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【Vol.2】ネオスポコンの中心人物!玄くんにインタビュー【Part 3】

2018.10.15 17:55

前々回、前回と玄くんの過去や車以外のルーツであるダンス、ファッションにフォーカスを当てて話してもらった。




Part 3の今回では、いよいよ現愛車の34にフォーカスを当てる。

また、玄くん率いる「MONNALiSA」にも注目したインタビューを行った。

玄くんはどのような思いで34を作っているのか、また今後の玄くんの活動や目標も語ってもらった。






「その時笑ってた奴全員見返したいってなって。」


―――――1台目を手放してその後、2台目を買うと。その時にまた34にした理由っていうのは?


その時は別の車乗ろうって思ってたんですよ。キャデ乗らせてもらったり、15乗らせてもらったり、33Z乗らせてもらったり。「次買うならもう一回国産スポーツかな~」って、まだ国産スポーツに未練あったんで。

2,3か月メッチャ悩んで、色んな車乗らせてもらって、最後にもう一回乗ったんが34やったんですよ。




―――――今の34って、買った時からあの仕様?


いや、買った時はURASのタイプGTのフルキット付いてて、どっかのショップのデモカーやったらしいんですよ。ホイールもプロフェッサー入ってて。フェンダーも組んであったし、純正の薄い方のシルバーやって。これでブライアン号作れるよなってなって。

オオクボファクトリーからこんなん入ってきたでっていう連絡貰って見たのがこの34なんですよね。


ほんでエアロをC-WESTにして、ホイールもマナレイのハイパースポーツ買ってきて、ベースは作りました。


その状態で2か月くらい楽しんで、バイナル買って自分らで貼りました。

この時はまだあんまり野望とか無かったんですよね。2のブライアン号作りたいっていう思いだけで。「ブライアン号っぽいの出来た!」ってなった時に、ある事件が起こったんですよ。


僕の車生活をガラっと変える事件なんですけどね。

丁度その時ぐらいにけんけんさんと知り合ってるんですよね。




―――――ほう。その事件っていうのは?


そのある事件っていうのがね、ある日先輩から「車イベントに出せへんか?」って言われて。「選考とかないし、気軽に出せるイベントやから」って言われて。


ほんでイベントに出したんですよね。結構大きなイベントやって。


当日ブライアン号出したら、サブい目で見られてるの丸分かりやったんですよね。お客さんからも、当日出してた他の出展車両の人からも、皆から笑われてるのがわかって。マジで帰りたいってなって、メッチャ恥ずかしかったし。


そのイベントの次の日から、ツイッターでメッチャ叩かれてるのを目にしたんですよね。もうメッチャへこんで、「もう2度とイベント行かん」って一瞬思ってました。


でも、その時笑ってた奴全員見返したいってなって。


どう車作って行こうってなった時に、流行に乗るというか、自分のプライド捨ててまで車作っていくのは嫌やなって思って、このブライアン号でどうにかしたいって思って。でも当時のオリジナルのブライアン号からは区別されたくて、自分なりを出したくて。


その時に思いついたのが「ネオスポコン」だったんです。ボディはワイスピとかスポコンの空気感を残したまま、今みたいにフェンダー組んで、リムのあるホイール入れて、ナチュラルにキャンバー付けて、車のバランス取って、足回りクリーンにして。それやったら肩並べられるというか、ちゃんとイベントで見てもらえるんちゃうかなって思って、冬の間にリメイク計画練って、リメイクしたんですよね。


そこでリメイクしてお披露目して、ちょっとは回りの目もマシになったっすね。


闘志を燃やせる相手が居てたから、やれたっすね。その時に終わってたり、誰にも反応されへんかったら今は無いって感じです。




―――――そこでもう見返したろう、と。


絶対見返したろう、ってなった次の年に表紙取ったったっす(ドヤ顔)。

その話来た時に、「はい、はい、全員笑っとったな俺の事」って思って。

勿論運っていうのもあったんですけどね。


でもそこで改めて実感したんですよね。自分がいかに未熟かって。


その時一緒に表紙になったのがミズキ君って方なんですけど、ミズキ君の見開きページ見たり他の人のを見てたら「あー、こういう人がホンマに評価されるべき人間なんやな」って。「俺なんか今回たまたまで、まだまだ全然未熟やな」って思ったんですよね。


人一倍周りに恵まれて助けられてる人間なんで、ホンマに自分の未熟さを実感しましたね。


だからリメイクもそうなんですけど、他にも色んな事を。車をリメイクするにあたって、自分磨きもせなアカンなって思って、色んな人に話聞きに行ったりもしました。




―――――俺もチョロッとだけ聞いたけど、まだリメイクするんやろ?


