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わかば通信

2018二宮国際こども音楽祭、小学生チェリストや上海音楽学院付属校生も

2018.10.07 18:02

子どもたちに良い音楽を聞かせてあげたい、 と、3年前に始まった二宮こども音楽祭。

 今年は10月6日に、「2018二宮国際こども音楽祭」として開催されました。

湘南二宮さとやま@コモン


 今年のテーマは「こども」と「国際文化」。 午前と午後の二部に分かれていて、午前は、こども向けのプログラムで、一緒に歌ったり、踊ったり、みんなで楽しめる内容でした。 

そして、午後は、上海音楽学院付属中等音楽専科学校の生徒さんらによる演奏、地元二宮在住の小学生チェリストの演奏や、住民の方々、総勢80人の大合唱など多彩な内容のコンサートとなりました。


この音楽祭、昨年も参加したのですが、今回一段と内容が充実し、なぜか年々進化し続けているような気がします。 子どもはもちろん、音楽好きの大人にもこたえられない楽しさ、でした。


はじめに、二宮町の村田邦子町長が、

「神奈川県住宅供給公社、二宮町、住民の皆さんが町を活性化するために始めた音楽祭です。音楽を通して二宮町の良さを皆さんで味わって頂けたら」

とあいさつ。

続いて、神奈川県住宅供給公社 猪股篤雄理事長が、「今年は、横浜と上海の友好都市提携45周年の記念の年になります。音楽に国境はない。今年の音楽祭では、若く才能あふれる8人の上海音楽学院附属校生を迎え、さらに地元二宮町の小学生チェリストにも演奏していただきます」と挨拶しました。


まず地元の 小学生、藤原寛太君の演奏する「無伴奏チェロソナタ作品8 Mov.1」からスタート。

美しく荘重なチェロの音色に会場は静まり返り、小学生とは思えない素晴しい演奏に耳を傾けていました。小学生チェリストのこれからが本当に楽しみです。


続いて、上海音楽学院、付属校生による中国の民族楽器「揚琴」「琵琶」の演奏。奏でるという言葉がぴったりの優雅な中国の伝統楽器の美しい演奏に、気分はもう楊貴妃! 会場の人々は皆さん、熱心に耳を傾けていました。


曲の間にインタビューをはさみ、楽器についての解説や演奏法などが紹介され、3歳から楽器を始めたことや、揚琴には弦が百本くらいもあるなどの話に、会場からは軽いどよめきも。貴重な演奏をありがとうございました。


また、クラリネットとピアノの二重奏は、若々しい感性が光り、躍動的で、クラシック音楽の楽しさを再認識させてくれました。


そして、この4人の生徒さんたちによるメンデルスゾーン作曲「弦楽四重奏曲 Mov.3」はまさしく圧巻でした。全員が18歳とのことでしたが、とても学生とは思えない卓越した演奏で、弦楽器の音色の美しさを堪能させてくれました。

司会の方も紹介の部分で話していましたが、本当に一流の演奏家になる直前のところを目撃させて頂いたようなスリルと感動を覚えました。

もう、本当に「アンコール!」と叫んでしまいそうでした。

続いて、二宮町の人々には、音楽祭などですっかりおなじみになったユースクラシックの伴奏に合わせ、ソプラノの緒方麻紀さんが、「夜の貞応のアリア」「誰も寝てはならぬ」の2曲を歌い会場を魅了しました。

緒方さんは、二宮町の歌の集いでも歌唱指導をしておられるそうです。


そして、トリを務めたのが、二宮町の住民の方たちでつくる総勢80人のやまゆり合唱団による大合唱。

小学生からシニアまで、一緒に歌っている姿はなんとも微笑ましく、 最後の「ハレルヤ」の大合唱も感動的でした。この音楽祭は、いろいろなタイプの音楽が楽しめて、一般のコンサートとはひと味違う味付けがされています。皆さんこの音楽祭の和気あいあいと歌っていて本当に楽しそうです。


主催は、神奈川県住宅供給公社、共催が二宮町、一色小学校区地域再生協議会となっていて、町全体が音楽で一つになり町を活性化しようと取り組む姿が素晴しいと思いました。 


やまゆり合唱団を公募により実現させた、地域再生協議会 岡村会長からのごあいさつも。

ホールには、「菜の花畑のニーノ」の顔出しパネルも置かれていて、子どもたちに大人気でした。


楽しいだけでなく、レベルが高かった今回のコンサート、町の音楽祭でこのレベルの音楽が楽しめるのは驚きですし、将来は聞いている子の中から、さまざまな才能が生まれるのでは、と密かに期待したりしていました。 


また、演奏している小学生チェリストや上海の生徒さんたちと年が近いせいもあるのか演奏中、子どもたちが騒いだり声を上げたりすることもなく、その点にも感心させられました。やはり小さい頃から良い音楽を聴くというのは大切なのだな、と実感した次第です。

素晴しい音楽祭をありがとうございました。来年も楽しみにしています。