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【Vol.2】ネオスポコンの中心人物!玄くんにインタビュー【Part 2】

2018.10.12 17:07

前回は車が好きになった経緯や、1台目の34に乗るまでの経緯を話してもらった。



Part 2の今回では、玄くんのもう一つのルーツであるダンスについて語ってもらった。

そのルーツを探る中で、玄くんのファッションにも注目したので合わせて読んでほしい。





「「今の環境を当たり前やと思うな」って。」


―――――ダンスを始めたキッカケっていうのは?


オカザイルっす。めちゃイケのオカザイルっす。

ダンス自体にもともと憧れはあって、中2の時に初めてオカザイルがあったんですよ。その時に「岡村めちゃくちゃカッケー」って、「エグザイルかっけー」ってなって。ダンスやりたいってなって。


その時にそそのかされて、ツレらと学祭でマネして踊ったんですよ。

その中で全員にソロの場面あったんですよね。ソロは、当時僕ダンスのダの字も知らんから、フリーで、やりたいように踊って。その時に、ちょっと手ごたえあったんですよ。「あれ、俺ちょっとイケてんちゃうか」って。まわりも「玄くんメッチャ上手い」って囃し立てられて、「んじゃやってみるわ」って。


その後ちょっとだけブレイクダンスやって、ヒップホップとかも始めて、丁度その時にヒップホップのルーツとかも調べて、「ミドルのヒップホップがやりたいな」って思って。丁度その時エグザイルのAkiraのダンスがすごく好きやって、クランプを始めたんです。そこが始めですかね。



今みたいにダンサーがゴロゴロ居て、ダンススクールがいっぱいあって、ダンス必修化とかじゃなかったんで、ゼロ以下の状態からダンス始めたから、「ダンスって何ぞや?ヒップホップって何ぞや?クランプって何ぞや?」の段階から始めてるんですよね。Akiraがやってるダンスはクランプで、クランプで有名なチームは当時で言うと「KAMIKAZE CLOWNZ」「RAG POUND」とか、その辺のをYouTubeで調べまくって、見よう見まねでやってみて。


それでちょっと話はそれるんですけど、僕が普段ダンス教えたりする子らにいつも言うてるんですけど、「今の環境を当たり前やと思うな」って。


それは何でかっていうと、俺の時代はイチから全部調べたし、スピーカーも持ってなかった。今君らはエアコン効いた部屋でスピーカーあってデッカイ鏡も用意されてて、iPodですぐ音楽流せてって状況の中で、まわりに何十人、何百人っていうダンサーが居てる中でダンスをやってると思う。


でも俺は頑張ってYouTubeとかで調べて、色んなジャンルとかルーツを調べまくって、中学の時に貯めた小遣いでちっちゃいソニーのスピーカーを買ったんやと。それにダンスって皆どこで練習してるとか全然わからん状況で、家から数十メートルの公園のベンチで踊ってたりとか、夜中スーパーの自動ドアの前で踊ってたりとか。


そんな中でたまたまダンスやってる子と仲良くなって、皆がダンス練習してるようなトコ連れてってもらえて、そこから色んな人と繋がっていったというか。

そういう周りの環境を作っていったから、その教えてる子には「当たり前やと思うなよ」って。



それで僕高1からダンス始めてるんですよね。EXPGっていう、エグザイルの所の。


その時の目標として、やっぱりエグザイルみたいなアーティストダンサーになりたいなって思ってたんですよ。それとやっぱりライブに出たいなって。


結果的にライブの方は1年で叶ったんですよ。ライブも2回出させてもらって。PVにも出て。その時に有難い環境いっぱい見させてもらって。エグザイルの舞台裏とか、言うたら1mの距離でエグザイルのメンバーと面と向かったりとか、ジェネレーションズのメンバーと隣り合わせでレッスン受けてたりとか、一緒に飯食ったりとか。


でも同時進行で私生活が崩れてて、ヒップホップにもハマってて、「俺がやりたいのはコレじゃない」っていうのが芽生えてたんですよね。

それでEXPG辞めたんですよね。「キラキラした舞台じゃなくて、アンダーグラウンドでやりたい」って思ったんですよね。


そこからクラブで活動するようになって。ダンサーとして呼んでもらったりとかで。そこからダンサー人生としては変わっていったっすね。



―――――今はダンス自体はメインではやってるの?


チームも組んでないですし、スクールとかもやってはないです。遊びで音楽流れてる場とかに行ったら踊るぐらいですね。




―――――玄くんがダンス始めたときって、クランプ全盛期やったと思うんやけども。


えっとね、クランプが日本に入ってきて―――。

丁度ヒップホップに行きはじめた時期に全盛期迎えてるんですよね。僕がダンス始めるちょっと前かな?

その当時からクランパーを見つけるのが大変でしたね。逆に言うと、関西のクランパー全員知ってる、みたいな。界隈狭いんで。




―――――俺も当時スーパーチャンプルー見てて、「クランプ特集」みたいなのを見て、顔の横にピエロのマスク付けて踊ってるのは見てた(笑)。


「RIZE」とかでしょ(笑)。だからそれに超影響受けてるAkiraが超カッコよかったんですよ。

そこで俺が始めて、一緒にクランプやってた後輩が大阪を代表するクランパーなってて、そいつらのPVにモナリザの車使ったりとか。

だから今でも結構生きてるんですよね、ダンサー生活って。

その時一緒にやってたヤツとかはバケてるやつ多いっすね。






「表面的に浅い部分しか見てない人が多いなって。」


―――――じゃあちょっと話変わって、ファッションの話でもしようかなと。玄くんって俺から見ても「ゴリゴリヒップホップのファッションやな」って思うんやけど、服に興味持ちだした時からそんな恰好なん?