しますします。前回のリメイクの時にも思ったんですけど、全然、まだまだ終わりじゃないです。

皆に言われるんですよ、「もうやるトコないっしょ?」って。

全然、まだまだ煮詰めるっす。








「全員が全員ブライアンをリスペクトしてるんやなって。」


―――――玄くんの34が世に出てきたっていう言い方はアレかもしれんけど、最近結構ツイッターとかでブライアン仕様の車が多くなってきた気がするんよね。そこに関しては何か思ったりする?


多分元々多かったんですよ、いつの時代も。露出する場が増えたから多くなってきてるように感じるだけやとは思いますけどね。


ただあくまでも区別してほしいのは、僕はブライアン仕様ではないし、○○のブライアンって語ることもないし、俺は俺で「ブライアン風」で作ってるだけです。ブライアンをリスペクトしてオマージュしたものを作ってるんです。ブライアン号を作ってるわけじゃないっていうのを分かってほしいです。


だから別にライバル視したりって事も無いですし、僕は僕っすからね、僕のやりたいようにやります。


僕もブライアンとかワイスピの界隈に居てるけど、あんまりこう…別枠っていうか、ライバル視とか「俺の方がスゴイぜ」っていうのは無いですね。


全員が全員ブライアンをリスペクトしてるんやなって。




―――――ツイッターの質問箱とかで車に関しての質問とかも多いと思うけど、「この質問はやめてくれ」って思ったりするのってある?


一個だけあります。


興味あるのは分かるけど「(車作るのに)ナンボかかったん?」って聞かんといて欲しい。


それは何でかって言うと、俺が掛けた額を言いたくないっていうのじゃなくて、どれだけコダワるかによってメッチャ変わってくるんですよね。ある程度は自分でやってるから○○円で済んだ、だけどそこもショップ任せになってくると金額も変わってくる。


ベース車両で僕はシルバーの34使ってますけど、例えばブルーのスカイラインやったとしたら、シルバーにするのに全塗装の費用が乗っかってくる。ホイールどこの入れるかっていうのでも値段は変わってくる。だからぶっちゃけて言うと、ガンメタの34買ってきて、コーナンのカッティングシートで同じように作ったら、それはブライアン号ですよ。逆にGT-Rでブライアン号と全く同じにしようと思うと1千万超えるし。そこはコダワリで全然変わってくると思います。


例えば僕のバイナルはオリジナルデザインで5万くらいなんですよ、車体全部合わせても。けどブライアンと全く同じバイナル入れるってなると20~30万くらいかかるんですよ。


だからどこにコダワるかによって全然金額は変わってくるし、どこのショップに入れるかでも変わるし、どこを自分でやるかとか、どこを妥協するかによって変わってくるんで。


だから相談には乗れますよ。例えば「バイナルをブライアン仕様にするには幾らぐらいかかりますか?」とか。ただ、漠然と「幾らかかりましたか?」っていうのはナシで。







「自分たちのルーツの場所を全員で表現したいなって。」


―――――じゃあ話は変わって、「MONNALiSA」についてやねんけど。1台目の34の頃からモナリザってあったん?


ありましたありました。名前はその時からあったっすね。でもそんなミーティングやろうぜって感じじゃなくて、俺らの繋がりで集まった仲間内をこう(モナリザって)呼ぼうぜって感じで。




―――――そのモナリザの結成秘話は?


仲間内でスポーツカー買ったやつ、ポンポンポンって入れようぜってなって。始めはホンマにそんなもんです。仲間内でっていう。始めは「青で統一しようぜ」みたいな意味わからん感じもあったんですけどね。


そこから僕が青の34売って、1年くらい活動休止期間があったんですよ。ほんで今の車買った時に「ちょっと1回リスタートしよう」ってなって、そこからち

ゃんとやり始めた感じですね。




―――――その「MONNALISA」って付けた所以は?


あぁ、それ聞くっすか?



