始まりの地 香港とマカオへ② 2023.12.09 13:49 空港からバスに乗り、地下鉄のターミナル駅に到着。そこから地下鉄に乗り、市街地へと向かった。ゲストハウス最寄り駅の手前2駅で下車。いよいよ香港の街だ。「ネイザン・ロード」と呼ばれるメインストリートに出口は面していて、駅を出た瞬間から喧騒が始まる。 空まで伸びている、というような形容の似合うひしめきあうビル、マンション。1階はほとんどが店舗で、歩道は行き交う人々でいっぱいだ。冒険心が一気に刺激され、脳内にアドレナリンが満ちていくのが分かる。人の流れに乗って歩くために、散歩のようにのんびり周囲見る余裕はないが神社のような階段を見つけたため、登ってみると、確かに神社なのだろうが小さな境内ではおじいさんらがそこかしこに集まって、なにやら将棋のようなゲームに熱中している。どうやら、そういうコミュニティが出来ているようだ。時刻は17:00 しばらく眺めていたがルールもわからず、まずはゲストハウスにチェックインして一息つきたいためそこを後にした。私はバックパッカー旅では、事前に念入りに行動考えたり、電車、バスなどの乗り方を調べたりし、それをベースに現地で臨機応変に対応していく旅スタイルで、それが旅の不安を打ち消す自信になっているのだけど、今回、久々に「やっちまった」ことがある。事前に日本で香港で使えるsimカードを買って持っていったのだけど、そのカードは使用前日に「使用申請」を申し込まないといけなかったらしく、香港空港に到着後、焦ってしまった。説明書にはしっかり書いてあったのに、香港が日本から近くて公共交通機関も発達していて、今回は都市間移動もマカオへの一度きりのため準備に余裕が生まれてしまったのだろう。なので、今夜のゲストハウスへのグーグル案内ができず、万が一のため、とゲストハウスのマップのスクショをしておいたことが救いだった。加えて事前準備の記憶を頼りに歩いていく。超繁華街の立地であるがビルの上階のため静か、中も綺麗、という日本人の口コミを見て決めた宿。難点はあまりにもビルがひしめき合っているため、どれが入口なのかさっぱりわからないということ。実際、かなり迷った。確かに位置はあっているが、看板もなく、それがどのビルなのか、まったくわからない。初日の宿にたどり着くまではいつも不安がある。10分ほど繁華街のビルの間をうろうろ。やばいなあ、ネット使えないし、宿に連絡もできない。とにかく手当たりしだい入ってみようと決めて、店舗ではない1階の入口を入り、進んでいくと受付のような場所におじいさんが座っている。管理人だろうか。ダメ元で英語で聞いてみると、なんと英語で「ここの〜階だ。そこがエレベーターだ。」と教えてくれた。助かった・・・。みつけた・・・。エレベーターの前にくるとようやく「アーバンパックホステル」の矢印を見つけることがでいた。 なんで外に看板ないんだ〜。宿はビルの一室を使っているようだ。インターホンを押すとレセプションにつながり、スタッフが出てきてくれた。 流暢なアメリカ英語を話し、気さくな人でほっとした。欧米人が何人もいて、ここが今日の宿かと思うと緊張したが、どうやらこの一室ではないらしい。チェックインをしながら、「部屋は隣のビルなんです」という説明を受けた。「着いてきてください」との声に、またエレベーターで1階まで降りる。「香港は初めてですか?」とか話題をふってくれたり、「看板が出てなくて迷いました」と言うと、「ごめんなさい。コロナでお客がまったく来なくなって一度、看板を外したんです。付けなくちゃとは思っていて。」と申し訳なさそうに言う。一度、繁華街へ出て、路地を一本はさんだ隣のビルの階段を登っていく。おそらく普通の集合住宅なのだが、その一室を借りて宿としているようだ。「中はまだ少し工事中で、でもトイレとシャワーは使えます」とのこと。