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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

Evidence Based Crinical Reasoning by Physical Therapist(理学療法士によるエビデンスベースドの臨床推論)③

2018.10.11 22:16

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


何回かに分けて理学療法士の診断、クリニカルリーズニングに関して書いています。 

前回の記事です。


このシリーズで、下記の項目に関して書きます。 


1. 『診断』と『クリニカルリーズニング(臨床推論)』とは何か? 

2. リハ専門職は診断を行うか? 

3. リハ専門職の『クリニカルリーズニング(臨床推論)』はどんなものか? 

4. 私が感じていたリハ専門職の『診断』と『クリニカルリーズニング(臨床推論)』に対する違和感。 

5. 以上を踏まえて、私がどのように考えたか 

6. 具体的な疾患を例に挙げた説明 



昨日は、4の途中で終わってしまいました(*_*;。。。 


今日はその続きから書きます。 


・医師のクリニカルリーズニングとPTのクリニカルリーズニングの違い 

一方、PTのクリニカルリースニングには決まった形はありません。 なんとなく、『腰痛にはこの評価項目』とかはありますが、全国的に一致した『評価項目のセット』はありませんし、各評価項目の重み付けも各施設、もっと言えば各個人の裁量に任されています。『姿勢』の評価を重要視する人もいますし、『体幹筋力』に重きを置く人もいます。 つまり、『推論』ですので、同じ患者さんの同じ動作を診ても、各セラピストの判断は一致しません。ですので、当然選択されるリハビリも一致しません。 


では、複数の担当者がいて、治療方針が一致しない場合、どのようなことが起こるかと言えば、声が大きい(経験年数が長かったり、職場内での影響力が大きかったり)リハ専門職の意見が採用されるか、各担当者の治療方針に他の担当者は口出しをしません。


これは私の10年間の経験に基づいたものなので必ずしも全ての病院・施設で当てはまるものではないと思いますが、多くの病院・施設ではそうなのではないかと思います。 


もちろん、痛みや機能障害の原因が一つであるという保証はないので、治療法の選択を含め、各担当者間でばらつきがあることは問題ないと思います。 ですが、ここにエビデンスや確率の話が入ってこないと、ただの推測でリハビリが進められてしまいます。 



自分自身への戒めを含めて言うと、 多くのリハ専門職は、『クリニカルリーズニング』と言い訳しながら、自分自身の好み・経験・直感でリハビリメニューを決定しがちです。 


結果、状況としては、 


① 正しいかわからないモノサシ(性能が明らかにされていない検査)で測って、

    ↓ 

② 効果の明らかになっていないリハビリをして、

    ↓ 

③ また正しいかわからないモノサシで測りなおす。 


これでは、何が良かったのか?悪かったのかがわかりません。。。 

上手くいかなかった(症状が改善しなかった)場合、『なぜだろうか?』と振り返りを行いますが、ここにもエビデンスとか確率という観点が入っていなければ、その振り返りすら正しいか否かがわかりません。


 もし、『自分は、エビデンスとか確率とかのことを考えなくても、きちんと正しいかどうかわかるよ。』と自信を持てる方は、下記の記事を読んでいただけると幸いです(^o^)/ 


 結果、ドンドン自分の思い込みが強くなっていってしまう。

自分があらかじめ持ってしまっているバイアスからは基本的に自分一人の力で逃げることはできないので、ドンドン自分の思い込み(バイアス)を強化する方向に思考は囚われてしまいます。 


長くなりましたので次回に続きます。 


今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 理学療法士 倉形裕史 







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