適当です(笑)。



勿論ワイスピ3のモナリザから来てるんですけど、ただ単にフッて湧

いて出てきただけです。「あ、モナリザでええんちゃうん」みたいな。


まぁ、車のチームじゃないんでね。チームっていう響きあんまり好きじゃないな…。遊べる仲間内のクルーの名称なんで。




―――――こう見てたら、「モナリザ入りたいです」っていう人も多いわけやん。


結構多いっすよ。「どうやったら入れますか?」みたいな。でもモナリザの根本は遊びの延長なんで、メンバー募集とか、○○入れようぜってことは無いですね。



これちょっと話変わるんですけど、僕が車買って、最初で最後、初めてメンバー全員でテーブル囲んで話し合いしたことあるんですよ。今後どうしていくかって。その時に話したり書いたりが面倒やったんで、資料渡したんですよ。2016年8月、「第1回モナリザ会議」って。


この時の最終目標として、「カーコンテスト、ライブ、ダンスショーケース、ダンスバトル、ラップバトル、スケボー、アパレル、タトゥー等のストリート文化を融合した総合的なイベントをやりたい」やったんですよ。


この前久々にこの資料を読んで、「近づいてるぞ」ってなったんですよね。


この時に「来年の5月には桜島をパンパンにしようぜ」って書いてるんですよね。これ半年経たんうちに達成してるんですよ。「DJ等に音楽を流してもらいながら、新しいミーティングの形を提案する」。これもやってるなって。小規模な撮影会などで知名度を上げる。これもそうやなって。


この前の「Ride or Die」あったじゃないですか。メッチャ理想に近かったんですよね。あのイベントが一番刺激になりましたね。


だから話ちょっと逸れるんですけど、僕は車に特化してるわけじゃない。車が好きで、車に必死こいて動いてるけど、何より他の人よりヘビーな家庭事情があって、音楽もヒップホップとかレゲエが好きで、趣味でターンテーブル触ったりとか、もちろんダンスもやってて、ラッパーの友達もおって。


そういうのを全部含めて自分のヒップホップであって、それを体現したようなイベントを作りたいんですよね。


だから僕は車の界隈の方に行ったけど、スケートやってる奴とか、アパレル作ってる奴の服並べたり、タトゥーのブース作って「その日のうちにタトゥー入れれますよ」みたいな。

そういう土臭いストリートなイベントをやりたいですね。


イチ、曲のリスナーというか、「俺はヒップホップ聴いてるからヒップホップやぞ」じゃなくて、ヒップホップなライフを送るっていう。ハンバーガー食うことがヒップホップじゃない、家系が汚れてるからヒップホップじゃない、自分なりのヒップホップを作るんやと思ってます。それがヒップホップの面白い所やと思います。


今のご時世、全員がギャングの息子で、全員タトゥー入ってるわけじゃない。今の時代ってメガネかけたオタクが家でユーチューブばっかり見て育ったラッパーもおるわけで。それもヒップホップ。


でも全員が全員じゃなくて、俺は「イケてない」奴はヒップホップじゃないと思ってるんです。




―――――ということは、あくまでも車を起爆剤にして、みたいな感じ?


そうですね。車もそうやし、ダンスもそうやし、服にも興味あるし、色んなツレおるし、ラッパーやったりオーガナイザーやったり、美容師やったり。全員を巻き込んで(何かイベントを)やりたいなっていう。


自分たちのルーツの場所を全員で表現したいなって。






―――――これからの玄くんの展望というか、どういう事をやっていくかってある?


まずね、まだ非公開ですけど、新しいチーム作ります。メンバーはまだ非公開で、誰がどんな車作るとかは言えないですけど、次の春に新しいチーム作るっす。モナリザが身内のワイワイに対して、ちゃんとアワードとかを見ていくようなチームを作ります。


ミーティングは一旦休憩

します。潮時ってわけじゃないけど、一旦考え直す時期かなぁと。


んでここで断言しますけど、イベント化します。派手なイベントはできへんかもしれんけど、イチからお金かけて小さい会場でもいいんでイベントします。


そして最終的にはお店を出すことが目標かなと。


ここで言い切ります。ハンバーガーショップ出します。車乗りがフラっと来れるようなお店を、35歳までに!



…無理やったらそのお金で僕は世界1周旅行に出ます。その時はさようなら(笑)。





という訳で玄くんへのインタビューは終了したが、非常にアツく、面白いインタビューとなった。

本当にインタビューの時間があっという間に過ぎたという感覚であった。

それぐらい濃い内容であったことは、このインタビュー記事から読み取って頂けた事であろう。




Text : Yuto "GONTA" Ikeda

Photo : Yuto "GONTA" Ikeda