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古志YouTube句会(11月)を終えて 2

2023.12.05 21:00

きのうの続きです。


特選句から。


妹の産休けふから小春かな   藤原智子


働いている妹さんがめでたくもご懐妊、そして産休に入るのです。


そしてそれを祝福するかのように、小春の日となったわけです。


よけいな付け足しをせず、


作者の思いはすべて「小春」という季語に語らせています。


そのため、たんなる報告に終わることなく、


しみじみと温かい余韻が生まれ、


しっかり奥行きがある一句になっていますね。

(Photo by Jeremy Hynes


歌仙巻く一言主と木菟と   齋藤嘉子


一言主は葛城神社に祀られる神。


吉事も悪事もすべてたった一言で言い放つといいます。


木菟(みみずく)もどこか思慮深げで静かな印象の生き物。


とても静かな座が想像されます。


どんな歌仙が巻き上がるか楽しみですね。


もちろん、じっさいに一言主、木菟と歌仙を巻くと読んでもいいですが、


さながら一言主のような人、木菟のような人と一緒に歌仙を巻くという、


挨拶句として読んでもいいと思います。


いずれにしても歌仙の愉しみを伝えてくれる向日性の一句です。


「古志」YouTube句会は毎月第4土曜日に開催しています。


次回は年内最終、12月23日(土)です。


一年の締めくくりに、ぜひご参加ください。