十二支~辰年の話~
来年は辰年ですが、辰という文字はご存知の様に「龍・竜」とも書きます。
中国や英語圏から言えば空中を舞うドラゴンを差します。
竜は天をめざしますので縁起がいいとも言われますが、これが恐竜ともなると実在故に、想像上の生き物とは違ってきますし、ドラゴンの様に、めでたい話にはなりません。
そもそもが干支に出てくる動物自体がそれぞれの人生上にもたらす運命を表しもするので、恐竜などが干支のひとつに加わるわけはないでしょう。
同じ竜でも、洋の東西によりその思考形態は異なります。
中国の竜の様に東洋の竜は神や皇帝に関係したものですが、西洋では、ただの怪物です。しかも、恐竜も西洋人には同じ思考の範疇になり、すべて怪物です。とはいえ、近年の恐竜発掘と研究の進化により、より一層の脚光を浴びて映像化されます。※1
この辰年には、昔から大きな事変・自然災害なども起きることが多い干支でもあります。
世界史・日本史に目をやれば・・・
476 西ローマ帝国滅亡
800 富士山噴火
1136 日本大飢饉
1580 疫病流行
1592 秀吉朝鮮出兵
1628 江戸にて大地震M6
1652 蘭英戦争始まる
1724 大阪の大火
1772 江戸の大火
1868 戊辰戦争・明治維新
1904 日露戦争
1916 ポーランド独立
1928 第1回普通選挙法に依る衆議院選挙
1940 日独伊三国同盟
1952 血のメーデー事件
1964 新潟地震・東海道新幹線開通
1976 天安門事件・ロッキード事件
1988 北海道庁爆破事件・青函トンネル開業・瀬戸大橋開通・ソウル五輪開催(平成大不況)
2000 三宅島噴火・自衛隊イラク派遣・シドニー五輪開催
2012 ロンドン五輪開催・東京スカイツリー開業・消費税法成立・オスプレイ沖縄配備
勿論,良いことも悪いことも、いつの年にもあるものなので、この年だけがという事はないのですが、年によって悪いことが多い年もあるという事です。
因みに、辰年生まれの歴史上の有名人としては・・・
日本では、足利義政、徳川家光・光圀、葛飾北斎、原敬、松岡洋介、徳富蘆花、横山大観、芥川龍之介、渥美清など、外国では、マッカーサー、パールバック、ニーチェ、ナイチンゲール、ベルレーヌ、ジャンヌダルク、カント、らも名を連ねます。
今やyoutubeからも、彼らの情報をビジュアル的にみることができます。
その中の徳富蘆花は、明治大正の作家ですが、彼の著「みみずのたはこと」※2の中の有名な名言の一文があります。
「欠点は常に裏から見た長所である」
物事は裏表が常にあるもの、人には長所も短所もあるので、良いほうに考えることも大切だというわけです。
年末年始というのは、「歴史」を考えるには、最適な時期とも言えます。
さて2024年はどのようなことが起きるでしょうか。
※1十二支については南方熊楠「十二支考」が、有名です。この本は、平凡社の東洋文庫全集にしかないかもしれません。
※2徳富蘆花(健次郎) 随筆集「みみずのたはこと」(岩波文庫他)