コロナで部屋数も減らしたが、ようやく世界的に人が動くような時期に入り、再び追加で部屋を用意しているところなのだという。今回、本当に久しぶりのドミトリー(相部屋)のベッドを予約した。狭くても個室じゃないと寝られないタイプなのだけど、この宿は評判が良いこと、一泊が安いことに惹かれた。ラッキーなことに、他に宿泊客がいないとのことで二人部屋、二段ベッドを一人で使わせてもらえることになった。しかもどうやら、気を利かせてなのかどうかは分からないが、他の部屋のベッドもアジア人で、日本人も連泊しているとのことだった。寝床にたどり着き、一安心したところでsimカードの設定をしなければならない。宿のwifiを使ってあーだこーだやったが上手くいかず、通信会社に連絡するとありがたいことに迅速に返信があった。当日設定でも最短2時間で接続できるとのことだが、確約はできないとのことだった。そんなことをしていると、先程のスタッフが他の客を連れてやってきた。日本人男性だ。隣の部屋のドミトリーとのこと。こちらも他に客がいないため、一人で使って良いとのこと。彼はSさん。台湾で一泊してから香港にきたとのこと。お互い、気分も荷物も落ち着かせたところで、夕飯を一緒にすることになった。まずは「100万ドルの夜景」と呼ばれる香港の夜景を見にいく。徒歩3分。この宿は絶好の好立地だ。都市の夜景という近代的なもの興味があまりないため、そういった意味では感動することはなかったが、テレビでみたことがある場所、そこへ入念な計画の上にやってこれたという事実に感動する。そういえば、SNKの超名作格闘ゲーム「餓狼伝説スペシャル」のチン・シンザンのステージは香港だった。毎晩8時から光のショーがあるらしいが、まだ7時30前だったので、近くの中華料理屋に入る。混雑していて料理が出てくるまでに30分以上待つ。「本場」なのかはわからないが、チャーハンが確かに日本のそれは違うが抜群に美味い。 Sさんとお互いの旅談義を交わしていると、すでに8時20分になっていて、光のショーは終わってしまっていた。そういえばSさんも「深夜特急」を読んでいるとのことで、始まりの地、そして最初の舞台である「チョンキン・マンション」と呼ばれるビルに行ってみることにした。ここには多くの安宿が入っており、バックパッカーの聖地とも呼ばれていて、私も最初は当然のごとくここのどこかの安宿を取ろうと探していたが、どこも衛生的にはよろしくないらしく、加えて窓もない。しかもビル内に入っても目的の宿にたどり着けないほど入り組んでいるらしい。 そういった理由で私は断念し、Sさんはすでに見にいってきたとのことで連れていってもらった。入口を入ると1階はインド人らしき人たちが店を構えていて、カレー屋、薬屋、電気用品など雑貨屋、なんでもあった。Sさんは香港用の変換Cプラグを持ってき忘れたとのことで、私と会う前にここを訪れ、雑貨屋で買ったらしいが、値段を聞いて驚いた。中華製の安物を1500円ほどで買ってしまったらしい。ちなみに日本ならダイソーで110円で買える。奥に進むとエレベーターが2基あったが、どちらもバックパッカーらしき欧米人が10人以上並んでいた。何百人、あるいはそれ以上いる住人、宿泊客をこれだけのエレベーターでまかなうのは難しいと予想された。チョンキンマンションを出たところで、Sさんとは一体別行動に。私は土地勘をつかむために宿の周辺の路地や大通りを歩き、疲れがたまらないうちに宿へ戻った。シャワーを浴びたり、荷物の整理をしているとsimカードが使えるようになっていた。これで機動力が増す。部屋の壁は全面ガラス窓で、遅くまで眼下の通りには人の通行が見て取れた。香港へ来たんだ。思わず手に力が入る。やりたいことをする、ということがこんなにも嬉しく、生きている実感が湧くのだと再認識をして、その日は眠りについた。