「恋のハレルヤ」は一人GS?一人ビートルス・サウンド!?
2018.10.10 13:21
67年2月発売、黛ジュンの「恋のハレルヤ」
(作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦 編曲:中島安敏)
歌謡曲といえばオーケストレーションなサウンドが主流だった60年代、女性歌手初?の8ビート・ポップス、いや一人ビートルズといっても過言でない位の曲が誕生した。しかもまだGSがブームになる前の作品である。 ドラムを全面的に押し出したいわば最小限のバンド・コンボが逆にグルーヴ感を出している。サビにはオーバータブによるひとり二重奏も活気的。作曲の鈴木氏はその後レコード大賞と受賞する「天使の誘惑」や黛が強力に推薦したゴールデンカップスの曲を手掛けることになる。 ディレクターは洋楽部でビートルズ担当、販促活動を行い邦題の名付けの親でもある高嶋弘之氏が邦楽部で最初に彼女を手掛け、この曲のヒットとGSブームの到来により、ビート・サウンドを取り入れたガールポップが多数誕生することになる。
なお、GSの中で一番最初に解散したといわれる"ブラック・ストーンズ"がジャケットに演奏者と記されているがメンバー自体の演奏かどうかは微妙なところのよう。3枚目のシングル「乙女の祈り」あたりから"最強のリズム隊"と呼ばれるレコーディング・スタッフの石川晶(Dr)、杉本喜代志(Gt)、江藤勲(B)が中心にバッキングを務めるようになり、奥村チヨをはじめ東芝系や筒美京平氏の楽曲でも彼らの演奏を聴けるのも一つの楽しみである。