インフレがやってきた
1、 要旨
世界中で食料品を中心に値上がりが起きて、中東では既存政権が崩壊した。
日本も物価上昇が始まった。電力料金・ガス料金は2011年7月より値上がりしてきている。
衣食住の生活に不可欠なものがまずインフレになっていくだろう。インフレが進めば国債の暴落は必然である。以下に私が考えているマクロでの資産防衛策を記す。
2、 国債暴落近し
(1) 日本国債
買い手がいなくなった。現在は日本銀行だけが買っている状況になった。
「債券の仕組み」:債券の利率は発行時に決まり、その後に変わることは無い。例えば「10年利付国債、額面100円、年利1%」というように発行条件を提示します。その債券は売り買いができます。「新規国債の利率1%」と「古い国債の利率2%」があったとすると当然古い国債を買うので古い国債の値が上がる仕組み。およそ、金利が1%変動すると国債価格は4%変動する。
(2) 米国債
米国債はFRBが7割、日本・中国で3割を購入している。FRBは購入を中止し、むしろ出口戦略を進めている。
(3) ユーロ債
ギリシャから始まった国家破産がアイルランド・ポルトガル・スペインへと波及し、現在イタリアまでもが危うくなってきた。イタリアはユーロ圏で第3位のGDP国である。
3、 資産防衛法
(1) 金(ゴールド)が最も安心できる資産。
今や世界中の中央銀行が金を購入開始した。2010年の金の最大の購入者はメキシコ中央銀行だった。中国も国民に金の購入を奨励してきている。インフレに強いのが金。コインなどの換金しやすい方法で持つのがベスト。
(2) 株式で保有する方法も悪くない。
これから起こる通過不安も考慮に入れると、必需品を扱う企業の株式を保有する方法も資産防衛になる。食品業・非鉄金属業などは安心できる資産防衛法。日本の場合は震災の復興があるので、建設業も悪くない。しかし、企業の倒産はいつでもありうるので、倒産の可能性の少ない株式を選ぶこと。
(3) 通貨で持つなら、しばらくはドルになるでしょう。
債券の暴落が世界中の通貨不安を起こします。そのときに最も信頼がある通貨はドルです。
(4) 不動産で持つのも悪くはない。
インフレ対策にはなるが、混乱時には流動性がなくなり売却ができなくなることもある。