独立少年合唱団
2018.10.08 00:29
独立少年合唱団
2003/11/17
( ビデオ )
この映画の全体を通して貫かれている芯のようなものは、1970年代の日本。
まだ、学生運動の名残りが残っていて、隣の中国では文化大革命が起きていて、不安で騒然としている日本の姿。
しかし、描かれるのは群馬県の山奥にある全寮制、キリスト教の中学「独立学園」で東京は一切出てきません。
父をなくして転校してきた道雄は吃音のせいで無口人見知り、なかなか周りのなじめません。
しかし美しいボーイソプラノの声を持つ少年、安雄との交流から合唱団に入り変わっていく成長物語。
成長・・・といってもボーイソプラノで歌うことが全ての安雄には成長(声変わり)は訪れてはならないという矛盾もあります。
音楽教師はかつての学生運動家であり、成長(=革命)に絶望しています。成長とはひとことで「いいもの」なのかを静かに問うている監督の視線が厳しく、静かな怒りのようなものが感じられる映画でした。