「学力向上進学重点校」とは何だ!に参加したレポートをこれ自体が何かの特色検査じゃないかと疑いながら書いてみる
『神奈川の県立高校改革における「学力向上進学重点校」とは何だ!』説明会に参加してきました。
今年から変更となる、上位校が実施する特色検査の中身について聞けると思って、ウキウキの参加でした。
ちなみに、「あれ、説明会の対象は生徒・保護者じゃなかったっけ?塾の先生も行っていいの?」と不思議に思ったあなた、画面の「保護者」の横に書かれた「等」にご注目を。
僕は、塾の先生は勝手にこの「等」に含まれると考えました。胸を張っての参加です。
今回の説明会は、こんな風に「え?これ試されてる?」という内容が豊富で、まるでこの説明会自体が何かの特色検査なのかと疑ってしまうほどでした。
本日は、そんな妄想を膨らませてしまうような教育委員会からの罠や問題の数々をまとめてみました。内容の説明とともに、この壮大な特色検査を一緒に楽しみましょう。
そして、最後の最後には、驚きの結論に至るわけです。
ただ、本文はだんだん本題とずれていってしまいそうな予感プンプンなので、まずは説明会内容を端的にまとめておきます。詳しくは下記の本文にて説明をしていますが、その本文は完全な蛇足かもしれませんのであしからず。
説明会のまとめ
■司会は柏陽の井坂校長先生。その他学力向上進学重点校の校長先生揃い踏み。
①基調講演は、「なぜ学びが大事なのか?」というタイトルで東大の濱中先生
②学力向上進学重点校の説明
特色検査は、各校共通の「共通問題」と各校で選択の「共通選択問題」を出題。詳しい中身についてはお伝えできないが、各校の過去問をしっかり見ておけばある程度予測はつくと思いますとのこと。特色検査についての説明はこれのみ。
③学力向上進学重点校の取り組み
4校の生徒たちによる静岡大学や東京大学の入試問題への対策の様子。英語でのスピーチ実施。生徒たち、素晴らしかった!
それではお楽しみ満載の本文に参りましょう。また神奈川が誇る素晴らしき先生方もまとめ記事を書いてくださっています。ぜひぜひご確認を。
『すばる進学セミナー』中本先生
『慧真館』岸本先生
これで心おきなく脱線できます。
メールをわざと間違えて混乱した情報を整理できるか確認
まず最初の検査は、なんと説明会が始まる前から始まっていました。9月のことです。
それは予約の際の出来事。今回の説明会は定員が限られるということで予約制だったのですが、その予約確定のメールにて出題がされました。
申込みをしたのは、「平成30年10月13日(土)栄公会堂にて10:00〜」にもかかわらず、メールで送られてきた内容は「平成28年10月29日(土)横浜市西公会堂9:40〜」というもの。
罠だ。
というか、僕はそれに気付きもしなかったのですが、神奈川が誇る素晴らしき先生が気付いてくださり、事なきを得ました。僕一人だったら日にちと場所を間違えてそもそも説明会に参加できなかった可能性もあります。ありがとうございました。
その後運営からも無事に解答が送られてきて、今振り返れば「なるほど。これは練習だったのか」と納得ができました。まだ本試験は始まってもいません。
東大からの刺客!大変興味深いお話で学びを得る
さぁ、そして本番当日。気合を入れて、行って参りました。
会場には錚々たる面々。学力向上進学重点校の校長先生たちを始めとした、各校の先生たちが受付準備などをされていました。
これは否が応でも期待値が高まります。バッチリ最前列付近をキープ。
そんな中始まった説明会。司会は柏陽高校の校長先生。さすがの安定感で話を進めていらっしゃいました。
まず会は、40分間の基調講演からスタート。東京大学高大接続研究開発センター教授の濱中淳子先生から「なぜ、学びが大事なのか?」という内容についてのお話がありました。
素敵なお話だったので、皆様にもお伝えしたく、簡単にまとめました。
- 「大学で学ぶこと」は「出世や稼ぎ」に直接的には関係しないが、「社会人になってからの学び」には強いつながりがあり、その「社会人になってからの学び」は「出世や稼ぎ」に関係しているというデータがある
- 自立学習ができる人にとって大学は必要ないかもしれない
- 勉強の動機は「競争動機」「理解動機」「感染動機」に分かれていて、上位校では「感染動機(周りがやるから俺もやる!)」の影響が強い。場のもつ力って大事
- 進学校と中堅校だと勉強時間ぜんぜん違う。これも「感染動機」の影響
- どの高校でも高校一年時で勉強しない子は高校三年時でも勉強しない。習慣の力って大事
- 弱い紐帯の強み。親しい人よりちょっとした知り合いの方が有益で新規性の高い情報をもたらしてくれるということ。偏差値の高い高校や大学に行く価値のひとつ
- 「能力の発揮感」と相関が強い力は体力。「人間的な魅力」と相関が強いのは学校行事で頑張ること。「新たな価値を生む力」と相関が強いのは大学の学問。
なるほど、なるほどと頷きながら聞いておりました。途中、東大自慢もありましたが、この話を聞いて生徒たちが「やっぱり東大ってすごい!行きたい!」と勉強に励んでくれれば言うことなしですもんね。
貴重なお話、ありがとうございました。
さぁ、続いて僕が一番聞きたい「特色検査」についての内容も含まれる学力向上進学重点校のお話です!
