今年も斎藤国交大臣との直接面会で繰戻額のさらなる増額などを要望 「自賠制度を考える会」
「自賠制度を考える会」(福田弥夫座長<日本大学危機管理学部教授>)が、斉藤鉄夫・国土交通大臣と12月4日に直接面会。「自動車安全特別会計からの一般会計繰入金に係る要望」を手渡し、令和6年度予算における繰戻額の更なる増額と併せ、繰入金の全額繰り戻しに向けた道筋の提示を強く要望した。
出席者は、福田弥夫座長・日本大学危機管理学部教授、横山恒・全国遷延性意識障害者・家族の会副代表、 柴田年輝・日本自動車連盟(JAF)交通環境部部長、金子晃浩・全日本自動車産業労働組合総連合会会長、加藤憲治・日本自動車会議所保険特別委員長、山岡正博・日本自動車会議所専務理事。
共助の考え方から自賠責保険料として自動車ユーザーが支払った保険料の運用益を原資とし、その時々に必要とされる交通事故被害者の救済や事故防止対策に用いられていた自賠責保険積立金。平成6年度および7年度に、財政事情の悪化を理由に自賠責保険料の積立金2兆円のうち1兆1200億円が自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられ、その後、繰り戻されない状況が続いていたことに、この問題は端を発する。
「自賠制度を考える会」は2010年に設立。交通事故被害者救済の重要性から繰り戻しを実施するよう一貫して強く訴えてきた。
その後、平成29年12月18日付けで、麻生太郎財務大臣と石井啓一国交省大臣の間で「平成30年度において、23億2030万円を自動車安全特別会計自動車事故対策勘定に繰り戻すこととする」という覚書が交わされた。
それ以降、毎年度の繰戻額は、法律や大臣間合意に基づき、財務省及び国土交通省が協議の上で決定されている。
平成30年度23億円(当初予算)、令和元年度37億円(当初)12億円(補正予算)、令和2年度40億円(当初)8億円(補正)、令和3年度47億円(当初)8億円(補正)、令和4年度54億円(当初)、12億円(補正)、令和6年度60億円(当初)、13.1億円(補正見通し)と繰り戻りは実施されているが、それでも現状で1兆2000億円のうち、5880億円が繰戻残高(元本4848億円、利子相当額1032億円)となっている。