タイ映画「La La Boy / ラ・ラ・ボーイ」（2023年）超おすすめ キャストとあらすじ
おすすめ度：★★★★★ 人生はそれぞれ目標の異なるマラソン！
タイ映画「La La Boy / ラ・ラ・ボーイ」（2023）を観ました！成績優秀だけどダサくて冴えないスキニー（ジョイ）と、やんちゃだけどスポーツ万能で明るくみんなの人気者エックス。片想いの女の子ドリームを振り向かせたいスキニーが、どうすればモテる男子になれるのか、試験対策と引き換えにエックスに教えてもらいながら成長していく青春ドラマ。高校生活最後のマラソン大会でのゴールを目指しながら、正反対の２人が人生で一番大切なものは何かを学んでいく最高に素敵なストーリー。
スキニーとエックス：正反対の２人
高校３年生のスキニー（ジョイ）は成績がトップクラスの「ガリ勉」。タイのトップ校チュラロンコン大学工学部を目指して、勉強に集中する毎日を過ごしていた。色白で痩せっぽちの彼はクラスメイトからは「スキニー」と呼ばれ、エックスからは「四つ目」と丸いメガネ姿をからかわれていた。
ある日のこと、いつものようにエックスにからかわれていたスキニーに「大丈夫？」と優しく声をかけてくれたのが、バンコクから引っ越してきた女の子ドリームだった。スキニーはあっという間にこの都会的な雰囲気の美少女に一目惚れ。この瞬間から、友達もロクにいなかったガリ勉スキニーの高校生活が、予期しない方向に動き始めます！
日に日にドリームに夢中になっていくスキニーは、すぐにドリームはエックスのことが気になっていることを知る。スポーツ万能でクラスで人気者のエックスは、かっこよくて、勉強は苦手だけど、いつも明るく周りを盛り上げていた。
どうすればエックスみたいになれるのか…。
勉強以外のことはさっぱりわからないスキニーは、ためらうことなく直接エックスに相談。ランナーでもあるエックスは、伝統行事のマラソン大会への出場条件であるテストの成績を気にしていて、そのことを知っていたスキニーは試験対策を交換条件に、エックスから「イケてる男子になる方法」を教えてもらうことに。
こうして、ドリームを振り向かせるため、スキニーの改造計画が始まった！
頭のいい「のび太」みたいな風貌のスキニー役を演じているのはアース・アティクン・アドゥルポカトーン（Earth Atikhun Adulpocatorn）。やんちゃだけど爽やかハンサム好青年のエックス役はモースト・ウィットサルット（Most Witsarut）。2人ともこの映画で初めて見る俳優さんでしたが、役のハマり具合がとってもイイ！
スキニー改造計画
エックスの指南を受けて、憧れのドリームとの距離を少しずつ縮めていくスキニー。みんなでピンポン玉で遊んだり、一緒に見回りの先生から逃げたり、毎日がときめきでいっぱいで、キラキラと輝いていた。
「スポーツしかできないバカなヤツ」だと思っていたエックスは、実は「友達思いの優しいヤツ」だった。優等生のスキニーにとって、授業と教科書と図書館がすべてだった学校は、もっともっと大事なものがたくさんある場所へと変わっていった。
やればできる
スキニーがどうしてもやりたかったことのひとつが「マラソン」だった。学校では毎年マラソン大会が開催され、高校３年生にとっては卒業前の最後の伝統行事になっていた。体力がなく、長い距離を走ることができなかったスキニーは、ランナーでもあるエックスの後を追いかけ、少しずつ走る距離を伸ばしていった。
マラソン大会への出場をかけた予備選では、なんとか目標時間をクリアし、参加資格を得ることがでいたスキニー。途中で投げ出さずに、最後まで自分を引っ張ってくれたエックスに感謝した。
やればできるーー。勉強以外のことで、少しずつこの言葉の意味がわかりはじめたスキニー。気づいた時には、すでにエックスとは「親友」になっていた。
友情か恋愛か
しかし、そんな２人の友情を恋心が踏み躙る…。ある日、ドリームとエックスが一緒にいるところを目撃してしまったスキニー。エックスがドリームに言い寄っていると思ったスキニーは、自分の気持ちが踏み躙られたと感じてしまう…。ささいなことからあっという間に友情にヒビが入ってしまったスキニーとエックス。歯車が大きく狂い始めてしまった…。
学校一の成績で工学部に進学するはずだったスキニーの成績は、いつの間にが下がっていた。このことがさらにスキニーを追い詰めた。テストの日、どうしてもいい成績を取りたいスキニーはカンニングをしてしまう…。
さらに悪夢がスキニーを襲う。用意したカンニングペーパーを床に落としてしまい、先生に見つかってしまった。「誰がやったのか」と問い詰める先生に、黙り込むスキニー。そして、カンニングを名乗り出たのは、なんと後ろの席に座っていたエックスだった。
「濡れ衣」のカンニングが原因で停学処分になってしまったエックスと、それがきっかけでみんなから後ろ指を刺されるようになったスキニー。ひとりぼっちになって気づく自分の愚かさ。そして、終わりのない後悔。変わらなければいけないのは、他の誰かではなく、自分なのだと、スキニーは知る…。
人生はマラソン大会
高校最後のマラソン大会。先陣には大きく突き放されながらも、あきらめず、ゴールを目指して走るスキニーがいた。ゴールまであともう少し…倒れそうになりながら走るスキニーの前に現れたのは、エックスだった。
何が正しいのか、自分はどうすべきか考えたスキニーは、先生にカンニング事件のすべてを話していた。テストの成績も、工学部への進学も、片想いのドリームも、スキニーは手に入れたいと思っていた大事なものをいくつも失ってしまった。
でも、一番大切にしたかったのは、正直に生きること、そしてそのことに気づかせてくれたエックスとの友情だった。
人生はマラソン大会のようなもの。速くゴールする人もいれば、自分のペースでゴールする人もいる。目標は人それぞれ。同じである必要なんかない。大切なのは、自分のゴールをしっかりと持ち、そこに向かって走り続けること。そして、がんばった自分を褒めてあげること。
大人になるにつれて、忙しさと共に忘れてしまいがちな大切なことを教えてくれるタイ映画「La La Boy / ラ・ラ・ボーイ」。「ラ・ラ・ランド」を彷彿とさせるちょっとふざけたタイトルですが、最初から最後まで青春でいっぱいの超おすすめ映画です！
あわせて観たい作品
「ラ・ラ・ボーイ」を観ていて思い出したのが、GMMTVのタイドラマ「My Dear Looser: Edge of 17」（2017年）。あの大人気俳優ナノン・コーラパットが冴えないいじめられっ子の高校生オーを演じている青春＆学園ドラマ。まさに「のび太」みたいなオーが、憧れの女の子を振り向かせるために、背伸びしながら成長していくストーリー。超おすすめのドラマ作品。