100pips=1円の恐怖
FXを始めると、慣れない言葉が散見します。
pipsってなんだ?
適当にやっても、上がったり下がったり、微妙な動きをする通貨……。
そんな「なんでもない日常のボックス相場」では、誰でも「勝ち」を経験します。
そうしているうちに、麻痺してしまい、大きな資金を投入したあたりで
一気に数円が動くような、恐ろしい日がやってくるのです。
いつもは100pipsをとるのに苦労をします。
ちまちまと小さな値幅をとりつづけ、欲張らないかぎり、どうにかなったりします。
もちろん、はじめからまったく勝てない人もたくさんいます。
ところが、
「戦争のニュース」
「ミサイルのニュース」
「大統領の発言」
「指標の発表」
その他、材料が出た途端に、一斉に相場から機関投資家たちも投げ売って離れるために、恐怖の数円下がりが訪れるのです。
わたしたちは普段、数円とはとても小さなものだと考えています。
しかし、FXでは100pips=1円の値動きで、死ぬほどの心のすり減りを経験し、資産が溶ける恐怖を味わいます。
その例を示してみます。
1PIPSもロットが大きいと大金!
ある人が、50万円を元手に、大変強い手法を編み出しました。
ドル円で、50万通貨の取引を行っていました。
10pipsで決済するように指値をしてあり、決済逆指値はかなり深い500pips(5円)というものです。
この人は、はじめは、1万通貨で取引をしており、10pips動いて決済されると1000円の利益が出ることがわかりました。
そして、欲が出て来て10万通貨で取引をしますと、朝起きるたびに、月に数回は1万円の利益の通知メールが来ていたのです。
ドローダウンも、資金の50万円からすると微々たるもので、数万円のマイナスを見ることがあっても、充分に待っていられる気持ちでいました。
『この程度のドローダウンが日常なら充分に気持ちが耐えられる、
よし5倍でやってみよう』
そして50万通貨にして、毎日ドローダウンを眺めていましたが、やはり数万程度で待ってることができたのです。
『どうせ戻るのだから』
とタカをくくってしまったのです。
そんなあるとき、目を離したすきに、ニュースが出ました。
このとき、円建てのドル円相場は大荒れし、大暴落をしました。
10万通貨あたり、20万円ほどの下げがありました。
ということは2円(200pips)下がってしまったのです。
口座はたちまち、ゼロリセットになってしまいました。
ゼロリセットの口座でない場合は
追証になります!
(「追加の証拠金を入れなさい、
入れてないのにドローダウンしたら、借りてる分の損失金を支払いなさい」という催促が来ます。
FXは日頃の小さな1銭(1PIPS)の感覚だと、感じることに麻痺をしてしまうのですが、
レバレッジ2倍以上でやる場合は、借金なんです。
大切なことなので、もう一度言います。
FXで2倍以上のレバレッジを使う場合、
借金をしてやってるのと同じなんです!!
「小さな金額でしか、やってないから大丈夫」
なんて思っていると、
スイスフラン大暴落のときのような悲惨なことが起きるかもしれません。
(※スイスフランは、ある日突然、ゼロに近くなり、多くの人が逃げ遅れて追証、資金を失ったり、亡くなったりしました。
そしてすぐに値段を戻したのです。
何年もかけて築いたものが一瞬で吹っ飛んだのでした)
数円動いても大丈夫な資金でやっている人だって、ゼロに近くなるほど下げられたのでは、資金がショートしてしまいます。
こうなると、守られるのは、
「損切り設定のあった人」
「ゼロリセット口座でやっていた人」
「全力投資をしていなかった人」
だけですね。
こういった非常事態を考慮した取引が大切だと考えるので、
FXでは必ずある程度の値幅で損切り設定をした方がよいと考えます。
(レバレッジを使わない人で長期投資の人はのぞく)
ちなみに、さきほど書いたゼロリセットになってしまった人は、
海外の追証のない口座だったため、資産がなくなっただけで済みましたが、
追証がある口座だった場合ですと、これに加えて、口座の運営会社に減ってしまったぶんの資金を投入しないといけません。
このように、相場は常に動いており、突然の値動きに対策を講じなければなりません。
それには
・通過数を資産相応の大きさにすること
・反対の動きを臨機応変にする
(タイミングを誤れば両方の売買に損失がでます。通称:往復ビンタ)
・損切り、逆指値の徹底(ただし損切り貧乏にならないようにする。
そのためには損切りを深くする(その場合は通過数は控えめにして損が少ないようにする)か、優位性の高いタイミングで入って相場を見張り損切りをするなど、決断が必要です。