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クロマティック・プリズム

2018.10.17 22:32

昨日のブログで太宰治の「饗応夫人」の話を最後にチョロっとしました。


先日Apple Musicで吹奏楽作品をかたっぱしからダウンロードしましたが、過去の課題曲ラインナップが大変豊富で、懐かしいやら知らないやら、時代によってその知識に差があるのがなんだか楽しく、いろいろ聴いています。


その中で久しぶりに見つけたのが「クロマティック・プリズム」。


1996年の課題曲IIIでした。作曲は松尾善雄氏。


松尾氏は課題曲をたくさん書かれていて、他にも「マーチ「ハロー!サンシャイン」(1987年度)、そよ風のマーチ(1991年度)、童夢(第8回朝日作曲賞/1998年度)、行進曲「虹色の風」(2003年度)、パクス・ロマーナ(2005年度)、ナジム・アラビー(2007年度)と、たくさん。ちなみにウィキ調べ。


僕はこのときすでに音大生だったので吹奏楽の授業で演奏しました。課題曲ってそのほとんどが光の彼方に消し去られて思い出せないか、いくつもの課題曲マーチが脳内で合成されたオリジナル作品になるかのどちらかですが、僕は「クロマティック・プリズム」だけはなぜかずーっと記憶があるのです。


題名の通り、徹底して半音階(クロマティックスケール)で作られているそのコンセプトが秀逸。芸術作品かどうかは別としても、実験小説のような面白さを持っています。


まさに課題曲としての価値はあると思いますが、楽譜浄書をする者としてはこの作品の浄書、めんどくさかっただろうなあと思います。





荻原明(おぎわらあきら)