平成22年と今年度の過去問を比較しながら「最近の若者は…」を考えたお話
「先生〜、数学の宿題で平成22年度の入試問題が出されたんですけど…」と生徒がやってきました。アドバイスが欲しそうな目をしています。
平成22年度の入試問題と言えば、まだ50点満点時代。人によっては冬の入試対策で使いますが、ある理由から、これよりもこの年の上位校が実施していた独自問題を使うことのほうが多いです。
簡単なアドバイスがてら、改めて新しい問題と比較して確認をしましたが、うん、やっぱり「ある理由」は顕著でした。
本日は、実際にちょっと比較してみましょう。まずは実際の問題から。
まずは問1、問2。平成22年度の問題から御覧下さい。
この年の正答率ランキングワースト2位が問2の(オ)の問題です。その正答率は20.7%。この年の上位校受検者は問題が違う(独自問題受検)ということで、今よりも少し正答率は低めに出る印象です。
続いて、平成30年度の問題を御覧下さい。小問集合が問2と問3に分裂しているのでご注意を。
似たような形式の問題で比較すると、平成22年度の問2(オ)と似ているのは問3(ア)ですかね。こちらの正答率は2.8%。正答率ランキング堂々ワースト一位の難問です。
比較してみると、難易度が上がっているのがあからさまですね。関数や確率の問題も同様です。気になる方は貼っておくので解いてみてください。
まずは平成22年度。
次に、平成30年度。進化した問題たち。
「いやいや、平成30年度の問題はマークシートで選択ばっかりじゃん」と思われた方もいらっしゃると思いますが、それを踏まえても、答えを出すまでの手続きがだいぶ複雑化している分、難化している印象です。
平均点は、平成22年度が31.2点(100点満点換算だと62.4点)。平成30年度が56.0点です。前述もしましたが受検者の母集団が少し違うため、妥当といえば妥当でしょうか。
分布図はこうなります。まずは平成22年度。
平成30年度はこちら。向きが逆なのに注意。
波の出来方は似ていますね。最後に、正答率表も載せておきます。ここまで来ると誰向けの記事なのかわかりませんが、せっかくなので。
平成22年度。
平成30年度。
全体では若干平成30年度のほうが正答率が低い感じ。
そう、僕が平成22年度の過去問を入試前にあんまり使わない「ある理由」とは、「簡単すぎる」ということです。一部の生徒に基礎の確認がてら実施する分には最適ですが。
そして、これを見て率直に感じたのは、最近の若者、頑張ってるなぁということ。
語弊がないように付け加えておきますと、平成22年度の受検者たちが頑張っていないというわけではなくて、単純に試験の難易度が上がっているわけですから、「大変だなぁ」という具合の意味合いです。
試験問題の難易度が上がっているということは、それだけ練習でも難問に取り組まないといけないってことですからね。
ちょっとだけ目の前の生徒にやさしくなれそうだなと感じた出来事でした。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな。