#1 暮らし方リノベーター座談会
2017年4月にスタートした「YADOKARI×公社二宮団地 暮らし方リノベーション」
団地を拠点に二拠点生活を楽しんだり、部屋をセルフリノベーションしたり、地域の人々と交流したり、趣味を楽しんだり……。
体験ライターの方々が二宮団地に実際に住み、普段の生活を1年にわたり記事にして紹介しました。
今回サイトが新しく変わり、二宮団地で暮らす3組4人が"暮らし方リノベーター"として"さとやまライフ"を紹介していきます。
あらたに始動するにあたり、二宮団地での生活や今後書きたい記事などをメンバー全員で自由に話しました。
■暮らし方リノベータープロフィール
チョウハシトオル
神奈川県の西部(西湘地域)を中心に店舗やリノベーションの設計・施工をする傍ら、冬季は”やきいも日和”という焼き芋屋の店主をしています。
岸田 壮史
セルフビルドを取り入れた設計・施工を行うテノアト設計工舎を運営。「自分でつくる豊かな暮らし」をテーマに西湘・湘南地域で住まいづくりを中心とした活動を行っています。
福井尚子・高志
東京から引っ越してきた夫婦。ワークショップで部屋をフルリノベーションしました。高志はベンチャー企業で働き、尚子はフリーでライターや編集の仕事をしています。
二宮団地での生活
高志
5月に都内から二宮団地に夫婦で引っ越してきました。普段は家で、週2回くらい自分も妻も東京へ行って仕事をしています。夕方には近くのスーパーに買い物に行ったり、団地内をジョギングしたり。坂が多いから、短い時間でも結構汗かけますね。
岸田
普段は家でデスクワークの時もあれば、現場仕事の時はずっと現場にいます。通勤が無いから運動不足になりがちで、僕もジョギングを始めました。料理や家事など、手仕事も始めてそれが楽しくなってきましたね。仕事の合間にぬか床を作ったり、梅を干したり、干し網を作ってベランダで野菜を干してスープを・・・。一人で楽しんでます(笑)この前は初サーフィンを大磯で。教えてくれるところがあって、せっかく海が近いので、体も動かせるし何かやってみようと。海ってすごくいいなと改めて思いました。海にまつわる何かが生活に根付いてきて続けられるといいですね。
チョウハシ
普段の生活としては仕事に関する打ち合わせやデスクワークを自宅でやったり、現場で身体を動かしたり、まちまちです。家から出ない日は歩いて西友へ買い物に行くこともあります。近所に生えている野草を使ってヨモギ団子やつくしの佃煮など手作りするのも好き。うちも梅干し干さなきゃなって感じです。
住むきっかけ/よかったなと思うところ
チョウハシ
前は実家暮らしだったけど、次住むところは自分でリフォームできるようなところに住みたいと思っていたんです。二宮はそれまでは通りすがる程度で知ってる人も少なかったけど、セルフリノベーションできるって聞いて住んでみようと思いました。
岸田
独立して設計事務所を開業する際に二宮団地の話を聞いて、自分でリノベするチャンス!と思いました。でも最初は奥さんが渋ったんですよね。
高志
奥さんをどう説得したんですか?
岸田
「これは仕事だから!」って説得しました(笑)でも奥さんの勤務地も平塚なので通勤も楽になりましたし、今は二宮の暮らしがとても良いと言ってくれています。
高志
僕たちはDIYをしてみたかったので、DIYができる賃貸、というのが決め手でしたね。それから何度か二宮に遊びに来るうちに、コミュニティがある暮らしっていいなと思って。
尚子
以前住んでいた東京の家はコミュニティがないことに寂しさを感じていたんです。だから、団地内とか、たびするくまとか、いつもの生活の中で顔見知りに会えるというのが嬉しいです。その他に良いところは、見晴らし。空が広い!
岸田
朝起きたとき北側の景色が気持ちいいですよね。僕は二宮に住んで物を買わなくなりました。振り返ってみると、引っ越す前は何でも物が揃うから物を買い続ける生活でしたね。ここは言ったら何もない。でも、無駄な消費をしなくなったようにも感じます。今は野菜をどうおいしく加工するか、それが楽しいと思えます。
チョウハシ
たしかに、ほんと出かけても買い物はしなくなりましたね。東京に行くと人が近くてびっくりしちゃう(笑)今までも同じ中郡で仕事をしていましたが、二宮に引っ越してきて、さらに新しい友達が増えました!僕と同じような個人事業者が多いから今日は誰のお店に寄って帰ろうかなって考えられることがいいなって思います。自分の知り合いの店を回るだけで楽しいですね。
高志
地域に入っていって、知り合いをつくるまでが大変ですよね(笑)
チョウハシ
地元の輪に入るのに手っ取り早いのが仕事かな。何でもいいから誰かの困りごとに関わるとか、やり取りがあるといいね。僕もそういう意味で焼き芋屋をやってて良かったと思ってます。
不便だなと思うところ
チョウハシ
近所に美味しいお店や箱根の温泉とかあるけど、やっぱり車がないと不便かな…。
高志
駅から遠いし坂があるから、スーパーへ行くだけでも大変で。車があれば便利ですよね。僕たちは車を持ってないので、今は自転車で頑張っています!それから東京では徒歩圏で生活が完結していたけど、二宮では電車に乗らないと完結しないですね。ふらっと立ち寄れる本屋がないとか、地味に不便(笑)
尚子
駅前にスーパーがあったらいいなと思います。バス利用者にとっては、買い物をするには団地の手前にあるスーパーで1回降りる必要があって。駅前にあったら、買い物をしてそのままバスに乗れるのになーって思いますね。買い物がしんどくて、最近生協の会員になりました。運んでくれるし、いなくても置いておいてくれるし、車がないなら生協はオススメです。
岸田
二宮駅の南口には八百屋や肉屋はあるんですよね。
チョウハシ
団地行きのバスは北口のターミナルから出るから、あまり行く機会ないかな…。
岸田
僕は車ユーザーなので、買い物は車で西友やビッグやロピアをはしごしています。日用品、食品、だいたい揃いますね。あとは、かあちゃんの店へ。
チョウハシ
車がないと選択肢が限られますよね。やっぱり車社会は否めないです。
高志
団地でシェアできる車があるといいなー。
チョウハシ
ほしいって言っていれば車くれる人が出てきそう(笑)僕は1年暮らして不便と思うことはあまり出てこないかな。坂があるけど・・・景色は良いし!みたいな。
岸田
僕はストレスに感じそうなことは最初に無くしてしまうんですよね。エアコンもつけたし、仕事も近くで出来て、あまり不便は感じてないかな。ここで住むには家や近所で仕事ができるとか、車があるとか、そうした生活の条件がある程度揃っていないと難しい部分もあるかもしれないですね。
よく行くお気に入りの場所
尚子
団地の中だと、コミュナルダイニングは集まれる場所になってて良いですね。他はまだあまり開拓できていないかな。
チョウハシ
僕は団地の中だと共同菜園かな。今はさつまいもや大豆を育てていて。たまに草むしりもしてます。菜園は本格的にやりたいな。
岸田
団地の中は選択肢が・・・。周辺で言うとかあちゃんの店、あそこばっか行ってる(笑)かあちゃんの店は野菜がおいしいし、安いし。それか団地中央のバス停横のわくわく広場。そうした野菜の直売所は、好きでよく行きますね。
チョウハシ
小竹・川勾神社に向かう道は歩いていると気持ちいい!牛もいますよね。
岸田 二宮産の落花生とか、ヤマシタのパンは誰にあげても喜ばれますね。手土産になるものが二宮は充実しているなって。
チョウハシ
渡邉商店の落花生。買いたいんだけど、一人で食べきれないから今度シェアしたいな(笑)
岸田
魚屋はどうですか?
チョウハシ
魚広(かあちゃんの店の先)が美味しいらしいよ。西友と駅の間にも魚屋あるね。ロピアの魚は評判いいですよね。
岸田
ロピアは肉も安いし良いですよ。
高志
肉なら肉の清水も!駅から歩ける範囲にあるのがいいです。お惣菜やサンドイッチの種類も豊富で、電車で出かける前に寄って買うのが僕の楽しみです(笑)
団地の廃止棟について
高志
何か用事が無くてもふらっといけば誰かに会える、コワーキングスペースみたいな。そんな場所が団地内にぽつぽつとあったら、より交流が生まれていいかなと思いますね。あとはリノベーション用の機材があって、作業ができる部屋は近くにあると便利!それから、ジム、体を動かせるところ。ヨガやったり、倒立したりとか(笑
チョウハシ
シアタールームみたいなのがあったらいいですね。集合住宅だと近隣への音が気になるので、何時でも大音量で見られるような部屋があるといいかもしれない。あとミシンのある裁縫スペースとかもあったらいいな。
岸田
養鶏とか養蜂とかをやってもすごくいいと思う。
高志
鶏をみんなで飼うとかいいですよね。
岸田
浄化槽の跡地に鶏小屋を作るとか。
チョウハシ
鶏は鳴いたり、臭いもするだろうけど、生き物を飼うのは面白いよね。西側の斜面にホップを育てて団地ビールとか。草刈のために刈掃機じゃなくてヤギが歩いているとか。
岸田
17号棟前の広場で放牧的な。
団地や町の今後について
チョウハシ
今、お食事会議でもビジョンマップを作ろうとしているから、そのマップが今後の団地像になるかなということはありますね。
尚子
二宮のことを考えたら、二宮といえば!みたいなものがあるといいかなと思ったりします。産業がないと生き残りが難しいんじゃないかな。もちろん何もない良さもあると思うのですが。
チョウハシ
greenz.jpの記事も読んだけど地域通貨とかもやってみたら面白いのかもしれない。交流やセーフティネットにつながりますよね。それから東大果樹園跡地も徐々に動き出すから、今後はできることが増えそうだよね。
尚子
以前参加した、跡地利活用検討会も熱い方がたくさんいましたね。
チョウハシ
検討会に参加しているような人は二宮の何かを気に入って、選んで住んでる人が多いから、それだけ思いが強いよね。これからは、団地のある百合が丘の人と接する機会が増えるといいな。住民の人にもきっといろんな能力を持っている人がいるから、味噌作りとか洋裁とか教えてもらうのもいいよね。
岸田
そういう人たちの中には、団地を出て百合が丘に家を建てて生活をしている人もいると思うんですよね。僕も子どもが出来て部屋が狭くなったとしても二宮に住みたいなと思っているので、そういう話を聞いて、先の生活を描いていけたらいいなと思います。
リノベーターとしてやってみたいこと
チョウハシ
まず、今育てている大豆が収穫できたら、味噌をみんなで作りたいですね。
高志
ビール造りもしたいです!来年の春にホップを植えないと。
チョウハシ
いいね。誰かに決められるわけじゃなく、気が付いたら自分が担当になってやっている、くらいが面白いよね。
高志
それから小屋も作りたいな。二宮にはあまり宿泊場所がないので、友達が来たときに作った小屋に泊まってもらえたらいいなって。
岸田
今年の春が初めてのDIYだったと聞いてるけど、もうDIYは抵抗なくできる?
高志
そうですね、材料と機材さえあれば、という感じですが。今は部屋をリノベーションした余りの材料があるので、それを使っていろいろ作っています。
チョウハシ
道具も自分で揃えたらって考えると大変だから、シェアできるといいよね。
二宮団地での生活を振り返ってみて
尚子
消費する暮らしじゃなくつくる暮らしになっていますね。例えば梅ジュースを作ってみようとか。家で仕事をしているので、そういうことをする余裕が暮らしにあります。
岸田
周りにないから、自分でやっちゃえ的なね。そういうのが好きな人、聞ける人がたくさんいるからいいよね。
チョウハシ
どこで何を買おう?から、どう作ろう?と考える側になると、材料や作り方に気が行くようになりますよね。
岸田
店で家具とか見てても、どう作ってるんだろう、自分で作れるんじゃないかって思います(笑)
どんな記事を書いていきたいか
岸田
これからは、こうした自分でつくる生活ができる人、したい人に向けた尖った記事を書きたいですね。そのためには普段の生活をそのまま伝えたいです。
チョウハシ
入居者が集まって何かしてみた、みたいなのがあると面白いかな。外に出かける企画も面白そうですね。例えば、団地博物館とか、県内の他の団地を見に行くとか。
尚子・高志
私たちはやってみたシリーズかな。二宮に来たからできること、やれることを記事にしたいです。車を持っていなくてもここまでできる、みたいなことにも挑戦したいな(笑)
いかがでしたでしょうか??
二宮団地に住む暮らし方リノベーター3組の生活を少しは感じていただけたでしょうか。
これから、二宮での生活をどんどん発信していきます!ご期待ください!!
(座談会はコミュナルダイニングにて行いました。)