オーバーサイズ着だしたのは中2っすね。中2でドゥーラグ巻いてました(笑)。

中3の終わりの卒業旅行にはEVISのオーバーサイズ履いてました(笑)。

その時のツレは今ミナミでアパレルやってます。「SKUNKS」っていうね。




―――――ベースはやっぱり西海岸?


昔は意識してました。レイカーズ着てたらコンバース合わせなアカンなとか、ブルズ着てるならナイキやなとか。ヒート着てたらレブロン履かなアカンなとか。


そんなん色々あったっすけど、今はカタチと質っすね。


昔はホンマにガチガチでした。青T着るなら下はハイソックスにコンバースやろみたいな。

流石に西海岸と東海岸をごっちゃにしたりとかは無いですけど、あんまり気にしては無いですね。


形さえ合ってて、基礎さえしっかりしてればオッケーみたいな。


だから街中見てて「なんでドジャースにモアテンやねん」みたいなヤツいっぱいいますもんね。なんで紺と白が流行ったとか、シドニーカラーが流行ったとか、ルーツ知らんのちゃうかなーって。


でもそういう奴って一生ダサいままやろうなって。




―――――確かに。それはすごく分かる気がする。


んでこれ何かを生み出す時に、チームとか色んな人に言うてるんですけど、「文化を知ったら視野が広がる。知識を得たらセンスが広がる」って。


これホンマに間違ってなくて、視野の狭いヤツってコレ(真っ直ぐ)で物事決めつけるんですよね。だから車もダサかったり、テーマ決まってなかったり、服もそうやし、聴いてる音楽とかもそうやし。音楽流すときにも90年代西海岸で行こうとか、今日は2000年初期で行こうかとか。


だから今の流行だけでモアテン履いたり、シュプとか着てる人らは、知らんような子多いんちゃうかなって思いますね。




―――――確かに。今の子ってルーツとかをあんまり調べへんまま、流行やからって乗る傾向にあるよね。


間違いないです。僕らがアメ村とか行って、色んなDVD買ったり色んな本で調べた事をしないですもん。


今ってグーグルとかの検索エンジンがあるじゃないですか。色んな情報が蔓延してるのに、「今の子らはええなぁ」って妬むわけじゃないけど、「上手いこと使えよ」って思うんですよね。車もファッションも全部。


自分でディグる力が無いんですよね。何からしたらいいかわからへんって。インスタグラムなんか世界最先端の情報源やのに、なんでそれで調べへんの?って。


街中で知識ある人が「ダサいなぁ」って思う奴は、一生気付かんままダサいんやろなって思うし、本人はダサいって思われてることを気付かんまま終わるんやろうなって。


これは車もファッションも音楽も全部やと思う。軽いんですよね。表面しか見てないからコダワリが無い。自分が好きなもののハズやのに、「なんでもっと追究せえへんの」「なんでもっと調べへんの」「なんでもっと肌で感じようとしやんの」って思うんですよね。


「勉強せえ」とか「方程式解け」とか言うてるわけじゃないじゃないですか。小学校の時やったら「野球好きやから野球やる」「サッカー好きやからサッカーやる」「書道好きやから書道やる」って感じじゃないですか。これって強制されてるわけじゃなくて、好きやからやるって感じでしょ。それやったら「音楽好きやから音楽追究する」「ファッション追究する」。これって難しい事か?って思うんですよね。


そんな行動力とか、ディグり力無いんやろなって思いますね。

だから「車カッコいい」けど「人ダサい」って事になるんやと思います。




―――――だから「ライフスタイルの中のカーカルチャー」ってところに。


だから車に100万200万掛けてなくても、カッコいいヤツはカッコいいんですよ。

表面的に浅い部分しか見てない人が多いなって。




―――――これでまた服の質問に戻るんやけど、これは俺の興味でもあるんやけど、どこで服買ってる?


基本的に一番好きなブランドは「After Base」です。そこがダンサーの先輩が働いてたりして、そこでお世話になってたりしますね。無地Tとかは「FIVESTAR」行ったり、古着屋回ったり。


このブランド好きっていうのがあんまり無くて、基本的にコダワリのある服が好きなんですよ。自分がちょっとでもレペゼンできるような服を買うことが多いですね。


だからドンキとかに売ってる大阪Tシャツってあるでしょ?

あれって観光客が着るんじゃなくて、大阪人が買わんとダメやと思うんですよ。




―――――ポリシーあるというか、一本スジ通ってるヤツが好きって感じか。


そうですね。ちょっとでも誰かの目に触れて何かあればいいなって。

だから割と自分のチームTを普段着にしてることもあります。

でも年がら年中B-BOYってワケでもないですよ(笑)。

基本何でも着るんで。



って言いながら今日はラルフ着てるんですけどね(笑)。






という訳でPart 2の今回はダンスとファッションについて語ってもらった。

Part 3の次回では、いよいよ現愛車の34にフォーカスを当てたインタビューを掲載予定。




Text : Yuto "GONTA" Ikeda
Photo : GEN, Yuto "GONTA" Ikeda