すかす
HPにも載っている重点校やエントリー校の説明と、事前に通知が合った特色検査の仕組みについての内容で、時間的にも短いお話が終わりました。これは、すかされた感じ。
これは、まさか試されている?ここらで疑惑が確信に変わってきました。
僕らは試されている。つまりこれは、少ない情報から、何を得るかということか。
そう勝手に感じ取り、僕が考えに考えあえて見つけた新たな情報としては、上記にも記した
特色検査は、各校共通の「共通問題」と各校で選択の「共通選択問題」を出題。詳しい中身についてはお伝えできないが、各校の過去問をしっかり見ておけばある程度予測はつくと思いますとのこと。特色検査についての説明はこれのみ。
というものになります。
特色検査を受ける生徒たちは、各校の過去問をしっかりと見ましょう。それに向かって対策しましょう。それでいいんです。というのが新しい情報と言えば新しい情報ですかね。
そもそもの特色検査の仕組みについては、以前にも載せたこちらの図がわかりやすいかと思います。
そして、今日説明してくださった方の口ぶりだと、このまま新たな情報はなく入試に突入する感じになりそうです。
となると、特色検査に関してのこれ以上の情報はもう出てこない。
ん、ということはちょっと待てよ。もしかして、これは…この大人も試される感じは、今日までだけでなく、本番の特色検査まで続くってこと?
と、となると、まさか、もしかしたら、今回の入試の特色検査は、生徒たちだけではなく、僕ら塾や学校の先生や保護者にまでも向けた「特色検査」になっているってこと?
少ない情報から有益なプランを組み立て、改善を重ねつつ、目標を達成する。生徒だけでなく、僕ら大人までをも巻き込んだ壮大かつ秘密の特色検査。
そうなのです、僕は完全に読み違えていました。
検査は本日で終わりじゃない。
特色検査は、本番のその日まで続いていくのです。
秀逸だった実際の生徒たちの学力向上進学重点校の学び舎の再現
会の最後に、実際の学力向上進学重点校での学びを再現するということで、5人の各校の生徒たちが大学入試問題にチャレンジする様子を見ることができました。
静岡大学の「インタビューする相手を決めてその内容を英語で記す」という問題と、東京大学の「この写真を見て思うことを英語で書きなさい」という問題に、実際に生徒たちが取り組み、その答えを発表するというものでした。
生徒たちの準備と緊張感と頑張りが感じられて、心がほっこりしました。すごいなぁと思うと同時に、なんだか微笑ましかったです。目いっぱいの拍手を贈りました。
その後、先生から各出題の意図の説明がありました。
静岡大学の問題では「インタビューしたい相手を紹介する」「質問は複数」など「与えられた題材をきちんと読み取り適切な答えを返すこと」が問われているとのこと。
東京大学の問題では「ありのままを伝えるのではなく、自分の強みや知識を活かし、さらに相手にとって面白いユーモアや工夫を交えた返答」が大切ということでした。
これって英語の問題ではありますが、お母さんに「何食べたい?」と訊かれたときに「(たしか冷蔵庫の中にパスタが残っていたからここでパスタと言ったら喜ぶな。だから、)ペペロンチーノ」の例でよく説明をする「国語力」の問題でもありますよね。
ここで言う「国語力」とは、「相手の求めているものを返す力」のことです。
特色検査のヒントがあれだけ少ない中で、あえてこのロールプレイングを最後に持ってきたということは…
まだまだ終わらない特色検査については、やはり「国語力」が鍵となってくるのではないでしょうか。
というわけで、僕の国語力をフル活用して深読みと空想を広げてみた蛇足だらけの長文でした。失礼致しました。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
特色検査受検生たちはまず、昨年までの過去問で困らないような5教科の自力づくりを。
〜さらに蛇に足がいっぱいつく余談〜
検査は終わらないのくだり、踊る風に言えば、
「室井さん…聞こえるか?
検査は今日で終わりなんかじゃない。
入試まで続いているんだ!!」
でしょうか。大変失礼いたしました。
ごきげんよう。