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Spark Lab

「本当にしたい、すべきこと」は?

2023.12.15 07:00

Spark Lab(スパークラボ)の稲場泰子です。


気付くと今年も残すところあと2週間。

久しぶりに気兼ねなく食事会や忘年会ができる、師走、

楽しい行事がスケジュールを埋めている方もたくさんいらっしゃることと思います。


さて、今回もアニメ話で行きたいと思います。

今回は第一シーズンの続きが今月放送/配信される、

「ゾンビになるまでにしたい100のこと」(通称「ゾン100」)

です。

(ネタバレあり。また筆者は敢えて原作漫画を読まずにアニメを満喫すると決めているので、アニメで描かれているストーリーや設定しか認識していませんのでご了承下さい。)


「自由」

私はいわゆる「ゾンビもの」が好きではないのですが、

ゾンビの表現をポップにし、気持ち悪さを出さないように描いてくれていること、

そして何よりも「生き方」について色々示唆を含んでいることから、

また、すっかりはまってしまいました。


主人公はブラック企業に勤め、毎日心身をすり減らしていた「天道輝(てんどう あきら)」。

ある日突然、世の中にゾンビ感染が始まります。

「輝(あきら)」は恐怖するどころか、「もう会社に行かなくていいんだ!」と大喜び。

ゾンビとなってしまった社長に「会社を辞めさせていただきます」と律儀に報告し、

自由を謳歌し始めます。


そして、

「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というリストをノートにつけはじめ、

一つ一つ実行し始めるのです。


「大型テレビでゲームをやりまくる」

という他愛のないものから

「実家で親と過ごす時間を作る」

という、ちょっとほろっとするものまで、一つ一つクリアする中で、

「輝(あきら)」は生きる意味や人の出会いの大切さに触れ、

ゾンビ感染前の自分こそ「生ける屍」だったことに気づくのです。


そして、色々なことを言い訳にして、

自分が本当にしたいこと、すべきことを

してこなかったことも深く自覚します。


「自分の規範」

「輝(あきら)」はリストの項目を実践する中で、

ゾンビにならずに生き残っている人々と出会います。


最初に出会った「三日月 閑(みかづき しずか)」は、

「ゾンビにならないためにすべき100のこと」

をリストにし、生き抜こうとしています。


ゾンビ感染で自分が関わるビジネスが止まった世界でも、

リストに従って毎日ランニングをし、糖質制限の食事をし、サプリを飲んでいます。

そして、「ケーススタディー」としてゾンビ映画を大量に視聴し、対策を考えています。


「したいこと」をして活き活きと毎日生きている「輝(あきら)」。

「すべきこと」をしてストイックに毎日生きている「閑(しずか)」。


「閑(しずか)」のリストは効果があります。

実際、能天気に街に出ていた「輝(あきら)」は、

周到に準備と情報収集していた「閑(しずか)」にゾンビから救われ、命拾いしました。


しかし、「閑(しずか)」は「輝(あきら)」と接し、その活き活きとした様子に感化されるうちに、なぜ自分で自分を「すべきこと」で縛っているのかを考えるようになります。


「閑(しずか)」は経営者の父に、

「こうすべき」「こうすべきでない」と厳しく管理され、後継者として育てられました。

冷徹で思いやりのない父に激しく反発心を抱いているにも関わらず、

いざ危機に直面したら父が自分にしたように

「すべきこと」を決め、自分に課している。


「閑(しずか)」は、「したいこと」を原動力に生きている「輝(あきら)」と行動しているうちに、

「すべき/すべきでない」ことで自分を縛り、

「本当にしたい/すべきこと」から目を背けていたことに気づくのです。


「閑(しずか)」を見ると、「真面目」に頑張っている多くの方、

特に女性たちにイメージが重なります。


自分の「外」、特に身近な力のある人から得た「規範」はとても強い影響があると思います。

「こうしたら褒められる/認められる」「こうしたら怒られる/拒絶される」という規範を覚え、

それに合わせて生きていくことは大事な処世術ですし、そこからたくさんの学びや成功も得られます。


しかし、その「規範」に気づかず、

既に役に立たない場面まで適用してしまうことは必ずしも自分のためになりません。

また、いつしかその「規範」の「せい」で自分は自由に考えたり活動したりできないのだ、

と「規範」の犠牲者になることもあります。


自分がそうなっていることに気づくことはとても難しい。


しかし、もし「こう思ってはいけない」「こう思わないといけない」

と自分に言い聞かせていることがあれば、

何が自分の「規範」になっているのか、

そしてそれは本当に自分の幸せの役に立っているのか、

考えるきっかけになるかもしれません。


ゾンビが蔓延する世界の終わりに糖質制限をしてもあまり意味がなさそうですし、

残り少ないかもしれない自分の人生を楽しんでいる感じもしません。


ゾンビ感染がなくても、人生には必ず終わりがあり、1日1日が大切な時間です。

今の自分に幸せにつながらないような規範は、この際、来年に持ち越さず、

「断捨離」してしまいませんか?