ジャカルタ発のプレタポルテ「LEKAT」は自国のバンタン族からインスピレーション
【高級ファッション報道】 平成三十年十月十六日に東京・渋谷にてインドネシア・ジャカルタに本社を置くプレタポルテ ブランド『LEKAT(レカット)』の春夏コレクションが、アマゾンFW東京内で発表された。
本ブランドは二十三年にクリエイティブ・ディレクタのアマンダ インダ レスタリによって設立。アクセサリのブランドとして創業した。二十五年にプレタポルテ市場にも参入。創業より数年でインドネシアや香港、中東等で注目されるブランドとなる。創造力と伝統文化を結びつけ、二十一世紀に付加価値のあるクリエーションを目指す。
インドネシア語で「永遠の記憶」を意味するレカットは、インドネシアの多様で彩色豊かな文化をベースに、伝統的なテキスタイルとモダンなデザインを融合させ、身に纏う女性に優雅さと快適さを提供する。コレクションを通じて、自然と文化への敬愛を表現。また、サスティナブルな地域社会の実現を目指し、外の世界から隔離されたインドネシアのバンタン族が紡ぐ布を世に発信する。地域社会を繋げ、ストーリのあるデザインを創造している。
来春夏のテーマはリトル・マダムで、三十一作品を発表した。かつてインドネシアの女性が身に纏っていた「バジュボド」「ケバヤ」「サロン」をインスピレーション素に、遊び心のある模様を組合わせた。女性がどの様に着こなしを楽しめるかを提案。黒、白、ライトグレーを基調にベイビーブルー、チリレッド、ダスティピンク、紫といった色の花柄やカラーブロックの幾何学模様を用いた。更にインドネシアのバンテン州西部に住むバドゥイ族が伝統に則って織る神聖な模様の手織りや刺繍、シルク プリントも使った。
ブランド設立当初からバンタン族に興味があり、現地に何度も足を運んだデザイナのアマンダ(写真上)。「東京はジャカルタ以外に、いつかショップをオープンさせたいと夢見る街。日本にはインドネシア同様に豊かな文化があり、ファッション業界には世界をリードするダイナリズムがある。発表する事ができ、とても嬉しく思います。インドネシアの織物としてイカット(かすり)やバティック(ジャワ更紗)以外にも、多くの素晴らしい素材がある事を私の作品を通して知って頂ければ幸いです。」とランウェイショー後にコメントした。
撮影記事:岡本早百合