ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~文化庁主催海外展~「縄文-日本における美の誕生」展(於フランス・パリ)の開催
このたびの平成30年 7月豪雨、9月台風並びに北海道大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
文化庁は,平成30年10月17日から平成30年12月8日にかけて「ジャポニスム2018」としてフランス・パリの日本文化会館おいて「縄文―日本における美の誕生」展を開催します。
今年夏に東京国立博物館で開催された特別展「縄文-一万年の美の鼓動」を再構成し,縄文時代の美を体現する国宝火焔型土器をはじめとした土器に加え,土偶や装身具など,国宝や重要文化財を含む縄文時代を代表する造形を展示します。
本展は,1998年にパリで開催された「JOMON」展から20年ぶり2回目の開催となります。
国宝「土偶」(仮面の女神)
「仮面の女神」の愛称をもつこの土偶は、茅野市湖東(こひがし)の中ッ原遺跡から出土した、全身がほぼ完存する大形土偶です。全長は34センチメートル、重量は2.7キログラムあります。顔に仮面をつけた姿を思わせる形であることから、一般に仮面土偶と呼ばれるタイプの土偶です。今から約4000年前の縄文時代後期前半に作られました。
遺跡のほぼ中央にある、お墓と考えられる穴が密集する場所で、穴の中に横たわるように埋められた状態で出土しました。右足が壊れて胴体から外れていましたが、これは人為的に取り外したことが明らかになりました。お墓に一緒に埋納されたものか、あるいはこの土偶だけが単独で埋められたものかは、今後の研究を待たねばなりません。
「仮面の女神」の顔面は逆三角形の仮面がつけられた表現になっています。細い粘土紐でV字形に描かれているのは、眉毛を表現しているのでしょうか。その下には鼻の穴や口が小さな穴で表現されています。体には渦巻きや同心円、たすきを掛けたような文様が描かれています。足には文様はなく、よく磨かれています。この土偶は、土器と同じように粘土紐を積み上げて作っているため、中が空洞になっています。こうした土偶は中空土偶と呼ばれ、大形の土偶によく見られる形態です。
中ッ原遺跡の「仮面の女神」と似た土偶は、長野県辰野町新町遺跡や山梨県韮崎市後田遺跡で出土しています。どちらも20センチメートルほどの大きさであることを考えると、この土偶がいかに大きいかがわかります。
重要文化財 遮光器土偶
大きな目が、雪原の照り返しから目を守るイヌイットのしゃこうき遮光器に似ているところから遮光器土偶と呼ばれています。縄文時代晩期前半の東北地方で盛んにつくられ、太い手足から細く締まった手首や足首にいたるまで極めて様式化の進んだ土偶であります。
1.目的
文化庁主催の海外展は,国宝や重要文化財などの日本の優れた文化財を海外で発信し,外国での日本文化理解増進とともに,国内外の美術館・博物館等と協力して展覧会を開催することを通じて,共同研究や交流等の成果を発表し,海外との橋渡しとなる日本の学芸員の資質向上と海外における日本美術研究の推進に資することを目的として実施しています。
2.主催・協力
主催:文化庁,国際交流基金/ジャポニスム事務局,東京国立博物館
協力:NHK,朝日新聞社,全日本空輸株式会社
3.会期・会場
会期::平成30年10月17日(水)~12月8日(土)
会場:パリ日本文化会館(101 bis, quai Branly, パリ市15区)
4.概要 1998年,文化庁主催海外展としてパリ日本文化会館で「縄文展(Jômon, l’art du Japon des origines)」が開催されました。
今回,20年ぶりにパリで開催される本展は,更に優品を集め,縄文時代の美を体現する国宝火焔型土器をはじめとした土器に加え,土偶や装身具など,国宝6件,重要文化財33件を含む出土品を一堂に紹介します。日本美の原点である縄文の美と,それを生み出した縄文人たちの豊かな精神文化の魅力を提示します。
5.主な出品件数
国宝6件「火焔型土器」「土偶縄文のビーナス」「土偶縄文の女神」「土偶仮面の女神」「土偶合掌土偶」「土偶中空土偶」,その他重要文化財33件を含む,全64件を展示。出品作品の詳細は別紙の通り。
(※縄文時代の文化財のうち,国宝指定の作品が全て出品されます。
縄文時代が始まったとされる約1万3000年前。狩猟や漁撈(ぎょろう)、採集を行っていた縄文時代の人びとが、日々の暮らしのなかで工夫を重ねて作り出したさまざまな道具は、力強さと神秘的な魅力にあふれています。「縄文の美」をテーマに、縄文時代草創期から晩期まで、日本列島の多様な地域で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いに迫ります。海外の方たちに縄文時代1万年にわたる壮大な「美のうねり」をご覧いただきます。
6.「ジャポニスム2018:響きあう魂」とは
日仏友好160年の本2018年,両国政府間合意に基づき,芸術の都フランス・パリを中心に,大規模な日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」を開催します。
伊藤若冲「絵画」
パリ内外の100近くの会場を舞台に,約8か月間に亘り,美術展,舞台公演,映画,その他食や工芸など日本人の日常生活により密着した文化まで含め,さまざまな日本の芸術と文化を,古典から現代まで幅広く紹介します。
安藤忠雄「建築」
石井幹子「照明」
石井幹子氏によるエッフェル塔ライトアップ
会期を通じ,50余りの公式企画の実施を計画中。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に,日本文化の多様な魅力をパリに,またパリを通して世界に向けて伝えます。
会期:2018年7月~2019年2月
事務局:独立行政法人国際交流基金ジャポニスム事務局
縄文のヴィーナスといえば岡本太郎
芸術家岡本太郎氏は思わず「なんだ、これは~」と叫んだという縄文の土偶たち
パリの人たちは土偶をみて、どんな声を上げるのだろうか楽しみでもあります。
懐かしい岡本太郎画伯 生前にご自宅兼アトリエにて ©鎹八咫烏
鎹八咫烏 記
伊勢「斎王」の明和町観光大使
協力
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