明書)は、大麻の所持・購入・使用が可能。

 (喫煙具購入時も同じ)

・1オンスのTHCの所持が可能。(大麻ではなく”THC”が1オンスなので、物質量が1オンス以上でもTHCがそれ以下の重量であればOK)

・州に住んでなくても大丈夫。

・12オンスを超える大麻所持は違法。罰金が科せられます。

・車移動の際は、アルコールに関する法律が適用される。(つまり使用NG)

・車内でパッケージを開封したものを所持するのも違法。(使っていないと証明する領収書などが必要になる)

・州外への持ち出し禁止。


【カリフォルニア州】

・2018年1月から嗜好品としての大麻が合法に。それ以前からアメリカでは最初の医療大麻が解禁になった国。(購入にはメディカルカード要)

・21歳以上は、28gの乾燥大麻、8gの大麻濃縮物(オイルなど)の所持・輸送・購入が可。

・車中や乗り物内での使用禁止。

・もちろん他州への持ち込みは禁止。

・住居、または滞在先が州内であること。

【ワシントンDC】

・個人使用目的なら所持・使用ともに合法。

・嗜好大麻の販売は違法。(自家栽培は許可)

・3本の成熟した大麻草、3本の未成熟(栽培中)の大麻草の栽培が可能。

【連邦法適用地以外】

・21歳以上で、州政府発行のIDが必要。(2オンスの大麻所持が可能)

・大麻の売買は不可なのに譲渡はOK。

・路上、歩道、路地、公園、駐車場、車両での大麻消費は違法。(25ドルの罰金)


【オレゴン州】

・21歳以上は8オンスの大麻を自宅にて所持可能。(公共の場では1オンスまで)

・一度に購入できる大麻の量が決まっており、乾燥大麻1オンス、大麻抽出物は5g、大麻添加固形食品16オンス、大麻添加液体飲料72オンス、大麻種子10粒、未成熟大麻草は4つまでと、非常に細かくなっています。

・公共の場所で喫煙はNG。

・医療大麻の処方を受けている人は、24オンスまでの大麻を所持が可能。

・大麻摂取後の運転は禁止。

・州外への持ち出しは禁止。


【メイン州】

・21歳以上であれば大麻の所持と使用が可能。

・2.5オンスまでの乾燥大麻を所持できる。大麻濃縮物(樹脂・オイル・コンセントレートなど)の所持は禁止。

・2.5オンス~8オンスまでの所持は軽犯罪となり、最大6ヶ月の勾留もしくは1000ドル未満の罰金となります。(16オンスまでの所持は2倍の刑罰)

・州外への持ち出しは禁止。

・大麻摂取後の運転は、飲酒運転扱いに。

これほど細かく決められているのはなぜか。

ようは、国や政府が過剰摂取や公共の場で間違いが起きないようにセーブしてくれているということなのです。

泥酔して、街角で倒れている人が多い日本とは大違い。

アルコールも大麻も海外では細かく定められています。

使用量はあくまで個人の責任だと思いますが、『意識が朦朧とするアルコールを許可するのであれば、そこまで徹底した管理をするべき』というのが、海外諸国の考え方なのです。


医療大麻は品種が違う?!

まず、大麻の種類は大きく分けて3種類あります。

「薬用」・「中間」・「繊維」(用途は文字通り)

それぞれの大麻の違いは、THCとCBDの含有率の割合。

・薬用: THCが2~6%、品種改良により20%以上のものもある。CBDはごく少量しか含まれていない。

・中間: THCとCBDが同じぐらいの量。

・繊維: THC含有量0.25%以下。CBD作用がTHCを打ち消す。精神作用なし。

このハイにならない(THCが少ない)品種に、多く含まれているのが CBDです。

海外では、医療用大麻に使う低THC,高CBDの品種は『ヘンプ(HEMP)』と呼び、

その逆に高THCのものを『マリファナ(MARIJUANA)』と呼びます。

CBD は THC の精神作用に対して、ブレーキをかける働きがあります。


CBD は THC の精神作用に対して、ブレーキをかける働きがあります。

精神作用を抑える以外にも、CBD には優れた薬理作用があるため医療用に用いられるのは、このCBD含有量がTHCと1:1の割合か、CBDがTHCよりも多く含まれているものになります。


CBDとTHCは一緒に摂る

THCとCBDは、単体よりも一緒に作用した方が治療効果が高まるのです。

これを、相互作用・アントラージュ効果といいます。

医療大麻の研究は急速に発展中!

2017年には、医療用に使用する場合、THC:CBD を 1:1で摂取するという方法が最も効果があるという研究結果が出ています。

もちろん症状の重さによっては別の配合方法が良い場合もあるでしょう。

その判断を医師に仰ぐのが『医療大麻』なのです。


医療大麻は栽培方法も違う??

品種改良によっていくらでもTHCとCBDの含有量をコントロールすることができるのです。

トマトやさつまいもも品種改良で甘さや栄養分に差がありますよね?

それと同じことです。

ですから、品種はもちろん栽培方法を微妙に変えることでCBD量が多い大麻を作りそれを症状によって使い分けて処方するといった具合です。


特にTHCが人体に影響を及ばすことはないのですが、CBDには「意識の変容が無いので安心して使える」という方が多い傾向にあります。


医療大麻の制度と管理

病気治療のために大麻を取り扱った場合に、違法として刑事処分を受けないとするのが、医療用大麻制度。

処方箋に書いてある量であれば、一般的に違法とされている量でも所持していて構わないのです。

「神経障害性疼痛」や「中枢痛」は難治性の痛みで、通常の痛み止めはもちろん、モルヒネなど中毒性の高い抗生物質もほとんど効かないことが知られています。

 しかし、この大麻の成分であるカンナビノイドはそういった類の「神経痛」を緩和する効果があるとされているため、公共の場でも患者だと証明するものがあれば、急な痛みの時などに使用して構わないということになります。


植物としては、嗜好品も医療用も同じものですから大きな違いはありませんが、医療用は身体の弱った患者に使用する場合もあるので、カビや細菌などに対する衛生管理を徹底する規定もあります。

だから、昔のカメラのフィルムケースのようなものに入っていることが多いのですね。

日本では、残念ながら大麻を医療用に使うことはできません。

でも、海外で医療用として用いられているCBDなら合法なので安心して使えます。

大麻ほど強力ではありませんが、症状の予防痛みや炎症の緩和作用、また脳と筋肉の緊張を緩和させて心身ともにリラックスさせる効果は十分にあります。

純度が高く、濃度の濃いものであればなおさらです。

ですが、最初は少量から自分にあった容量と濃度を見つけることが大事。

不眠症には少し濃いめが効きますが、体が1つのものに慣れてしまわないように何種類か使い分けるのも賢い使い方でしょう。